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前回はエリクソン・ハヴィガーストの発達段階の「青年期」(13~22歳頃)について書いていきました。
エリクソン・ハヴィガーストの発達段階やその違いとは
発達心理学シリーズの冒頭やその中でご説明しています。
今回はその「成人期・壮年初期(成人初期)」(22~40歳頃)という部分に着目して書いていけたらいいなと思います。
発達心理学から学ぶ成人期・壮年初期(成人初期)
画像引用:キャリコン ハヴィガーストの発達段階
ハヴィガーストの発達段階から言えば以上の5つが発達課題になります。
この時期はほとんどの方が学校を卒業し、就職を行なっている時期です。
壮年期(成人初期)の発達課題は主に「結婚」「就職」「親になること」の達成を通じてライフスタイルが確立することと考えられます。そのライフスタイルの確立によって自我同一性の安定が求められます。
自我同一性については前回の記事である「発達心理学から見る青年期(13~22歳頃)の支援方法」の中でもご紹介しましたね。
この頃の自我同一性が弱く、表面的な人間関係しか作れない人にとっては就職後様々な人間関係の中で、緊張や不安、恐怖に陥り疎外感に耐えられずネガティブになり、不適応になる影響があります。
結婚はさらに難しい問題です。お互いの個を尊重・信頼しながら相互に欲求を満たし合うという相互的な関係で成り立ちます。そこでは、「自分が何かを失うのではないか」という不安より自分の同一性と他者の同一性を融合できる親密性が求められます。
人が経済的に「おとな」としての要件を満たすためには「就職」が必要不可欠です。
そこで職業での同一性「職業的同一性」を獲得するために様々な職業経験を経てその中で自我同一性を強いものにしていきます。
仕事を任され、社会的責任を取りながら、職業生活を安定的に維持していくことが壮年初期(成人初期)の大きな課題です。
しかし、環境や個人と合わず、出社拒否、離職、転職など様々な職場不適合が起きます。また昨今企業再構築などによる配転や転籍のため、今までの職場経験に基づく仕事能力が通用しなくなり、自我同一性が崩され、不適応に陥るケースが増えています。
このことで悩まされた方も少なくないのではないかと思います。
そこからうつ病や精神疾患になったりする人が近年増しているため、そちらの疾患や2次疾患にも注意が必要です。我慢強い人や頑張り屋な人は、自らがその状況を我慢する可能性もあるため、周囲の人の気づきや適切なサポートが大事です。
環境を変えたり、周りの人に相談したりと、自分の心身の状態を適切に保つことが大事になります。
「ウェルビーイング」のようなより良い心身の状態を保てるといいですね。
参考・【ベネッセウェルビーイングLab】ウェルビーイングとは
またこちらの方法はほとんどの人に対して有効で仕事にモチベがなかったりして仕事が億劫になる場合、「外発的動機づけ」として仕事終わりに何か美味しいものを買ったりして自分にご褒美を与えるという方法もあります。
続いて、エリクソンのライフサイクル理論の成人期についてですが、こちらは友情や愛情を結婚などを通じて他者との深い結びつきを与え、他者との親密な関係を結ぶ「親密性」と、その他者との関係づくりが何らかのことが原因で崩れ陥るのが「孤立」という心理的危機に陥ります。
この危機を乗り越えると「愛」という力を得ることができます。自分を受け入れ、本当に信頼できる人との親密性を育むことによって愛や幸福を獲得することができます。
次回はこの発達段階に続いて「壮年期・中年期(成人中期)」を書いていきます。
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