10代に広がる『スマホ依存症』原因はドーパミン?

スマホ依存症

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 先日、職場に来た時ハッと気づきました。

 「スマホ(携帯)忘れた」

 最初は「やってしまった」と思いながらも、取りに帰るにはちょっと距離があるので、しょうがないと諦め、その日を過ごしました……。1日の仕事が終わり帰宅した時に、テーブルの上にあるスマホを見て、携帯を忘れていたことを思い出しました。それまで、忘れていたことを、忘れてました。

 なんてバカな話しなんだろう……という事が言いたいワケではなく「スマホをイジれない」ということが、苦じゃなかったのです。そもそも私の場合、SNSはLINEしかやってないですし、スマホゲームもさほどやりません。連絡を取る友人も居ますが、毎日やりとりするわけでもないので、1番使うといったら動画や、情報収集です。

 そこまで困ることはないのですが、時間のすき間についつい触ってしまう。その日は、すき間をコミュニケーションに使い、職場の人とお喋りしてました。時間の流れがあっという間で、とても充実した1日になりました。

 そんな時にふと思いつきました。『スマホをついつい手癖のように触ってしまう』というように認識すると、ある種の軽い依存かな? と。この際、調べてみて、スマホ依存を学んで紹介したいと思います。

1.人生を壊してしまうかもしれない『スマホ依存症』

 昔の依存症と言われるのは全て化学物質(ニコチンやヘロインなど)だったのに対して、現在はインターネット依存、スマホ依存、カジノ依存、パチンコ依存が多く見られる。これらを総称して行為依存症といわれる。

 行為依存症とはある特定の行為から得られる、刺激や安心感にのめりこみ、やめられなく、日常に支障をきたすこと。パチンコで当たった時の興奮や、Twitterなどで人と繋がっている安心感などが、依存してしまう原因だそうです。

 長いこと、物質依存と違って行為依存は、身体への影響は起きないとされていましたが、近年の研究で、行為依存は脳の活動、構造に変化がみられることが明らかになったそうです。

 行為依存が進行しても、アルコールやその他の薬物と違って肝臓を壊したり、神経がやられるなどの身体症状が現れにくいので、周りからは気づかれにくいです。しかし、行為依存は経済的な問題、時間の多大な浪費、仕事や学業への悪影響などが、その人の人生に深刻な影響をもたらします。

 2011年のデータですが、41%の人が少なくとも1つの行為依存症になっているというデータがあり、当時よりもさらに普及したスマホやタブレット、この41%より確実に上昇していると思われます。

参考・東洋経済ONLINE

2.『いいね!』に振り回されてSNSに疲れてしまう

 人間は、誰かに認められたり、褒められたりすると嬉しくなりますよね。そのことを『承認欲求』といいます。人間としては当たり前の欲求です。現実(リアル)だと労力や努力を積み重ねて、家族や友人、上司や先生などから認められたり、褒められたりします。

 しかしSNSだとそれを簡単に得られます。美しい写真や、面白い動画などを載せるだけで、不特定多数に『いいね!』を貰えたり、『フォロワー』が増えていきます。これが「認められた」、「褒められた」と同様の感覚を得られ、最初は何気なく始めたことが『フォロワー』や『いいね!』の数が気になり、いつの間にか『いいね!』を、もらうために写真や動画を、投稿してしまうようになってしまいます。

 このように手段と目的が逆転してしまうことを、『自己目的化』といい、気づかないままでいると食べもしないスイーツを買って写真だけ撮って捨てたり、モラルに反する動画を撮ったりします。そんな事をしてもダメだと分かっていても、止めることが出来ずに疲れがきます。

 自信作の写真や動画なのに『いいね!』が思ったほどもらえない、『フォロワー』がなぜか減ってる……と沼にどんどんはまっていきます。

 抜け出す方法は他人の評価を、期待しないことだそうです。人の評価を気にすることは大事ですが、期待してしまうと、裏切られた際の失望感を生んでしまい、本来いらない挫折感やイライラを生んでしまいます。顔も見えない人の評価なんて期待せずに、自分を俯瞰してみましょうということですね。

参考・秋吉健のArcaic Singularity

3.10代が特に依存になりやすい? その原因とは

 iPhoneを作った故スティーブ・ジョブズは2010年のインタビューで、自分の子どもにはiPadを持たせてないと発言していたり、サンフランシスコのベイエリアにある私立学校では、電子器具は使用禁止で、iPhoneもiPadも同様に禁止しています。この学校に関して面白いのが、親の75%がテクノロジー業界の幹部だということです。

 作った側がなぜ危険視しているのかというと、スマホやタブレットで検索したり、「OK,Google」と話しかけるだけで瞬時に探していた情報が、手元の画面に表れるのは、心地よい達成感が得られ、脳内でドーパミンが分泌されます。10代のうちは新しいことを習得するたびに、脳内でドーパミンが、過剰に分泌されやすい。

 ドーパミンとは簡単にいうと「楽しかった」ことを脳に伝える化学物質で、食欲や性欲、薬物を求める気持ちを引き起こすのがこのドーパミンであり、依存症の原因になりやすいそうです。なので、よく言われる「心が弱いから依存になりやすい」は勘違いです。

 Common Sense Mediaの情報によると、10代は、起きている時間の半分くらいはデジタルメディア(PCやスマホ)に張り付いていて、学校や宿題で使う時間はこれに含まれていない。2015年、8歳~18歳までの子ども2600人を対象に、オンラインでの習慣について調査したところ、明らかになったのが、10代のほとんどは、デジタルメディアを延々と利用しながら日々を過ごしているといいます。

 TwitterやInstagramに投稿し、動画を視聴していて、ゲームアプリで遊び、音楽を聴く。これらは宿題など何か他のことをしながらです。10代のうち半数がソーシャルメディアを使いつつ、60%がテキストメッセージを送りながら、76%が音楽を聞きながら宿題をすると回答していて、ほぼ全員が宿題の邪魔になっていないと答えていますが、それは間違っているそうです。複数のデジタルデバイスをあれこれと、連続的に使っていると、集中力の持続、記憶、生産性に影響するそうです。

 後にTwitterに買収されたアプリ『Pull-to-Refresh(引っ張って更新)』の機能を開発したローレン・ブリッチャーは「スマホは便利なツールだ」という前提で次のように、語っています。「スマホには依存性があり、引っ張って更新の機能にも、Twitterにも依存性がある。良いものではない。開発しているときには、依存性などについて考えられるほど、大人ではなかった。SNSを利用する問題の一部には、気持ちを高揚させてくれるものだと考えている部分にある。そういったマイナス面を後悔している。」と語っています。

参考・東洋経済ONLINE CNET Japan オモシロ&お役立ち医療・研究情報館 

まとめ・スマホは『道具』として付き合っていこう

 インターネットやスマホはとても便利です。私もそう思います。現代では多いに役に立たち、生活を豊かにしていることも確かでしょう。ただ道具を使う側から、使われる側になってしまう危惧は、十分に考えておいた方が良いのかもしれません。

 開発者にも予測できない悪影響もあります。無意識のうちに『いいね!』の数を求めたり、LINEの通知ばかりを気にしてしまいます。そんな時は俯瞰して自分を見つめて『疲れている』と感じたら、休日ぐらい電源を切ったり、スマホを持ち歩かない生活をしてみてもいいんじゃないでしょうか? 読書や散歩、友人と会ったりして、SNSや通知を気にしない、そんな縛られない日常を満喫してみてもいいかもしれませんね。

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