『春の香り』。悪性脳腫瘍と闘い、18歳で亡くなった少女を描き出す青春映画。 

春の香り 悪性脳腫瘍

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

脳腫瘍とは、脳やその周りなどに頭蓋骨の中で発生する腫瘍で、色んな種類があります。それ以外の臓器にできたがんが脳へと転移する転移性脳腫瘍と、脳やその周りの組織からできる原発性脳腫瘍に大きく別れ、原発性脳腫瘍はさらに良性と悪性に分類されていきます。

良性脳腫瘍とは、髄膜や下垂体、神経など脳の外側からできます。

脳腫瘍が増殖する速度が極めて遅く、正常な組織との境目も鮮明なので、手術で脳腫瘍を全摘出できると再発する恐れはほとんどないといいます。

その反面、悪性脳腫瘍とは脳そのものからできます。原発性脳腫瘍を発症する人は、毎年およそ2万人ほどと推定されていて、そのうちのおよそ半分が悪性脳腫瘍の患者さんです。

悪性脳腫瘍は「脳のがん」となり、急速に脳腫瘍の増殖が増大するだけではなく、正常な組織との境目が鮮明ではないという、厄介な特徴があります。

そのために悪性脳腫瘍は再発もしやすく、治療を受けないと命を奪われるケースもあります。

悪性脳腫瘍は希少がんの1つとされ、希少がんとは、毎年の発症率が10万人当たり6人未満で、患者数が極めて少ないがんとなります。希少がんは200種類近くあると想定されていて、がん患者全体に占める割合は、5~7人に1人程度と推定されています。

希少がんは病気のデータもほとんどなく、それ以外のがんと比較しても情報を獲得したり、治療を行ったりする中でも、沢山の困難や課題もあります。

先日悪性脳腫瘍と闘って、18歳でこの世を去った女の子の自伝が映画化するとの記事を読みました。

今回はその映画が制作されるまで至った経緯などについてご紹介致します。

『春の香り』が制作されるまでに至った一人の少女の歩み

 

悪性脳腫瘍と闘いながら漫画家になりたいと願い、亡くなる直前まで絵を描き続けたという坂野春香さんの闘病生活と看護の記録を綴った書籍【春の香り 脳腫瘍と闘い、十八歳で逝ってしまった最愛の娘へ】が映画化されることが発表されました。春香さんが生まれた愛知県江南市で2024年4月に撮影を開始し、全編江南市内で撮影される予定だといいます。

春香さんは2013年10月、小学6年生だった時に、頭痛を訴え、病院で検査を受けました。左頭頂葉に6cmの脳腫瘍が発見され、手術で脳腫瘍を全摘出しましたが、悪性腫瘍だと分かりました。抗がん剤での治療が中学1年の夏まで続く日々でした。

その後は悪性脳腫瘍の症状が安定し、経過観察を続けてきましたが、2019年秋の高校3年生だった時に悪性脳腫瘍が再発しました。再び脳腫瘍を摘出する手術を受けましたが2020年12月、18歳でこの世を去りました。

両親が、次女の春香さんの痕跡を文章にしたため、家族の歴史をメーンテーマにした作品を募集していた「人生十人十色大賞」に応募しました。2022年8月に[文芸社]から、書籍【春の香り 脳腫瘍と闘い、十八歳で逝ってしまった最愛の娘へ】が出版されました。

書籍【春の香り 脳腫瘍と闘い、十八歳で逝ってしまった最愛の娘へ】に映画プロデューサーの女性が感銘し、2023年1月、春香さんの両親から話を春香さんの聞いて映画化が決定しました。

プロデューサーの女性は、娘の白血病を家族で乗り越えた経験をベースにした映画[いちばん逢いたいひと]に携わったことで知られています。

プロデューサーの女性は、「亡くなった後からでも、その人の想いは未来へと繋がっていくということを映画を介して発信したいと思っています」と説明しました。

『春の香り 脳腫瘍と闘い、十八歳で逝ってしまった最愛の娘へ』の配給宣伝は江南市出身の男性が社長をする東京都にある「ポルトレ」が行う以外にも、主要キャストに江南市出身の俳優さんを起用するといった、春香さんの地元を大事に思いながら制作していきます。『春の香り 脳腫瘍と闘い、十八歳で逝ってしまった最愛の娘へ』の監督を務める丹野雅仁さんは、2024年3月から江南市に住んで、撮影に臨みます。

参考:悪性脳腫瘍と闘った18歳の生涯…書籍「春の香り」を映画化へ 毎日新聞(2023年)

『春の香り 脳腫瘍と闘い、十八歳で逝ってしまった最愛の娘へ』は、2025年に開催される東京国際映画祭での初めての上映会を目指しているといい、その後、愛知県内で先行上映される予定です。

両親の想い

この度東京都内で行われた『春の香り 脳腫瘍と闘い、十八歳で逝ってしまった最愛の娘へ』のオーディションでは、およそ200人の応募から春香さん役が決定しました。

書籍【春の香り 脳腫瘍と闘い、十八歳で逝ってしまった最愛の娘へ】の映画化を受けて、春香さんとの日々をお父さんはこう振り返りました。

春香が18年という人生の中で問い続けてきた『生きることの意味』を、多くの方に届くことを考えると大変嬉しいです。春香の生まれ育った江南市で映画の撮影をして頂けることにも感謝をしています。春香の絵で残していったメッセージが、皆さんが考える未来について役に立てれば嬉しい限りです」。

映画は多分2025年位に公開されるんですね。東京国際映画祭は毎年10月の下旬から、11月の上旬まで開催されていて、それを考えるともしかしたら冬に近い時期の公開かもしれません。

最近は映画の編集の進行具合とかスケジュールの関係で、撮影してパッと公開される場合は少なく、2年以上前に撮影が終わっているものを、2年以上経ってから公開されることが増えました。

特にコロナ禍の時は、体調不良者が出たことで、全編撮りきれないまま年を跨ぎ、残りの撮影を終えたという話もよく聞きました。

2020年は多くの作品が、公開日延期を重ね、その年に公開できず、次の年に公開になったものも多く、毎年恒例のアニメ映画が公開できなくなった年もありました。

映画は配給元の他の映画との公開の兼ね合いもあるので、なかなか公開日が決まり公開に至るまでが難しいんですよね。

『春の香り』は、2024年4月から撮影開始らしいですし、東京国際映画祭はその後に公開を控えているものを上映することがほとんどなので、公開日が決まるまで長い時間がかかるかもしれませんが、それだけ良い映画が完成することを期待しています。

参考記事

希少がんの1つとされる「悪性脳腫瘍」とは 主なタイプと症状・治療法 NHK 健康ch(2022年)

noteでも書いています。よければ読んでください。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も2交代制で担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。