ノーパニック症候群。泳ぎが得意でも注意!起こる原因と、未然に防ぐ方法をご紹介。 

ノーパニック症候群

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

日本スポーツ振興センターの統計調査によれば、2012~2021年度に学校や保育施設のプールで発生した水難事故で14人が亡くなり、55人が後遺障害を負いました。体育の水泳の授業や水泳部の活動中でも起きやすいということです。

幼稚園で1件、保育所で1件、小学校で9件、中学校で4件、高等学校で10件、発生しました。溺死が21件(84%)で、その他は突然死でした。運動部活動などの課外指導が8件、通学中に湖や河川に落下したものが7件、授業中が4件、学校行事が3件、でした。

後遺症が残った障害事故は、同じ時期に29件発生していて、小学校が8件、中学校が11件、高校が10件で、授業中が19件、課外指導が9件、学校行事が1件でした。発生場所ではプールが24件(83%)。どんな状況で発生したかを分析すると、「飛び込み(スタート)」が13件(45%)、「泳いでいて」が10件(34%)でした。

そんなプール内で起きた水難事故で多い事例は、「ノーパニック症候群」だと言います。「ノーパニック症候群」という言葉は一般には使用されていませんが、「静かに溺れる」という意味を持ちます。「プールから全員が上がった後を観ると、水底に生徒が沈んでいた」という重大事故は、この「ノーパニック症候群」を発症した可能性が非常に高いと想定されています。

今回はその「ノーパニック症候群」について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

「ノーパニック症候群」とは?

潜水(素潜り)時の事故の原因の1つ。泳ぐ前に緊張状態にあったり、潜水時間を延長する為に深呼吸を繰り返したり行うことで、脳に大量のアドレナリンが出て、過呼吸に陥ります。その結果、血液中のCO2が減ってしまいます。この状態が持続し血液中の酸素濃度も減少することで、息苦しさを覚えることなく意識を無くしてしまいます。

この状態を「ノーパニック症候群」と呼びますが、CO2が溜まった状態に体が慣れて来ると、苦しさも感じません。パニックに陥らないままで、CO2が足りていないことに気付かない状況で、静かに眠るように水底に沈んでいきます。水に慣れる為に何秒間か息を止めて水の中に入る息こらえや泳ぎに自信があって繰り返し深呼吸をする子どもほど、危険な「ノーパニック症候群」を引き起こしやすいと言います。

水深が浅い場所でも起きうる病気なので、足が底についているからといって安全ではありません。そして、泳ぎが苦手な子が水を一杯誤って飲んでしまい、気管内に水が入ってしまう事例も起こります。

参考:プール授業、泳ぎが得意な子も注意 「ノーパニック症候群」とは 朝日新聞デジタル(2022年)

「ノーパニック症候群」が起こる3つの要因

「ノーパニック症候群」を発症して起きた溺死の原因では、①内因性疾患からの心肺停止、②浸水反射、③潜水前の過呼吸が、考えられています。

3つの原因

①内因性疾患からの心肺停止

例えば致死性の急性心筋梗塞、不整脈、脳血管障害などで突然心肺停止が発生し、急に意識喪失し、そのまま水死します。

②浸水反射

いきなり冷たい水の中に入ったことで、自律神経の迷走神経の反射が起こり、脈拍数や血圧が低下します。こうした強い反射が引き金となり心肺停止し、そのまま水死します。

③潜水前の過呼吸

潜水を行う前には、可能な限り長い間、息を抑えることを可能にし、子ども達は大きな呼吸を繰り返して生きています。このことで血液中の酸素濃度が増加するのと同時にCO2の排出が促されます。

CO2には、脳に呼びかけて呼吸を促進させる働きがありますが、潜水を行う前に過呼吸をすると、CO2の濃度が落ちて、潜水運動で血中酸素濃度が落ちているにも関わらず、「息ができない」という感覚が陥らないケースがあります。そうしたことで、意識が徐々に薄れていき、そのまま水死します。

潜水や潜りっこの練習を頻繁に行うと、「ノーパニック症候群」を発症しやすくなります。「ノーパニック症候群」を予防する対策では、潜水の練習を3回繰り返したら5~10分の休憩を取って下さい。

参考:「子どもがプールの底に沈んでいた」…水泳中にもがくことなく溺れる「ノーパニック症候群」はなぜ起きる? ヨミドクター(2023年)

「ノーパニック症候群」を引き起こさないために気を付けるべきこと

2012年7月に京都府京都市左京区の養徳小学校のプールで当時1年生の女児が溺れて亡くなった事故から10年が経ちました。この10年が経った間にも、学校プールでの水難事故は日本各地で発生しました。中学・高校の教員として33年間、水泳指導を監修した安全教育学が専門の桐蔭横浜大学の准教授の男性に、学校のプールに潜む危険性に関して尋ねました。

―注意すべきポイントは?

「水泳の授業では子どもの泳ぐ力の差が大きく開いていますが、教員が水泳が不得意な子へのサポートを手厚く行うので、意外と水の事故の発生は起こりません。認知すべきケースでは、スイミングスクールなどで水泳の習い事で泳ぎが上手な子でも溺れるケースが多発することにあります」

―水泳が得意だと大丈夫、というわけではないのですね?

「水泳が鮮明に出来ない子どもが事故に見舞われたというケースは、とても限定的です。また、水泳が上手な子どもが集う記録会でも、水難事故はよく発生しています」

―予防するにはどうしたらよいのですか?

「頻繁な深呼吸を繰り返す潜水の練習を子どもがしないことが必要となってきます。一度潜水をした後は呼吸を整えるべく、十分な休憩時間を与えることも必要です。子どもが2人一組で水泳するバディの取り組みで、一緒に水泳の様子を見守ることも有効な方法だと思います」

―教員は、具体的にどんな見守りに励むべきでしょうか?

「プールの形状で、見守る視点が変化します。ここ近年のプールにおいては最深部がスタート台付近にありますが、20~40年前のプールにおいては中央が最深部となっています。大型ビート板や水深調節用フロアでは水底の視界を妨げるので、警戒が必然となります。教員が見守りをしやすくするためには、子ども達が水泳するのを交代制にして人数を制限かける手段もあります」

―他に注意が必要なポイントはありますか?

「ラッシュガードは水を吸い込むことで重たくなります。小学校の低学年の子どもは水に慣れさせるために四つんばいになる水泳の授業もありますが、立ち上がれずにパニックに陥ることもあります。徹夜で勉強していた高校生が浅い水位で溺れる水難事故も発生していて、睡眠時間を含めて心身の不調がないか事前に聞き取っておく必要もあります」

参考:「泳ぎが得意な子でも溺れる」 学校プールに潜む危険性、研究者が語る 京都新聞(2022年)

私は今は全く泳ぎにはいきませんが、

私は泳げません。学校の水泳の授業でも、変な形のクロールのみ出来て、それでもすぐ足は着くし、息継ぎも全然出来ないし、記録は勿論伸びないし、本当に水泳の授業は嫌いでした。生理が水泳の授業の時に来ていたら、本当に嬉しかった位、水泳も全く駄目でした。

今から数年前に、母とプール教室に行ったことがありましたが、母は浮かぶことも出来ませんでした。私は浮かぶことは出来ても、ビート板を使っていても、学生時代と違い、更に足を着く時間も早く、頻度が高くなっていました。

この記事を書いて「ノーパニック症候群」について知りましたが、泳げない私からしたら怖いなと思いました。この病気は私も調べていても、情報はほとんどない病気でした。体調に不安を感じている時は、泳ぐことは予防のためにもしないで欲しいなと感じました。

noteでも書いています。よければ読んでください。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も2交代制で担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。