新生児マススクリーニングで、先天性代謝異常等の難病の早期発見へと繋げるー。 

新生児マススクリーニング

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

新生児マススクリーニングというものは、生まれて間もない赤ちゃんの先天性代謝異常等の難病を発見するための検査のことを指します。

新生児マススクリーニングを導入している病院では、生まれて間もない赤ちゃんが日齢4日から6日経つと、赤ちゃんの足の裏から微量の血液をろ紙で採取します。このろ紙の血液から、先天性代謝異常等の難病があるか否か検査をします。その検査結果は病院から保護者に伝えられます。

今回はこの新生児マススクリーニングについて、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

新生児マススクリーニングを行なって難病が発見されたケース

生まれて間もない赤ちゃんの微量の血液から難病の可能性を調べられることをご存知ですか?免疫が上手く働かない、ある難病に関しては6人に1人が遺伝子検査を行なったとの調査結果もあり、医師たちはさらなる新生児マススクリーニングが浸透して欲しいと声を上げています。ですが、新生児マススクリーニングには数千円以上の親御さんの自己負担が必要となり、公費負担にすべきと訴える声もあります。

「娘に受けさせて本当に良かった」。2021年5月に長女を出産した愛知県岡崎市在住の女性は笑顔を浮かべました。長女は生まれてから6日目に発熱し、嘔吐を繰り返しました。生まれてすぐ行なった新生児マススクリーニングで「重症複合免疫不全症(SCID)」の可能性が明らかとなりました。

SCIDは5万人に1人が発症し、軽い感染症でも命に危険が及びます。すぐに長女は大学病院に搬送され、免疫を正常化させるべく造血幹細胞移植の手術を受けました。1歳半となった長女は健康です。新生児マススクリーニングは、長女を出産した産科クリニックで推奨され、有料でしたが受けさせて本当に良かったと胸を撫で下ろします。

この新生児マススクリーニングは、先天的な難病を調べるべく全額公費で行われているオプションの1つで一部の医療機関が導入しています。新生児マススクリーニング自体は、40年以上前から行われ、生まれてから数日経った赤ちゃんの足のかかとから採取した微量の血液を検査します。

先天的な難病を早期発見し、早期治療を実施することで発症を予防したり、重い症状が起きない様に、注意を払って日常生活を過ごすことも可能です。

公費扱いとなる国の対象疾患は初めはフェニルケトン尿症を含む5疾患のみでしたが、新生児マススクリーニングの技術の向上で、現在は酵素やホルモンの異常など20種類に拡大しました。ほぼ全ての赤ちゃんに新生児マススクリーニングを行います。

感染症に罹患してしまうと、生存率は40%程度となります。1歳未満で亡くなるケースも少なくありません。事前の検査が大事となります。専門家は「感染症を罹患する前に、新生児マススクリーニングで事前に発見できたお子さんは9割ぐらい助かります。早期に難病を発見することの意味は大きい」と話します。

一方、SCID以外にも、体の筋肉が徐々に動かせなくなる「脊髄性筋萎縮症(SMA)」もオプションの1つです。SCIDの検査は2021年に新生児の6人に1人に行なわれたとの調査結果を、日本医療研究開発機構(AMED)の研究班が発表しました。

新生児マススクリーニングはアメリカでは全ての州で行われていて、2017年の愛知県を皮切りに、現在は20以上の都道府県に浸透していますが、実施する医療機関がごく一部の自治体しかしていないところもあります。2021年は日本国内で約14万5000人の新生児に新生児マススクリーニングを行いました。

難病の早期治療はもちろんのこと、赤ちゃんが生後2ヵ月以降受ける数多くの予防接種を安全に行うためにも、難病の早期発見が必要です。

特に、2020年から定期接種となった生後2カ月で受ける「ロタワクチン」のケースは、重症複合免疫不全症の赤ちゃんがワクチンを摂取してしまうと非常に重篤な状態に陥ってしまいます。「ロタワクチン」の事前検査には同意書への親御さんのサインが必要となり、2022年度は無料で受けることが可能です。

参考:娘の難病見つけた微量の血液検査、依然「6人に1人」の現実 毎日新聞(2023年)

医療機関が新生児マススクリーニングを行なっていても、高い料金の面で新生児マススクリーニングを希望しないお母さんもいます。与野党の国会議員には、新生児マススクリーニングの無料化を要望する意見も出ています。

ですが、厚生労働省関係者からは「新生児マススクリーニングの結果には一定の誤りが含まれ、費用対効果も検証していく必要が十分にある」と慎重論も出ています。

2023年11月、

難病の早期発見をするために、生後まもない赤ちゃんに対して公費で実施されている『新生児マススクリーニング』を、こども家庭庁は、▽全身の筋力が低下する進行性の難病「脊髄性筋萎縮症」(SMA)と、▽生まれつき免疫細胞が上手く機能しない「重症複合免疫不全症」(SCID)という2つの難病に関して検査対象に追加する方針を固めたことが、2023年11月9日に、明らかとなりました。

「脊髄性筋萎縮症」は2万人に1人、「重症複合免疫不全症」は5万人に1人の割合で発症すると言われていて、免疫が機能しないことから重い感染症にかかりやすいとされています。どちらの疾患も治療しなければ、1~2歳までに亡くなる恐れがあります。

その反面、「脊髄性筋萎縮症」はここ数年、早い段階に治療薬を投与すれば運動機能の改善に期待が持てる様になりました。「重症複合免疫不全症」は免疫の機能を行う細胞を合成する「造血幹細胞移植」で、ほぼ根治可能です。

ですが、この2つの疾患は『新生児マススクリーニング』の対象外で、検査は体制が整っていて独自の補助を行なっている一部の都道府県などに限定されていました。どちらの疾患も早期発見をすれば治療ができて、地域によっては検査を受けることも可能ですが、費用負担や実施状況にばらつきがあったことが現状でした。

このことで、疾患の当事者の家族などが全国一律の『新生児マススクリーニング』の実施と公費負担を国に要求していました。

それを受けこども家庭庁は、近い将来、日本各地で公費による『新生児マススクリーニング』を実施することを掲げ、早ければ年明けにも、検査体制が整った都道府県と政令市にこの2つの疾患の『新生児マススクリーニング』の費用を補助します。

その上で、各地の診療や検査の体制なども調査します。その『新生児マススクリーニング』の費用として、2023年度の補正予算案に『新生児マススクリーニング』を実施する体制が整備できた都道府県などから、2つの疾患の『新生児マススクリーニング』をスタートするための費用を10億円を計上しました。将来的には、全国的な2つの疾患の『新生児マススクリーニング』の展開と費用の補助を見据えています。

参考:新生児の難病早期発見へ「脊髄性筋萎縮症」などを検査対象に NHK NEWS WEB(2023年)

SMA家族の会の会長の女性は「早期診断や早期治療で普通に暮らせる子ども達も多くいて、『新生児マススクリーニング』の対象に追加されるのはとても大きな前進です。どの地域でも早く『新生児マススクリーニング』を受けられる様にして頂きたいです」と述べました。

NIPT(新型出生前診断)は知っていましたが、

新生児マススクリーニングに関しては存じませんでした。難病は治らないイメージがありましたが、新生児マススクリーニングを行うことで、難病を早期に発見し、手術などで改善し、後は健康に成長できる、とても素晴らしい取り組みだなと思いました。

難病も本当に凄い数あるので、検査するのもやはりお金は高額となってしまうでしょうね。テレビで国が出産一時金を2023年から上げるニュースが2022年流れていましたが、子どもを持つご両親からは「出産よりも、子どもが大きくなるにつれてお金が沢山かかるから、出産の時よりもその後のお金を手厚くして貰った方が助かる」という意見が多く聞かれました。

その面で言えば、新生児マススクリーニングの費用もそうだと思いますね。こういうところも国が助成したりとか手厚くすれば、もっと子育てしやすい環境になるなと思いました。

参考サイト

関連記事

「新生児マススクリーニング」で難病発見 栃木 首都圏 NEWS WEB(2022年)

赤ちゃんの命守る「マススクリーニング検査」 少量の血液で難病を早期発見し治療へ…新たに3項目が追加【広島発】 FNNプライムオンライン(2022年)

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎、右手人差し指に汗疱、軽く両膝の軟骨すり減り、軽度に近いすべり症、坐骨神経痛などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。