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真夜中に、母に電話するか迷った。
あまりにも苦しくて、泣きそうだったからだ。
そんな夜が、よくあって、わたしは苦しい。
母に悪いな、と思いつつ、でも、いてもたってもいられなくなって、思わずコールボタンを押してしまっていた。
何回かのコール音のあと、寝起きの声で母が出てくれた。
今日あった、嫌な事をひとしきり訴えた。
泣きながら訴えた。
母は、一生懸命、私に「そんな事ない」「大丈夫」と言っていたけれど、全然心に響かず、一向に心は晴れなかった。
涙が止まらなくて、とてつもなく苦しかった。
しばらくして、電話の向こうで、軽やかな足音が聴こえた。
大好きな弟の足音だった。
夜更かしして、小説を読んでいたらしい。
興奮した声で、その小説がいかに凄かったか、母に伝えていた。
「ちょっと、この子になんか言ってやって。」
母は、お手上げだったのか、弟に電話を変わった。
どうせ携帯を受け取らないだろう、私はそう思ってたのに、案外弟は携帯を受け取って、私に優しい言葉をかけてくれた。
「大丈夫やろ」「それは、お前も悪い」「その人の事は気にするな」
少し、きつい口調で、でも優しい言葉だった。
私は、すっかり元気を取り戻した。
「うん、わかった」
やっと、電話を切れた。
しばらく、眠れなかったけれど、いつの間にか眠っていた。
朝起きて、再び母に電話した。
弟は、母に「落ち着いたよ」と電話の後に伝えたらしい。
いつから、そんなにしっかりした弟になったのだろう。
私は、彼に姉らしい事なんて、何一つできていない。
むしろ、私はいつも助けられてばかりだ。
しっかりとした姉にならなければ。
強くそう思った。
それから、弟がいて、よかったと思った。
弟は、姉がいてよかった、なんて思っているだろうか。
多分、思っていない。
私は、病気もあって、弟にこんな風に辛い気持ちにさせてばかりだ。
いつの日か、いつの日か。
私がいてよかった、なんて思って欲しい。
そんな甘い夢ができた。
また一つ夢が増えた。
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