この記事は約 13 分で読むことができます。
こんにちは、翼祈(たすき)です。
2022年に、一軒のコーヒーカフェがOPENしました。名前は『HICARU COFFEE ROASTER』といいます。
このカフェはダウン症の人たちが働くカフェで、創業者の方は一般就労をさせたいと、その熱意を惜しまず、その努力をし続けています。
そんな『HICARU COFFEE ROASTER』が今、さらなる事業発展に向けて、2023年9月末までクラウドファンディングを行っています。
なぜ創業者の方がこんなにも熱意を注ぐのか?それには創業者の方の亡くなった弟さんが深く関わっています。
今回は、『HICARU COFFEE ROASTER』を設立した経緯、2022年の取り組み、クラウドファンディングの中身についてお伝えします。
『HICARU COFFEE ROASTER』を創業者の男性が始めた経緯とは?
画像・引用:ORCa
『HICARU COFFEE ROASTER』の創業者の山中英偉人さんのプロフィール
『HICARU COFFEE ROASTER』の創業者の山中英偉人(やまなかえいと)と申します。私の弟の光(ひかる)はダウン症でした。そして光は心臓病の合併症が悪化し、1歳の時に亡くなりました。
生まれた時から障害を持っていることが分かっていたことから、住職の方に病気に対抗することができて、命輝くようにという意味を込めて名付けられた弟の「光」。
光が亡くなった当時の僕は、光がダウン症だということや光の死について深く理解することができませんでした。ただ弟が生まれた嬉しさ、そしてその弟が突然目の前から居なくなってしまい、僕以外の親族も含めて、全員が光が居なくなったことを寂しく悲しい空気が漂っていたことだけは、小さかった僕でも理解することができました。
私は大学生の時にコーヒーと、コーヒーショップに目を奪われ、バリスタになる夢を描きました。コロナ禍では、僕は大学に通学しながらも、飲食店の空き時間を借りてコーヒーショップを経営する機会を頂き、友人たちと一緒に同年代の居場所づくりに励みました。
コーヒー本来の味の奥深さはもちろんのこと、何よりコーヒーを介して人々が出逢い繋がれる、このコーヒーショップという居場所が僕は大好きでした。一度訪問したお店でバリスタさんと話が弾めば、自然とそのお店が居場所にガラッと変化しました。人が大好きな僕には人生においてコーヒーは、誰かと触れ合い出逢える居場所があることが心の支えでした。
大学を卒業したばかりの頃は大した貯蓄もなく、わずかな資金と思い描く感情、そして僕をサポートしてくれる仲間だけでここまでやってこれました。
毎日夜中にお店に通い詰めて暗い中勉強する日々が半年程度続き、努力が周囲の人たちから認められて、無事お店でコーヒーを淹れる側として接客できる様になりました。
お店でバリスタとして勤務し出してから1年半ほど経過した頃、バリスタとしての活動を拡大させるプロジェクトとして、バリスタという職業とコーヒーの持つ魅力を発信したいと、バリスタの学生団体[BLACC]を設立しました。
社会人1年目になり就職した会社で仕事をし、その[BLACC]の活動も継続していきます。活動を始めてから色んな人たちと出逢えて、貴重な経験も沢山しました。初めて自分の力だけで人生の豊さを感じ始めたのは、[BLACC]として活動をスタートさせてから丁度1年経過してからでした。
ですが、光が同じ18歳になって僕と同じ様に社会人になる年になっていたことをふと考えたことがありました。「光がもし生きていてくれていたら幸せになれていたのだろうか…。友人は?夢は?仕事は?居場所は?…」とそんなことを考え続けました。
いつか自分や自分の手で大切な人や、困っている人を助けられる人になりたい。
そうして、僕の人生を救ってくれたコーヒーを介して、コーヒーでできる社会福祉に取り組むことを決心しました。
思い描く感情に対して120%にチャンレンジすべく、一念発起し新卒で入社した会社を早期退職し、株式会社ORCaという会社を設立しました。この居場所づくりをすることで人に勇気を与えられると思って、バリスタになることを決意しました。
僕のコーヒーを介した居場所づくりと重ね合わせ、起業をして自分も光と同じ様な境遇にいる人たちと一生に夢を叶えていきたい。と思いを馳せ、『HICARU』の設立する運びとなりました。
画像・動画引用・参考:ダウン症の方と共創するコーヒーブランドをこれからも続けていきたい Good Morning
公式Instagram
https://www.instagram.com/hicarucoffeeroaster/?hl=ja
2022年、
大阪府大阪市本町でITとコーヒーに特化した、大阪府大阪市西区にある就労移行支援と就労継続支援B型事業所に携わるCOOON WORKS株式会社と、ダウン症の人達と共創するコーヒーブランドに携わる、大阪府大阪市北区にある株式会社ORCaが業務提携を大阪市、ダウン症の人がバリスタとなり、カフェでの一般就労を目指す就労支援のコースを解禁しました。
株式会社ORCaが携わる『HICARU COFFEE ROASTER』は、代表である山中英偉人さんの弟の光さんの名前から名付けられました。山中さんの弟さんはダウン症とその他の合併症を持って生を受け、わずか1歳という若さで亡くなりました。
この世界で命が煌めく様にという願いを込めて名付けられた「ひかる」という弟さんへの想いも込め、「ダウン症の人が一緒に働けるカフェを!」という理念で『HICARU COFFEE ROASTER』は立ち上げました。
今でもダウン症の人が福祉サービスの枠組みに捉われず、一般就労というカタチで勤務しています。『HICARU COFFEE ROASTER』では一般の業務を細分化し、ハンディキャップを持った人でもお仕事が可能なアイデアを実施し、接客からドリンク製作、ケーキ製造などといった幅広い業務を行える取り組みを実現しています。
現在、「『HICARU COFFEE ROASTER』でバリスタとして勤務したい!」というダウン症の人からの相談が増え、一般就労の枠を拡大させる取り組みを行なっていました。ですが、一人一人の個性に本気で向き合いたいという気持ちから一般就労の枠を絞り、少しづつ入所の幅を拡大させた状態でした。
そんな時に、コーヒーに特化した就労移行支援に携わるCOOON WORKSと提携を結ぶことで、より沢山のダウン症の人の一般就労が実現可能だと考え、この度ダウン症の人に特化した就労支援コースを解禁しました。
本就労支援コースは、大阪府大阪市谷町六丁目にある『HICARU COFFEE ROASTER』、大阪府大阪市和泉中央にあるHICARU COFFEE STAND Osaka Izumiでの就労を目標とするコースです。
COOON WORKSでは、実際に『HICARU COFFEE ROASTER』に一般就労するまでのコーヒーの基礎知識やコーヒーのドリップの仕方など細かく指導します。カフェで実際する業務を細分化したことで、段階を上る度に丁寧に指導し、ダウン症の人が技術のスキルアップが可能なカリキュラム設定です。
一般就労を掲げる一歩手前の活動では、コーヒーに対する座学や接客、ホスピタリティなどを就労移行支援の枠組みでCOOON WORKSで勉学に励み、『HICARU COFFEE ROASTER』の実店舗でエスプレッソマシーンの操作方法や新しいスイーツの開発などに携わり、より専門的な内容を実践ベースで学んでいきます。2年間でカフェでの就労の基礎が出来上がるまで全力でサポートを担います。
画像引用・参考:ダウン症の方がカフェでの一般就労を目指せる 就労支援コースが始動! PR TIMES(2022年)
2023年になって。2023年9月末までの、クラウドファンディングの中身
『HICARU COFFEE ROASTER』は2022年の1月に本プロジェクト同様、
Good Moringでのクラウドファンディングを介して資金を募り、無事達成に合わせて、『HICARU COFFEE ROASTER』をOpenできました。当時創業者の私はまだまだダウン症の人との接点が少なかった時に、『HICARU COFFEE ROASTER』がOpenして間もないにも関わらず、その当時のプロジェクトページを観て下さっていた多くのダウン症の方のそのご家族に、『HICARU COFFEE ROASTER』まで足を運んで頂きました。そして現在『HICARU COFFEE ROASTER』で勤務するスタッフや、『HICARU COFFEE ROASTER』を掲げた当ORCa関連施設でバリスタになるための訓練に勤しむダウン症の人たちと出逢えました。
『HICARU COFFEE ROASTER』ブランドとして、当店が扱うコーヒーは“スペシャルティコーヒー”と呼ばれる大変希少でかつ高品質なコーヒー豆となっています。“スペシャルティコーヒー”の美味しさを存分に引き出すべく、知識や技術を兼ね備えたバリスタが一杯ずつ丁寧にコーヒー豆を抽出し提供しています。
福祉事業所といった、国からの助成金で運営する収益モデルではなく、サービスに対しお客様より対価を頂くことで『HICARU COFFEE ROASTER』の存続を行なって参りました。『HICARU COFFEE ROASTER』を愛して下さるお客様のお陰で、1年経過した現在では、世界中のお客様が日々足を運んで下さり、連日多くの方で賑わっております。
そんな私たち『HICARU COFFEE ROASTER』ですが、2023年7月に大きな決断を行いました。ORCaのグループ会社からの独立でした。今までは親会社のORCaと一緒にORCaブランド拡大に励んで参りましたが、ダウン症というテーマへの私たちの思い描くことや、『HICARU COFFEE ROASTER』の事業展開についての行動方針の転換など、経営に関連するORCaとの考えの不一致が詰み重なり、私に限らず共に歩んでくれる仲間たちの想いを一緒に叶えていくために独立する運びに至りました。
独立には私の想いだけではどうすることもできず、『HICARU COFFEE ROASTER』の経営を続けていくために代表一人では抱えきれない資金が必要になりました。そのことでこのまま『HICARU COFFEE ROASTER』と関連事業を続けていくべきかどうか、日々ずっと悩み続けました。
ですが、自分が酷く心配をしていても、身の回りの沢山の人たちが「今乗り越えれば『HICARU COFFEE ROASTER』はずっと大丈夫だから‼︎」と力強く背中を押してくれました。何より『HICARU COFFEE ROASTER』で仕事をするスタッフが一緒に頑張っていきましょうと私についてきてくれました。その上で関連事業をこれから先も継続していくためには、『HICARU COFFEE ROASTER』の体制変更へ沢山の経営者の方々がアドバイスや意見を親身になって相談に乗って下さり、希望が見えて来ました。
今を乗り越えることは、決して容易なことではありませんが、私たち『HICARU COFFEE ROASTER』を応援して下さる皆さんの力を今お借りして、再度私たちの夢へと飛び立てるよう、『HICARU COFFEE ROASTER』設立のきっかけを与えて下さったここGood Moringでクラウドファンディングに再チャレンジする運びとなりました。
画像・動画引用・参考:ダウン症の方と共創するコーヒーブランドをこれからも続けていきたい Good Morning
素敵ですね。
障害を抱える方が働く会社を設立する方って、弟さんなどご家族に障害があって、それから会社を立ち上げるという話をよく耳にします。当事者が近くにいる分、より密接な職場づくりへと活かせるのではないでしょうか?
2022年の記事の話ですが、一般就労を目指せる活動も凄く良い取り組みですね。A型でもB型でも、そこで学んできたことを、そのまま一般就労でも出来るかって言えば、なかなか難しいのを私は知っています。大阪府のは1から10までしっかり教えて貰えて、技術が身に付いて、そのままカフェでの一般就労を目指せる場所だと、記事を読んでいて思いました。
私自身はまだ一般就労に関しては考えていません。会社に求人がずっと更新されて貼られていますが、私は急いで動いて慌てて探しても良いことはないだろうと、20歳の時に痛感したので、自分が動きたいと思った時でいいかな?と思っています。
今はまだまだ書きたい、読者の方に届けたい記事を今日も書き続ける毎日です。
クラウドファンディングもダウン症にさらに特化したカフェになると、また他の障害を抱える人が働くカフェとは違う特色というか、個性が出て来そうですね。
HICARUさんがこれからもダウン症の方に寄り添ったカフェであるために、私も微力ながら記事を通して応援したいと思います!
過去のクラウドファンディング
ダウン症のこどもたちを持続的に支援するコーヒーブランドを立ち上げたい! GoogMorinng
ダウン症の方々が一般就労として参画するカフェ「HICARU COFFEE ROASTER Original」実店舗全国展開プロジェクト始動! PR TIMES(2023年)
noteでも書いています。よければ読んでください。
コメントを残す