【Muse細胞静注療法】難病ALS患者の治療法が発見される!

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AKARIを運営するTANOSHIKA CREATIVEの支援員の島川です。普段は利用者さんの記事を書くお手伝いをしていますが、この度のニュースはインパクトが大きかったので、自ら筆を取ることに致しました。

今回は、前半でALSについてやこれまでの取り組みについて、そしてこの世界的な発見に今後なっていく可能性のある本研究について概要をお伝えしていき、後半では自分も支援をさせていただいている、ALSの当事者の方のクラウドファンディングなど、ALSの取り巻く世界の変化について紹介をしていこうと思います。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)についてと、これまでの取り組みについて

まず、筋萎縮性側索硬化症(ALS)についてですが、日本ALS協会のHPには以下のように説明があります。

筋萎縮性側索硬化症は、身体を動かすための神経系(運動ニューロン)が変性する病気です。変性というのは、神経細胞あるいは神経細胞から出て来る神経線維が徐々に壊れていってしまう状態をいい、そうすると神経の命令が伝わらなくなって筋肉がだんだん縮み、力がなくなります。しかもALSは進行性の病気で、今のところ原因が分かっていないため、有効な治療法がほとんどない予後不良の疾患と考えられています。

引用元:日本ALS協会 – ALSという病気の概略

ALSは人によって症状がどこから出始めるかなど個人差があり、まず四肢筋力低下と筋萎縮、構音障害と嚥下障害のいずれかが出現し、やがて進行すると呼吸筋麻痺による呼吸不全が進行し、自発呼吸が難しく、人工呼吸器などを付けないと生命維持すら難しい状況になります。通常発症から 3~5 年で死亡する神経難病です。世界で35万人、日本には約1万人の方が闘病されています。

これまでの取り組み

2014年にALS患者の医療研究支援のための寄付を訴えたアイスバケツチャレンジを契機に、世の中に広く知れ渡ることになりました。
このチャレンジを通してアメリカALS協会には1億1千5百万ドルもの寄付が集まり、約150の研究プロジェクトが進められた結果、2年間で3種類の原因遺伝子が発見されました。また、7千7百万ドルが治療の手当てや、治療の開発に使われ、2つの新薬が開発されたそうです。そして、1年間で1万5千人のALS患者が、地域のALS団体から支援を受けられるようになりました。
日本ALS協会にも、約3755万円の寄付金が集まり、『治療薬や福祉機器の研究開発』と、『患者さんの生活支援』そして『介護者の育成』に使用されています。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)を新しい幹細胞で治療する方法が発見される!

今回はそういった数多くの研究の中で、新しい治療法につながる発見を、岡山大学と東北大学の共同研究グループがされたことでメディアでも話題になりました。以下が発表の概要です。

◆発表のポイント
・筋萎縮性側索硬化症(ALS)モデルマウスにヒト骨髄由来 Muse 細胞1)を経静脈的に投与することで、運動機能などにおいて治療効果があることを見出しました。
・静脈投与された Muse 細胞は ALS マウスの脊髄に遊走・生着し、脊髄を構成する細胞に分化していました。
・ドナーMuse 細胞製剤(CL2020)の点滴による治験が心筋梗塞、脳梗塞、脊髄損傷、表皮水疱症、新生児低酸素虚血脳症で行われております。いずれも HLA 適合や免疫抑制剤は不要です。今後ALS 患者に対する CL2020 点滴投与の治験を行い、新たな治療法として確立したいと考えています。

今回の実験で、ALSの症状のあるマウスに対してMuse細胞を投与した結果、運動機能の低下の抑制や回復に対して有効であったことから、今後人への投与も可能になる目算が大きく、非常に期待できます。現在有効な治療法の少ないALSに対して、完治とはいかなくても生命に関わる機能の回復・進行を遅らせることができれば大きな進歩と呼べるのではないでしょうか。以下はMuse細胞についての同発表内の記述です。

Muse 細胞は骨髄、末梢血、あらゆる臓器の結合組織に存在する腫瘍性を持たない生体内に存在する多能性幹細胞2)です。心筋梗塞、脳梗塞、腎不全、肝障害、皮膚損傷など様々な傷害モデルで、分化誘導せずに静脈内投与することで、傷害部位へ選択的に遊走・生着し、組織を構成する細胞へと自発的に分化することで組織を修復し、機能回復をもたらすことが報告されています。

発表のポイント・Muse細胞について
引用元:岡山大学・東北大学プレスリリース
「筋萎縮性側索硬化症(ALS)を新しい幹細胞で治療する!
~ALS モデルマウスにおけるヒト Muse 細胞静注療法の治療効果~」
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r2/press20201030-1.pdf

この研究はALSのみならず、心筋梗塞、脳梗塞、腎不全、肝障害、皮膚損傷など様々な傷害モデルに対しても機能回復をもたらす可能性があります。今後も注目していきたいですね!

ALSを抱えながら様々なチャレンジを行う方・取り組みをご紹介!

目で制作に挑む音楽とファッションで、ALSをはじめ全ての挑戦者の背中を押す作品を
こういった力強いタイトルで始まる、ALS当事者の方が行っているクラウドファンディングがあります。
このプロジェクトの発起人は、WITH ALS代表の武藤将胤(むとう まさたね)さんです。
2014年に難病ALSを発症、7年経って呼吸器の装着のために声を失い、呼吸機能も低下する中、テクノロジーを使った新しいコミュニケーションのスタイルに挑戦し、目でDJ・VJをプレイするEYE VDJや、脳波で想いをラップするBRAIN RAPユニバーサルファッションのランウェイなど、ボーダレスなエンターテイメントをイベントやライブを通じて、創出してこられました。
現在も、コミュニケーションツールのOriHime eye、視線入力装置tobii EyeMobile Plusを活用して、音声合成でのコミュニケーションスタイルで活動をされています。

離れていても作品を通してメッセージを発信して、社会を突き動かす挑戦を僕たちらしく続けていこう」そういった考えのもと、このプロジェクトを立ち上げられました。今回は、andoropさんなど2組のアーティストとタッグを組み、音楽とファッションのコラボレーション作品『EVERYONE ,CHALLENGER.』を制作されます。
楽曲は武藤さんが作詞してandoropさんが作曲・演奏をされます。
ファッションの方はまだ発表はありませんが、ある分野の世界的なアーティストの方とタッグを組み、ALSの未来のために、チャリティーアパレルに仕上げていくそうです。

今回のクラウドファンディングの収益金は下記の用途に使われます。
・メインビジュアル、スナップ写真制作費
・ALSチャリティーアパレル制作費、発送費
・クラウドファンディング手数料

この取り組みがどんな反響を呼ぶのか、一人の支援者としても注目していきたいと思います。
最後に、クラウドファンディングの紹介ページにあった、プロジェクトの紹介動画、今回制作された楽曲の冒頭と、武藤さんが支援者に向けたメッセージの一部を紹介して終わりにしたいと思います。最後までお付き合いいただきありがとうございました。まだプロジェクトは継続中です。よければ皆さんも一緒に支援しませんか?

ALSの進行によって、手足を動かす自由、声を出して発話する自由まで奪われていきます。また、徐々に呼吸をする自由までも奪われ、最終的には、人工呼吸器の装着が必要となります。
現在、日本のALS患者の約7割もの方が、人工呼吸器をつけず、死を選択しているという実態があります。また、今年の夏の嘱託殺人事件のALS患者の女性のように、切実に安楽死を望む方もいます。
同じALSの仲間として、とても悲しく、とても悔しくてならないです。
確かにALSと共に生きるという挑戦は過酷かもしれません。
何度も生きるか死ぬか、僕自身も葛藤した経験があります。
でもその度に、決して1人で挑んでいるわけではないことに気づかされるのです。
大切な妻や家族がいてくれて、24時間支えてくれている介護ヘルパーのみんながいてくれて、
いつもみてくれている医師、看護師、リハビリ師の皆さんがいてくれて、
共にALSや難病と生きる患者仲間の皆さんがいてくれて、
常に挑戦し続ける僕を支えてくれている仲間達がいてくれて、
今回のようにインスピレーションを与えてくださる素晴らしいアーティストの皆さんがいてくれて、
SNSでいつも見てくれたり、今もこうして挑戦の想いを読んでくれて、応援してくれている皆さんがいます。
僕はこの一瞬一瞬に、沢山の皆さんの想いと共に、挑んでいるのだといつも感じています。
僕だけでなく、みんな1人1人がかけがえのない挑戦者なのだと。

この作品を、全ての挑戦者に心を込めて届けます。
1人1人の大切な今、そして未来に挑む、希望になることを信じて。

EVERYONE,CHALLENGER.
 
WITH ALS武藤 将胤

引用元:社会問題と向き合う人のクラウドファンディングGoodMorning
「目で制作に挑む音楽とファッションで、ALSをはじめ全ての挑戦者の背中を押す作品を」
https://camp-fire.jp/projects/view/341001

≪参考記事・文献一覧≫
・grapee「アイスバケツチャレンジのその後を知っていますか? ブーム後に訪れた驚きの結末!」
https://grapee.jp/206337
・岡山大学・東北大学プレスリリース
「筋萎縮性側索硬化症(ALS)を新しい幹細胞で治療する!
~ALS モデルマウスにおけるヒト Muse 細胞静注療法の治療効果~」
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r2/press20201030-1.pdf

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