ONE GO 広報誌インタビュー2024

ONEGO

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就労継続支援A型事業所TANOSHIKAの今を伝える広報誌、「TANOSHIKA TIMES」の取材で、いつもTANOSHIKA FARMがお世話になっているイチゴ農園を運営する法人、ONEGOさんに2年ぶりにお邪魔して取材をさせていただきました。

前回取材した時の記事はこちらです↓↓↓

ONE GO代表の築島さんに広報誌『TANOSHIKA TIMES』のインタビューをしました!

代表の築島さんと現場監督の堤さんへのインタビュー!

Q.美味しいイチゴの見極め方を教えてください。

築島さんイチゴの鮮度は、イチゴの輝き方や艶をみたらわかります。イチゴは、鮮度が落ちると、艶がなくなって黒くなっていくんですよね。一番いいのは赤くて、艶があるイチゴです。

Q.イチゴは、時間が経つと黒くなっていくんですか?

築島さんはい。いかにも美味しくなさそうな感じになります笑 乾燥したようなイメージです。収穫したばかりのイチゴと比べると見た目の差は一目瞭然ですよ。
お店の売れ残りは、どうしても数日間は置いてあるから、やっぱり、ある程度は劣化しちゃいますね。

Q.イチゴの旬の時期はいつ頃なのでしょうか?季節によって食べ方も変えた方がいいのでしょうか?

築島さんイチゴの旬は、寒い時期です。1月、2月は他の時期に比べて、イチゴが美味しいです。理由としては、イチゴは、真っ赤になるのにある程度時間を要するんですが、冬場までに、熟成期(大きくて赤くなる時期)が終わるんですね。4月、5月になると、成長がゆっくりになって、味が落ちます。
イチゴのお勧めの食べ方としては、一口目はぜひ、そのまま食べていただきたいです。おいしいイチゴはそのままが1番おいしいと思いますね。

堤さんイチゴはヘタじゃない方の先っぽが1番糖度が高いと言われてます。私は個人的には、ヘタを取ってヘタの方から食べて最後に先っぽだけを食べるみたいな1番最後に甘い方をとっておくのもいいかなって思います。 あと、栄養素って言うのかな、ヘタを切る時は、そのヘタを切って洗うんじゃなくって、洗ってからヘタを切った方がイチゴのビタミンCは水に流れないって言われてるんすよね。 ビタミンCは水に溶けやすいので、食べる前に洗ってからヘタを切った方が栄養価は、そのまま体に入っていくので、食べ方としてはそこをこだわっていますね笑

Q.イチゴ農家さんにしか知らない通(つう)な食べ方とかありますか?

築島さんご飯を炊く時にイチゴを入れますね。 色がついて、赤飯みたいな感じになります。ぜひ、1回やってみてください笑
個人で好みがあるでしょうから、初めは少しやってみてよかったら少しずつ増やそうかなといった具合で。炊き方も栗ご飯みたいな感じで炊けばいいと思いますね。

Q.ふるさと納税で冷凍イチゴも扱っていらっしゃいますね。冷凍イチゴのおいしい食べ方を教えていただきたいです。

築島さんこれもやはり好みがありますから、何がいいというのは言えないです。 私どものイチゴは瞬間冷凍ですから、5分ぐらい置くと、家の包丁が通るようになります。単純に凍らせてしまうと、氷になってしまいますので、歯が通りにくいんです。そういう意味では、私たちのイチゴは恐らく他のとことはちょっと違うと思います。 夏は、キャンディとかアイスと同じような感覚で頬張って食べるのが美味しいです。そのまま食べてもいいですし、シェイクにしたり、削ったり、ミキサーにかけたりするのもいいですね。 ミキサーにかける時も旬だったら、すぐ削れるんですけど、冷凍庫で凍らせている場合、多分歯が立たないと思います。
だから、旬の瞬間冷凍の方が品質としては、いいと思います。

Q.嘉村社長が以前「福岡県久留米市のイチゴといえばONEGOが選ばれたりしてみたい」とインタビューで話してました。ONEGOが愛されるブランドになるためにどんな工夫をされていますか?

築島さん難しいですね。やはりブランドとしては品質ですね。品質にこだわれば、いずれは信用に繋がります。これは自分たちの評価じゃなくて、お客様からの評価なので、自分が自分をどれだけ「いい」と言っても、評価は周りがするものですからね。質のいいものを出していけばそれは評価されてくと思います。

Q.イチゴの栽培において、農薬を減らす取り組みもなさっていますが、どのような取り組みをなさっていますか?

堤さんまず、定植の前に、炭酸ガスを溜めた部屋の中に苗を入れてダニを殺します。これは農薬とはまた違います。従来だったら、定植してすぐ何回も防除農薬をまいてダニを殺したり、寄せつけないようにしていましたけど、去年から、その炭酸ガスの中に入れてダニを殺す方法をし始めたことで、農薬が1回分以上減ったのかなと思います。
あとは、収穫期ですね、イチゴが育ったとき時、その期間ずっと蒸散システムと言って築島さんが開発していただいたものなんですけど、ホットプレートの上にちっちゃい器を置いて、そこにアロマオイル、そのアロマっていうのがシナモンだったり、ペパーミントなんですけど、夜間グズグズ煮立たして、シナモンっていうのが、病気よけ殺菌してくれるんですよ。それとペパーミントは虫を寄せ付けない、虫除けになっててそれを夜間休まず稼働することで、発生率を減らせるという予防的なことをやってます。
築島さんこれは農薬とは違うんですよね、殺菌というよりかは除菌というイメージですね。シナモンはいわゆるニッキ水ですね。あと、もう一つは天敵ですかね。イチゴにはダニとかがつきやすいんですけど、そのダニを食べるダニがいるんですよ。それを「天敵」って言います。普通天敵は駆除したい生物にとっての天敵を入れるのが一般的ですね。それによって、防除回数はかなり減りますよね。ダニがいたとしても、そこに天敵入れてやると数はみるみるうちに減りますね。ただし、化学農薬みたいに即効性はないです。あくまでもゆっくり時間をかけて減っていく感じです。

Q.その天敵のダニはイチゴに対して何か悪さをしたりしないんですか?

築島さんはい、そのダニの食料がダニなので、イチゴに対しては何もしませんね。
堤さんダニも薬に抵抗性っていうものがついています。人間もずっと同じ薬をのんでたら、だんだん効かなくなってくるじゃないですか。
そこで、普段なら5回使う農薬を3回に減らしたら、効き方が全然違うんですよね、5回使ってた方がやっぱりダニに対して効かなくなってくるんですよ。3回だったら、3回まではちゃんと効果があるんですよ。
それは、抵抗性がダニ自体も付いてきている証拠ですね。そう言った点でも天敵というのは有効な手段だし、便利でもあります。
築島さん長期的に見ればいいよね。短期的に見るとすぐに減らないから、微妙にも思えるんですけど、1か月半ぐらいでみたらかなり数が減ってきます。
堤さん:それとやっぱり農薬を使うよりか天敵の方が人間にも優しいですよね。農薬って、どうしても吸い込んじゃうんですよ。マスクしてても、服にも付くし目にも入るし、色々対策をしていてもどうしても吸い込んじゃう。その回数、防除の回数が減るっていうのは、人に対してのリスクも減るし、いいことだらけではあるかなと思いますね。

Q.アロマオイルで虫避けをするって聞いたんですけど、ミツバチとかに影響はないんですか?
今、イチゴ農園を見るとミツバチがたくさん飛んでいるので気になって。

堤さんそうですね、基本的にアロマオイルは夜間だけ使用してます。
築島さん:夜、ミツバチは必ず巣箱の中に戻るので、昼間だけしか活動しません。ただ、ダニはもの凄く小さいですよね。ミツバチはダニと比べるとかなり大きいので、極端な使い方とか高濃度でやるとかしない限り、ほとんど影響はないかなと思います。
基本的には農薬と違って、絶命させるというよりかは、嫌がるといった予防の面が大きいですね。

Q.減農薬にするとイチゴ自体の味も変化しますか?

築島さん減農薬にすると、イチゴの味自体も変わるか、と聞かれれば、さほど変化はないかもしれません。味が変わるとすれば土とか温度とか、そういったところですね。あとは、肥料だったりですね、化学肥料じゃなくて有機肥料を使うと味に変化があります。

Q.消費者が何を選ぶかっていうところに影響しますか?

築島さんずっと毎年同じものを作るとどうしても連作障害が出てくるんですよね。どんどん育たなくなっていくんです。それは同じものを作っていくと同じ栄養素ばかりが吸収されていくからなんです。なので、無くなった栄養素を補完していく作業が必要です。植物も生き物なので、栄養素が足りないとどんどん衰退していくんですよ。人間と一緒です。バランス良く食事しないと体調が良くないとかありますよね。それと同じで、イチゴも基本的に生き物ですからね。同じような感覚でやらないと、いいものは恐らくできないと思います。だから、連作障害を防止するために土壌消毒をします。同じものを作ってると虫も湧くんですよ。線虫っていうんですけど、その線虫がイチゴや植物に対して悪さをするんですよ。だから、その防止をするためにはまず、私たちは(土壌を)淡水処理をしています。それである程度は線虫を防ぐことができますね。そういった努力のかいもあってか、20何年やってきて、今のところは毎年、綺麗にイチゴが実ってますよ。あとは、太陽熱で消毒するとか、ただ、化学肥料を使ってないですね。堆肥の投入、有機物の投入も欠かさず行っています。そうやって補っていかないと土はどんどんやせていきますよね。

Q.前回は2022年にお話を伺ったのですが、この2年間の間に何か変化はありましたか?

築島さん大きな変化としては面積が大きくなりましたよね。 それに伴って機械の導入がありました。パック詰めする機械ですね。冷凍機は以前からありましたね笑

Q.どのぐらいの人数で作業してますか?

堤さん今は清算、6名でやってます。
築島さん人数的には、2年前と変わらないですね。

Q.忙しい時期はどうしてますか?

堤さん 忙しい時期には学生のバイトや、ご近所のパートさんだったりを入れてますね。人数はその時々によって変わります。

Q.引退に向けて何か、兆しが見えていますか?

築島さんまだ兆しは見えませんね笑 技術的な面でもですけど。
堤さん:技術の継承という面で人が育たないと、受け継いで行けないですもんね。人材の育成に関しては2年前よりは力を入れて、やっていっている途中です。

Q.FARMからメンバーさんの就職を受け入れてくださっていますが、皆さんの働きぶりついてはどう思われていますか。

堤さんメンバーに関しては、人間、石の上にも3年っていうじゃないですか? 3年間続けてきてるので、成長というのは、毎年毎年感じてます。 仕事のやり方だったり、あとはその気持ちの持ちようだったり、人間性も変わってきたし、強くなってきたなってきたな、たくましくなってきたなっていうところですね。 凄く頼りにしてます。任せられるところは任せてます。ONEGOのいちスタッフとして頑張ってくれてます。今後も色んな面で支えながらも、任せていける業務が増えたらいいなって思っています。
築島さん少しずつ成長してます。そんなに早くないかもしれないけど、毎年毎年、いいところ、成長したところが増えていってるのでね。

Q.ここ何年か、異常気象が続いていますが、作業にどのような影響がありますか?

築島さん作業自体にはさほどの変化はないですね。異常気象とは言われていますが、極端な話、今の時期に30度、40度とかにはなりませんから。ただ細かな変化は出てきますよね。 今の時期の14、15度前後でやっぱ上がったり、下がったりした時に、そういう変化に対応できるかというところは大事ですよね。

常に先を見て作業やっていかないといけなくて、1週間先の気温とか、大体出ているので、それを見て対応していくんですね。

堤さん大体10日間区切りで予報が出るんですけど晴れか雨か曇りかぐらいしか書いてないんですよね。あとは、気温が大まかにしかなくて。それだけではなくて、天気図を見れば風が強いともわかったりして、そこら辺は、ほぼ毎日欠かさずチェックするようにしてますね。天気や気候って本当に大事で、人間もおかしな天気だったら、気分が上がらないとか体調不良って起こすんですけど、その時って、イチゴも感じ取ってることが多いんですね。その辺の調整が難しいですよね。私たちの仕事は作業っていうよりはイチゴをどうコントロールするか、というのが難しいです。

築島さんおこがましいかもしれないけどね笑 本当そうなんですよ。でも、そういったことに細心の注意を払って、どう対策を取るのかとか考えています。当然と言えば当然ですけどね。ただ、人間がやることはたいしたことではないんですよね。自然に比べれば本当に微力ですよね。

Q.最後に一言、お願いします。

築島さんそうですね、この仕事を始めて30年は経っているんですけど、いくら作っても納得できないところがあって。やっぱり生き物を扱っている仕事なので、外的な要因、自然の要因が毎年同じじゃなくて、去年やったことと同じことやったとしても良いイチゴはできないんです。気候が違うからですね、去年暑かったけど、今年は寒いなんてことは良くありますからね、それに合わせていける人材を育成していかないんです。マニュアル的にやっていっても、絶対うまくできないものなんですね。 無機質なものを扱うのは割と簡単だったりするんですけど、同じ条件で淡々とやっていけば良いので。工場とか室内とかのお仕事ですね。ところが外で行う仕事ってのはどうしても自然に左右されてしまうので、難しさはありますよ。
そうなると、やり方も変わります。なので、それに適応できる人材を育てていく必要がありますね。

堤さん人間も自然の中で生かされているので、今年いつものこの時期と違うねとか、風がこっちから吹いてるねとか、そういうところも感じれるように視野広げていくと、結果としてイチゴ作りにも応用が効くかなとは思いますね。ただ単に作業をするんじゃなくって、天候とかも、自分の肌で感じながら仕事をやっていけるのは、素敵なことだと思うし、そういう風を感じれる人になっていってほしいっていうのはありますね。そういう面でも、人間も育てイチゴも育ててるけど、イチゴから育てられてるっていう感覚は私はあります。子育てと一緒ですかね笑 子供を育てる時って、自分が親だから育ててるけど、子供から教わることもたくさんあるんですよね、その感じと似てますね。

築島さん:生き物ってそういうところがありますね。ただ、全部同じではないんですね。子育ても1人1人性格の違いがあるように、イチゴも物ではなく、生き物として扱うことは大事なことだと私は思いますよ。

インタビューしたライターの感想

saladの感想

前回の取材の際は、コロナ禍でオンラインでの取材となりましたが、今回は実際にFARMやONEGOに出向き、取材することができて、とても楽しかったです。

FARMでは、以前CREATIVEにいらっしゃった利用者さんと再会できて、お互いに変わってないことに笑い合いました。

FARMでの作業は、お話では聞いていたのですが、実際に見てみると聞いているより重労働なことがわかり、みなさん泥だらけになりながら作業をしているのが印象的でした。

ONEGOでは、生まれてはじめてビニールハウスの中に見学に入らせていただいて、ハウスの中の温度や、イチゴの受粉のために働いてるミツバチなどを目の前にして、こうやって私たちの食卓にならぶ、イチゴができるのだと感動しました。

ONEGOの方々には、優しく接していただき、インタビューも真剣に答えていただき、日頃は屋内でパソコン作業ばかりしている私が、うらやましいと感じるほど、生き生きと作業をされておりました。

そして、イチゴの栽培は「何年たっても正解がない」とおっしゃったのが印象的で、自然と向き合いながら働くということは、答えのでないことなのかもしれないと感じることができました。

FARM、ONEGOの方々には感謝しかありません。ありがとうございました。

翼祈の感想

私がいちごとはどんな存在ですか?と最後に質問した時、「いちごは幾ら作っても納得しない。外的な要因がある。自然に左右されるし、前の年とは違う。いちごは人間を育てるし、いちごから育てられている。それは素敵なこと」という筬島さんの言葉が印象的でした。

また築島さんが言われていた、「新鮮ないちごは照りがあって、赤ちゃんの肌みたいにツヤツヤしている」という話を聞いた後で、採れたてのいちごを食べた時、本当に光沢がツヤツヤとしていて、本当に美味しいいちごって、こんなに瑞々しくて美味しいものだったんだ」と、感動しました。

どんよりと晴れているの感想

いろいろお話が聞けて楽しかったのですが、インタビューを受けた方々に質問がちょっと難しいと言われてしまったので、もっとわかりやすい言葉で質問すればよかったなと思いました。お話を引き出すにはまだまだ修行が足らないと思いました。
優しい雰囲気の田中さん、快活に話してくださった末安さん、おいしいいちごの食べ方をいろいろ教えてくださった築島さんと堤さん、インタビューありがとうございました。

おかげでよい記事が書けそうです。2年前にズームごしでしかわからなかった状況がこうして現場に来て、ミツバチとたわむれながら知ることができ、大変うれしく思っています。
農園で食べるイチゴは色艶がよく、さわやかな甘みでとてもおいしかったです。
堤さんは蛾アレルギーだそうで、これから暖かくなって虫たちが活発になる季節です。くれぐれもお気をつけください。

TANOSHIKA TIMESは、今年の夏前に発行予定です。楽しみにお待ちください。

追加情報

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ONEGOのTwitter

前回のFARMの広報誌は以下のサイトからご覧になれます!

クリックしてtanoshikatimes_vol02.pdfにアクセス

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発達障害と双極性障害を持っています。20代女。 趣味:おしゃれ全般、資格取得、ネットサーフィン、文章を書くこと。 🤍noteも書いているよっ!