発達障害の方は一人暮らしは無理なのか。体験談、工夫点、サービスなど

発達障害

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発達障害のある方で、「一人暮らしをそろそろしたい!」という方もいらっしゃると思います。
しかし、「いまいち自信が持てない」「発達障害の自分に本当にできるのだろうか」と不安を感じてある方もいらっしゃるはずです。
また、発達障害のお子様を持ってある親御さんも「そろそろ子どもを自立させたいが、本当に一人暮らしは可能なのだろうか」と悩んである方もいらっしゃるでしょう。

今回は、実際に発達障害(ASD)を持ちながら、一人暮らしをしている筆者が、「発達障害のある方は一人暮らしが可能なのか?」という疑問を解消する記事を書いてみたいと思います。

この記事では、発達障害の方が一人暮らしに使えるサービス、実際の体験談、困りごと、困りごとに対する対処法などを紹介していますので、一人暮らしを始めたいと思っている発達障害の方、その親御さんなどはぜひ参考にしてみてください。

発達障害の方は一人暮らしは無理なのか?

発達障害の方は一人暮らしをするのは無理なのでしょうか。
まずは、実際に発達障害あるとどのような困りごとが起きてしまうのかを、発達障害がありながら実際に一人暮らしをしている筆者の体験、そしてそれぞれへの実際に行なっている対策を交えながら、紹介します。

お金の管理が大変

発達障害の方にとっては、見通しが立たずお金の管理が苦手な方もいらっしゃるようです。
筆者自身も、お金の見通しがなかなか立てれず、給料日前になるとほとんどお金が残っていない、という状況によく陥ってしまいました。

対策

対策の1つとしては、家計簿をつけました。
こちらの家計簿は非常に直感的に分かりやすくお金の収支が分かるので、発達障害の方におすすめです。

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このようにカラーで分かりやすいですし、やる気も湧きます。

紙の家計簿を続けるのが苦手な人は、今はアプリで手軽にできる家計簿もあるのでそれらを使ってみるのもいいでしょう。
また、お金の管理の見通しを立てるために、お金の勉強をすることもおすすめです。
お金の勉強にはこちらの本がいいです。
私はこの本のおかげでお金に対する考えが改められ、無駄遣いがだいぶ減りました。

本当の自由を手に入れる お金の大学

引用元:本当の自由を手に入れる お金の大学
リベラルアーツ大学

片付けが苦手

片付けが苦手で一人暮らしで困ってしまう発達障害の方もいるようです。
実際に、私も発達障害で疲れやすく、片付けを一切できない時がありました。
片付けの他にも、そういった時は簡単な掃除、洗濯、皿洗いなどもできず、どんどん部屋が汚くなっていく時があります。

対策

対策としては、どうしてもきつい時は母親に手伝ってもらったりしました。
また、まずは1つだけ取り組んでみよう、という感じで気持ちを発奮させたりしています。
他にも定期的に訪問看護師さんや、友人に部屋に来てもらい、「片付けをしないと恥ずかしい」という気持ちを沸き立てさせたりするなどの工夫を行なっています。

薬の服用が管理できない

つい最近まで、薬の服用を自分で管理できていない状況でした。
実家の時のように、家族が声かけをできないので、飲み忘れが多々ありその度に離脱症状が出たりして大変なことになる時もありました。

対策

薬の服用の管理ができていないことを色々な支援してくださる方に相談しました。
まずは、薬の管理シートを貰いました。
こちらです。

冷蔵庫に貼って、常に見えるようにしています。

こちらのシートのおかげで、だいぶ飲み忘れは減りましたが、それでもうっかり飲み忘れてしまうことがありました。
そこで、他の方に相談をしてみて、新たな対処法を取り入れました。

  • スマホのアラームを定期的な時間に設定して、その時に飲むようにする。
  • 毎日する何かの動作をする時に薬を飲むように決めておく。
  • 目に見える範囲(テーブルなど)に薬を置いておく。

などです。
これらの対策をとることで、ほとんど薬の飲み忘れがなくなりました。

生活の節制が難しい

これは一番はじめの、「お金の管理が大変」にも繋がりますが、どうしても衝動買いをしてしまったり、たくさんご飯を食べてしまったりしました。
そのせいで、金欠だけでなく、体重がかなり増えたり、小さな病気にかかったりしてしまいました。
このように声かけをしてくれる人がいなくなるため、どこまでも節制ができない、という状況に陥りやすい人もいらっしゃるでしょう。

対策

対策としては、始めにもお伝えしたように家計簿をつけたり、体重を定期的に測るなどをしました。
数字で現状が分かると、節制を頑張ろうとモチベーションが上がります。

裁縫が難しい

私は、手が不器用で裁縫が苦手です。
それで、ほつれた洋服をどうしたらいいか分からず、そのまま捨てようとしたり、また情けないですが、実家に帰って母に縫ってもらったりなどしてしまっています。

対策

対策はまだあまり打てていませんが、今考えるなら、一人暮らしをする前の実家に住んでいる時に母に教えてもらったり、または自分でYouTubeを観ながら学習するなどの練習をしておけばよかったかもしれません。

分別が難しい

ペットボトルや缶などの分別が難しく、また分別が複雑で億劫に感じてたくさん部屋に溜まってしまっています。
これも情けないですが、母が部屋に訪れる度に、持って帰ってもらって分別してもらったりしてしまっています。

対策

対策としては、こちらも私はまだできていませんが、

  • なるべくペットボトルを買わない(水筒を持参する)
  • ラベルのついたものは買うのを避ける
  • 分別が必要のない素材を買う

などの対策が必要かと思います。

他にも私にはこのような困りごとがあります。

どうしても面倒で後回しにしてしまい、排水口などが汚くなってしまったりしました。
また、放置するとどうなるのか、というのがうまく想像できず、食べ物を腐らせてしまったり、食器を放置していてあまりにも異臭を放っていて大変な目に遭ったりと、色々失敗をしてしまいました。

今考えると、もっと実家に住んでいた時に家事に参加していたら、家事のスキルを学べるだけでなく、「このように放置したら大変なことになるんだな」と分かっていたと思います。
その点が後悔しているポイントです。

その他にも調べてみると

  • 訪問営業を断れない。
  • 生活音などのマナーが守りづらい。
  • 大事な書類の手続きなどを後伸ばしにしてしまう。

などの困りごとを抱えている人が見つかりました。

このようなことから、一人一人のそれぞれの特性により「一人暮らしができるかどうか」の答えは分かれると言えるでしょう。

大切なのは、ご自身の特性をよく見つめて、冷静に「一人暮らしができるか」判断することだと思います。
そして、実際に一人暮らしした場合は、それぞれの困りごとに対して、対処をとることも必要だと言えます。

また、実家暮らしの時から、一人暮らしのために家事などを家族に教えてもらったり、手伝ったりしながら練習をすることはとても大切だと思われます。

発達障害がある私が一人暮らしをしてよかったこと

発達障害のある私が一人暮らしを始めてよかったと思うことを紹介します。

誰にも干渉されないのでストレスがない

家族といえど、やはり一緒に住んでいると疲れる時もあります。
要らぬ気遣いや、ストレスもなく、心が楽になりました。

自立できた

実家暮らしの時よりも心の面でも色々な面でも自立もできたと思います。
特に、「自分で考えて行動する」ということができたと思います。
また、特性と向き合いつつも、家事などのスキルも身に付けることができたのでそれは自信になりました。
ゆくゆくは誰でも自立していかなければならないので、一人暮らしは自立の訓練にもなると思います。

料理などのリフレッシュ法が増えた

料理、インテリアなどの趣味が増えたことでリフレッシュ法が増え、自ずとストレスがうまく発散できるようになりました。
また、それらをしていると余計なことを考えず、いつまでも思い悩むことも少なくなりました。

他の発達障害当事者の方の一人暮らしをしての感想

他の方の一人暮らしをしての感想を引用します。

大変だけれども通勤時間が減り、一人暮らしをしてよかった

結論からいうと、一人暮らしは僕としてはした方が良いのかなって思います。確かに、食事についても自分で選ばなければいけない、自分でしなくてはいけない。部屋の掃除もしなくちゃいけないっていう、自分でしなくちゃいけないっていう所は確かに大変です。土日ゆっくりしたいけど、でも自分でやらなくちゃいけないっていう。でもそれ以上に通勤時間が縮まったのが僕の中で結構大きかったです。今まで、自宅帰ったらもう何もしたくなくて、風呂入る気力すら無くて、結果的にちゃんとぐっすり寝れたのが1、2時間っていう毎日が続いていたんです。今のアパート借りたら、通勤時間が短くなったので、自宅帰ってゆっくりする時間も十分出来たし、ゆっくり風呂入って、ゆっくりご飯食べて、ゆっくりだらだら携帯見ながらやって、寝て、朝早く起きて、朝早く会社に行ってっていう毎日がおくれるようになりました。一人暮らしで自分で何度もやるマイナス面よりも、通勤時間縮まった事によるプラスの方が上回ったなっていう感じです。

引用元:一人暮らし 発達障害の特性に合う合わない? : 生活・考え方

デメリットもあるが、自分磨きができる

今、一人暮らししていますけど、一人暮らしは、したくてしました。あまり共存の生活するのが得意ではないので、そういう面で一人暮らしは自分のペースで生活が出来るメリットがあります。おっしゃった通り、職場が近くなればなるほど自由な時間が出来るので、趣味を作る機会が増えることもあります。あとは、家事が好きになれば料理が出来る男性はモテたりするので、そこから共通の趣味や料理教室とかで出会いがつながる可能性はあるかと思います。男性で家事にはまる人は案外多いので、実は一人暮らししてみると僕って綺麗好きだったんだとか、料理こんなこだわるんだとか、あれ食べられるんだ、これできるんだっていうのを気付く機会があると思います。一人暮らしは自分磨きの機会が多いと生活しながら気づきました。ただ、一人の時間が多くなる分だけ自分で悩んだ時に籠ってしまうデメリットもあるので、その辺は適度に他の方たちと交流を持たないと本当に落ち込んだ時に家から出られなくなる可能性があると思います。でも、人生で一回は一人暮らしをした方がいいなとは、みんなに勧めています。

引用元:一人暮らし 発達障害の特性に合う合わない? : 生活・考え方

このように、発達障害があってもデメリットこそあるものの、それを上回るメリットがあるという意見がみられました。
ご自分の特性の場合はどうなのか、一人暮らし後の自分を想像してみるのもいい方法でしょう。

発達障害の方が一人暮らしに使えるサービス

発達障害を抱えながら一人暮らしを始めるのには、不安がつきものですよね。
そんなあなたにおすすめの相談先をリストアップしてみました。

自治体の福祉担当窓口

自治体の福祉相談窓口は、障がいのある方の暮らしに関する相談に乗ってもらえます。
一人暮らしをしていて困った際に、利用してみるのも手でしょう。

基幹相談支援センター

基幹相談支援センターでは、障がいのある人、その家族をサポートしています。
自立した生活のために、援助、そして情報の提供も行なっています。

詳細はこちらをご覧ください。

基幹相談支援センターとはどんな施設?役割や仕事内容をわかりやすく解説!

特定相談支援事業所

障がいのある方の暮らしでの困りごとを相談できます。
また、福祉サービスを教えてくれたりします。
こちらに詳細が書かれています。

特定相談支援とは – 障害福祉情報サービスかながわ

一般相談支援事業所

基本相談支援と病院、施設などから出て地域で暮らしていくための方のために地域相談支援をしてくれます。

詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。

一般相談支援事業について

お金のかかる一人暮らしをする際に知識として知っておきたいものです。

障害基礎年金

病気、怪我などで障がいがある方が要件を満たせば受給できるお金です。

受給要件は以下です。引用します。

障害の原因となった病気やけがの初診日が次のいずれかの間にあること。
・国民年金加入期間
・20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない期間
障害の状態が、障害認定日(障害認定日以後に20歳に達したときは、20歳に達した日)に、障害等級表に定める1級または2級に該当していること。
初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること。
ただし、初診日が令和8年4月1日前にあるときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいことになっています。
また、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件は不要です。

引用元:障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額

1級では、976,125円(と子の加算額)、2級では780,900円(と子の加算額)、子の加算額に関しては、2人までは1人につき224,700円3人目以降に関しては、1人につき74,900円となります。
尚、子の加算額とはその人が生計を維持している子がいる場合、加算されるものです。

参照元:障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額

障害基礎年金については詳しくはこちらをご覧ください。

障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額

生活福祉資金貸付制度

社会福祉協議会が行なっている制度です。

詳しくはこちらをご覧ください。

生活福祉資金|全国社会福祉協議会

生活保護制度

病気や障がいを持ってある方、またはご高齢により生活が困窮をしている人に対する制度です。

一人暮らしの練習をする際に利用できる施設も知っておくべきでしょう。

サテライト型住居

グループホームの一種。
グループホームの付近でマンションなどで一人暮らしができます。
支援も受けながら生活することが可能です。
私は一人暮らし型のグループホームですので、この形式に近いかもしれません。

こちらの記事で詳しく住み心地などを書いていますので、参考にしてください。

グループホームの体験談!部屋の様子、支援員へのインタビューも!

こちらの記事ではさらに詳しく説明があり、サテライト型の住居と一般的なグループホームの違いなども詳しく説明されています。

サテライト型住居とは?障害者グループホームとの違いを解説! | 千葉市の障害者グループホームなら「みんなのまちグループホーム」|千葉市指定共同生活援助

参照元:障害者が一人暮らしをはじめるときに知っておきたい相談先、支援、制度とは

最後に

発達障害の方にとって一人暮らしは大変な面もあるが、工夫しながら生活をすることにより、デメリットがメリットを上回ることもあることがお分かりいただけたでしょうか。

大切なのは、自分の特性を見つめつつ、サービスなどを頼りつつ、工夫しながら一人暮らしをすることです。

この記事を読んで、少しでも「発達障害と一人暮らし」に関して皆さんが、知識を得れたのなら嬉しいです。

ここまでお読みいただいてありがとうございました。

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発達障害と双極性障害を持っています。20代女。 趣味:おしゃれ全般、資格取得、ネットサーフィン、文章を書くこと。 🤍noteも書いているよっ!