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皆さんは、ナイトドクターというドラマ、観てますか?
わたしはこのドラマ気に入ってて、医療現場が抱えている問題、夜間の救急搬送にメスを入れたドラマになっています。
現在、着々と最終回に向かっています。
このドラマの第9話は、臓器移植についての内容でした。
臓器提供を希望する人(ドナー)、その家族、提供を受けた患者(レシピエント)、それぞれの複雑な心境がテーマです。
経験が少ない医師である深沢は、病気で入退院を繰り返す妹に臓器提供意志表示カードにサインするよう頼まれました。
しかし、深沢はそれを受け入れることができず、なんで妹が臓器提供なんてしないといけないんだ!と、同僚の医師たちに八つ当たりします。
しかし、その同僚である桜庭はレシピエント、朝倉はドナーの家族だったのです。
3人の複雑な思いが交錯します。
臓器移植ってなに?
臓器移植とは、重い病気や事故などにより臓器の機能が低下した人に、他者の健康な臓器と取り替えて機能を回復させる医療です。
第三者の善意による臓器の提供がなければ成り立ちません。
日本で臓器の移植を希望して待機している人は、およそ14,000人です。それに対して移植を受けられる人は、年間およそ400人です。
臓器提供は、脳死後あるいは心臓が停止した死後にできます。
2010年7月17日に改正臓器移植法が全面施行され、生前に書面で臓器を提供する意思を表示している場合に加え、本人の臓器提供の意思が不明な場合も、家族の承諾があれば臓器提供できるようになりました。
これにより、15歳未満の方からの脳死後の臓器提供も可能になりました。
日本臓器移植ネットワーク https://www.jotnw.or.jp/
ドナーになりたい患者の家族の心境は?
ドラマでは、深沢は妹にサインを求められたとき、こう述べました。
・他の誰かが生きるために体にメスを入れられるなんて…
・死んで、体を切り刻まれるのを想像すると耐えられない
・あのカードにサインした途端、妹の死を待っている人が大勢いると思うとぞっとする
臓器提供を希望するのは本人の意志が尊重されますが、亡くなった後最終的にどうするかは家族に委ねられます。
両親のいない深沢は、たったひとりの家族が亡くなることを想像したくなくて、このように言ってしまったのかもしれませんが、どの患者の家族も受け入れるのは容易ではありません。
例えば、回復の見込みがない脳死状態で、家族が決断するまでの時間は、平均5日間です。
「目の前でまだ息をして、心臓が動いている家族を自分たちが殺してしまうんじゃないかっていう、恐怖とか、なんか、自分たちが命を絶つってことになっちゃうんじゃないの?って、殺してしまうことになるんじゃないのかなって」
レシピエントの心境とは?
レシピエントだった桜庭は、自分の妹の意志を尊重できない深沢と揉めてしまいます。
その後同僚たちに、自分の過去を語ります。
・思表示してくれるドナーがいなければ、今生きていなかった
その一方で、ドナーやその家族に対して、
・誰かの大切なものをもらって生きるほど、立派な人間になれていない気がして…。罪悪感っていうのか、一生付き合っていかなければいけない…
と、苦しんでいる胸中を語る場面もあります。
レシピエントも、感謝する気持ちと、申し訳ない気持ちで葛藤しています。
「信じられない幸運が起こっていることに有り難いと思う反面、ドナーの死やご家族の今を思うと戸惑いはありました。しかし、ご家族の方は、深いお悲しみの中、患者に元気を取り戻すチャンスを贈ってくださるのです。自分のためにも、登録して待っておられる方のためにも、真心とご意志を感謝してお受けし、元気にならねばと気持ちを切り替えました。私たちレシピエントは、ご提供しくださる方の優しいお気持ちや善意に沿わせていただき、移植を受けることができます。心の中で、両手を合わし、決断すると前に向かって一歩を踏み出しました。移植施設までの道のり、決意とともにドナーへの感謝でいっぱいでした。」
ドナー本人の心境は?
桜庭の話を聞いて戸惑う深沢に、決定的な出来事が起こります。
妹の看病に付き添っていた深沢が現場に復帰したとき、輸血が必要な患者が救急搬送されてきて、センターに血液を取りに向かいます。
無事戻ってきた深沢に、指導医が語りかけました。
・あの輸血パックがなければ治療できなかった
・お前が運んだ誰かの血液が患者を救ったということだ
深沢は改めて、妹と話をします。
臓器提供を希望する妹は、こう話します。
・自分の臓器で誰かが生きることができる
・どれだけ多くの人がドナーを待っているのか
・少しでも誰かの役に立ちたい、どんな形でもいい、困っている人を助けたい
ドナー家族のその後の気持ち
母親が亡くなったとき、臓器提供意志表示カードを見つけた朝倉は、語りだします。
・ある日突然亡くなって、財布からこのカードを見つけた時は戸惑った
・実際提供し終わった体を見て、本当にそれが正しかったのか
・まだ亡くなったことすら受け入れてないのに、体だけどっかに持ってかれちゃったような気がして…
そんな朝倉に、レシピエントからサンクスレターが届きます。
・助かった人がいて、今もどこかで元気で生きてる
・このカードを残してくれたことに、ありがとうって伝えたい
どの家族も、いろんな過程を経て、臓器提供を決めるのです。
「「あいつの性格からして『臓器が欲しい人にあげたい』と絶対言うよ」と長男。長女は『お母さん、灰になったら何にもなくなってしまうよ』と言った。」
「さよならじゃない。移植を受ける人、その家族、友人、たくさんの人を救ってくるんだよ」
「どんなお金持ちにも、どんな権威がある人にも、誰にもできないことをやった息子を誇りに思う」
意思表示の方法
臓器提供の意思表示は、健康保険証・運転免許証・マイナンバーカード・意思表示カード・インターネットによる意思登録で意思表示をすることができます。
移植したくない臓器があれば、その表記もできます。
親族を優先することもできます
団体や企業が独自に製作したオリジナルの臓器提供意思表示カードもあります。
健康保険証(被保険者証)の交付→https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat710/sb3160/sbb3160/1939-189/
必ずしも臓器提供しなければいけない、という訳ではないし、わたしも推しているわけではありません。
本人だけでなく、残された家族のことを考えると、したくてもなかなかできることではないです。
でも、これはわたしの体だから。
最後のお願いだと思って、叶えてほしいですね。
…と、わたしも意思表示しようかなと思っています。
おまけ グリーンリボンキャンペーンとは?
グリーンリボンは、世界的な移植医療のシンボルです。
グリーンは成長と新しいいのちを意味し、“Gift of life”(いのちの贈りもの)によって結ばれた臓器提供者(ドナー)と移植が必要な患者さん(レシピエント)のいのちのつながりを表現しています。
グリーンリボンキャンペーンは、移植医療を通して、臓器を提供してもいいという人と移植を受けたい人が結ばれ、よりたくさんのいのちが救われる社会の実現に向けた、『移植医療』の“理解促進”、“普及”、及び“啓発”につながる取り組みの総称です。
なお、10月16日は、家族や大切な人と「移植」のこと、「いのち」のことを話し合い、お互いの臓器提供に関する意思を確認する日「グリーンリボンデー」としています。
グリーンリボンキャンペーン→https://www.green-ribbon.jp/
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