この記事は約 5 分で読むことができます。
人気ドラマの俳優キット・コナー、カミングアウトを強要される
Netflixで人気のドラマ『ハートストッパー』でニック役を演じる若手俳優のキット・コナーが、一部のファンによる行き過ぎた詮索行為によって、自身のセクシュアリティをカミングアウトすることを余儀なくされました。
キットは、作中でゲイの同級生と恋に落ちるキャラクターを演じています。
事の発端は?
なぜ、このような事がおきたのか??
事の発端は、意外なほど些細なことでした。
それは、映画で共演者している女優と、手をつないで歩いているところを目撃されたのです。
それまで彼は、自分自身の性的指向(セクシャリティ)をあいまいにしていたのですが、この件により、ファン間から「クィアベイティング(性的マイノリティであることをほのめかし、注目を集めようとすること)」なのではないかとの批判を受けたのです。
これらの騒動により、キットは一時的にTwitterの更新をストップしました。
「クィアベイティング」とは?
クィアベイティングとは、実際に同性愛者やバイセクシャルではないのに、性的指向の曖昧さをほのめかし、世間の注目を集める手法です。
性的マイノリティや、既存の性のカテゴリに当てはまらない人々の総称であるクィア(Queer)と、釣りなどに使うエサを意味するベイト(bait)を組み合わせた言葉になります。
由来の通り、同性愛者やバイセクシャルであるかのような匂わせをすることで、LGBTQ+の人々をはじめ、世間の人々をひきつけようとするマーケティング・ブランディング手法です。
LGBTQ+が注目を浴びる昨今、クィアベイティングが批判を浴びており、炎上要因にもなりえます。
批判される理由は、同性愛者やバイセクシャルのアイデンティティを商品化し、注目を集めるための釣りエサにしている点にあるということです。
引用:クィアベイティング(Queer‐baiting)とは・意味 | 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン | IDEAS FOR GOOD
強要されたカミングアウト
キットのTwitterでの更新が止まって、1ヵ月後の10月31日に、キット自身がTwitterを更新し、このようなメッセージを送りました。
自らの性的指向をカミングアウトすることになったキットではあるが、これは自らの望んだことではなく世間から「強要された。」と訴えたのです。
「一橋大学アウティング事件」を思い出される
私は、このニュースを読みながら、日本で起こった「一橋大学アウティング事件」を思い出していました。
一橋大学アウティング事件とは、2015年に起こった悲しい事件です。
当時、一橋大学法科大学院で、ゲイの学生から同性愛の恋愛感情を告白された異性愛の男性が、その後の共通の友人関係や告白後のゲイの学生の言動に悩んだ後に、7人の友人らにグループメッセージで、その学生が同性愛者であることを、ゲイである当事者には相談せずに暴露(アウティング)しました。
それをきっかけとして、告白したゲイの男性が、心身に変調をきたし転落死したとされる事件である。
転落事故をきっかけに、2016年に死亡した学生の遺族が、告白を受けた男子学生と両者の所属する一橋大学の責任を追及して損害賠償を求める民事訴訟を起こし、当時ではLGBTをめぐる報道は目新しく、広く報道されるようになりました。
同性愛者に告白された異性愛者側の最善の方法・対応を含む、日本におけるLGBT問題を語る上で、その転機の一つとなったことで知られています。
関連記事
カミングアウトは自らの意思で
キットのように、カミングアウトを強制されるのは、本当に辛いことだと思います。
私は、すでに友人にはカミングアウトはすましていますが、家族へのカミングアウトはまだです。
家族に話すには、時間がかかると思いますし、もしかしたらこのまま、カミングアウトはしないかもしれません。それは、私の意思であり、自由権でもあります。
自らのセクシャリティを公表することは、裸の自分を見せるようなものだと私は考えます。
カミングアウトを強要されたキット・コナーには、幸いにも多くの仲間がおり、ハート・ストッパーの共演者や、ドラマスタッフもキットを支えていくとSNSで発言しています。
参考サイト
LGBTQ+を食い物にする「クィアベイティング」とは? – フロントロウ -海外セレブ&海外カルチャー情報を発信
「HEARTSTOPPER」キット・コナー、性的指向のカミングアウトを無理やりさせられた!? 「18歳の僕にこんなことさせるなんて…」 ツイッターで世間に物申す – tvgroove
『ハートストッパー』ニック役のキット・コナー、セクシュアリティを詮索されカミングアウトを余儀なくされる – フロントロウ -海外セレブ&海外カルチャー情報を発信
noteはじめました。こちらもどうぞ
おすすめ記事の紹介
コメントを残す