「まっすぐ、あなたが走れます様にー」。ろう学校の陸上部顧問が聴覚障害の部員を思い、開発『スタートランプ』

陸上の女性選手

この記事は約 7 分で読むことができます。

こんにちは、翼祈(たすき)です。

いよいよ、「東京2025デフリンピック」が始まりました。

今大会は自国開催であることで、私は2025年になって、よく聴覚障害関連のイベントの話を耳にする様になりました。

多分元々あったイベントであっても、「デフリンピック」が開催されることで、聴覚障害がクローズアップされやすいのかなと。

「東京2025デフリンピック」が盛り上がる中で、私がとある機械から注目するスポーツがあります。

それは陸上。陸上では今大会から聴覚障害を抱えていて、すぐにスタートを切れない選手を減らしたいと、『スタートランプ』を導入。

『スタートランプ』(正式名称:光刺激スタート発信装置)は、なぜ開発が決まったのか。そこには、ろう学校の陸上部顧問の男性が過去の生徒を思い、開発に携わりました。

『スタートランプ』が開発されたのは、スタート音が聞こえず、結果を残せなかった教え子の涙があったからだった

2012年に陸上競技専門のメーカー【ニシ・スポーツ】と一緒に、都内のろう学校教諭で陸上部顧問を務める竹見昌久さんが開発を始めました。

開発のきっかけは、とある生徒の高校3年の最後のインターハイの時。聴覚障害でスタート音が聞こえず、スタートに出遅れたことに生徒は悔し涙を竹見さんに見せました。

陸上では、ピストルの音と審判の声で選手たちがスタート。ですが、聴覚障害を抱えている選手たちには、その合図が聞こえない。「東京2025デフリンピック」では「位置について、用意、スタート」を、それぞれ「赤、黄、緑」の光で示した装置を採用。

参照元:(NHK首都圏ナビ) 「スタートランプ」にかける思い 都内のろう学校教諭の挑戦! 2025年1月14日

『スタートランプ』は、どの様なカタチをしたセットですか?

スタートランプ

聴覚障がい者のスタートを補助する装置です。

スタート発信装置からのスタート信号と連動し、LEDの発光色を変化させることで、競技者へスタートタイミングを合図します。

スタートランプスタートランプ

引用元:(株式会社ニシ・スポーツ) 光刺激スタート発信装置

私自身が感じること

「東京2025デフリンピック」の効果の大きさを聴覚障害当事者の私も感じています。

今まで当事者の私が話しても、それほど関心を持たれづらかった聴覚障害。それは聴覚障害があるのに、会話もできる。人から見て乖離があったのでしょう。

2025年は仕事の一環で社外の方へのインタビューでも同じ聴覚障害の方とお話ができて、実り多い1年でした。

「東京2025デフリンピック」は、本当に盛り上がりが凄くて。私が1番驚いたのは2022年にAKARIに記事を書いた方が今大会で支える側に。

手話実況というスポーツ中継もされているそうです。「東京2025デフリンピック」のアスリートの試合を観に行ったり、選手と交流もしたり。

SNSを観ていても聴覚障害者の話題は、やはり「東京2025デフリンピック」。私が当事者であること、またライターであることで、大会の盛り上がりを両側面から感じて。

私はスポーツが全くできませんが、聴覚障害当事者として『スタートランプ』の魅力を体験談を交えて紹介。

私は片耳難聴なので、どちらも聞こえないわけではない。ただ、やはり聞こえの歪みがある。

聴覚障害があると音が聞こえない、または認識が弱い。

視覚からは状況が分かっても、耳からの情報の処理ができない。

例えば、信号が青だから横断歩道を渡ろうとする。でも、もし車も青で近付いて来た時、視覚で目の前の信号に気を取られ、接近に気付かない。

または音でもうすぐ赤信号に変わる合図が流れていても、青信号だけ観て横断歩道を渡ろうとする。

私もそれで車に接近していることに気付かなかったり、青信号だけ観て、渡ったら危ないということも多々あった。

私は発達障害の学習障害(LD)があって、この障害があることでも空間認識が弱いと聞きました。

仕事の面で言えば、インタビューの時。聴覚障害があることで時々先方の声が聞こえていない。聞こえていないところは、前後の言葉を頭の中で繋げて理解。

または、インタビューをする前に先方の資料をじっくり読み込んでおくことも、聞き漏れもある程度カバーできます。

自分は聴覚障害であることで、耳からよりも視覚からの情報が頭に入りやすいということ。

聞こえ方も人それぞれ。スタート音が聞こえてスタートが切れる人も、聞こえず出遅れて、結果が出せず涙を流す人もいる。

音が聞こえない人からすれば、その人なりの対策だったり、練習、努力もしてきたはず。

スポーツは結果が求められるので、結果を残せないことはずっとその競技に向き合って来たからこそ、悔し涙が止まらない。

『スタートランプ』も、竹見さんが「努力しても聞こえないなら勝てない」という言葉を聞いたことが開発のきっかけ。

最初はなかなか普及が難しかった『スタートランプ』。それが「東京2025デフリンピック」での導入。竹見さんを始め、関係者の皆さんが尽力した結果ですね。

耳が聞こえないからこそ、『スタートランプ』という視覚から情報を得ることの大事さを改めて感じました。

「東京2025デフリンピック」で使われる手話は国際手話。手話ができるボランティアは3500人。コミュニケーションが手話で取れる人は1641人。641人は英会話ができる。447人が国際手話を使える。

国際手話を使う意味で、改めて国際的なスポーツ大会だと感じます。

YouTubeで「デフリンピック」を観た時、『スタートランプ』がどれだけ映るかは分からない。

それでもこの記事を書いて、『スタートランプ』でまっすぐ走る選手を観たら、心温まるだろうなぁと思いました。

重大なお知らせ

AKARIの記事の新しい方針が2025年11月1日から始動し、私がこれまで書いていた、ニュース系の記事をAKARIでは書けないことが正式に決まりました。今後は体験談のみの掲載となります。

この記事をもちまして、私はニュース系の記事をAKARIで書くことは、廃業となります。

AKARIでも書こうとしたニュース系の記事は、こちらの私のnoteに全て移行します。↓

2025年11月18日(火)から移行し、掲載しています。

「AKARIの読者の皆様に支援の記事は今後も必要です」と訴えましたが、私自身ではどうすることもできませんでした…。

これからも読者の皆様への支援の情報を届けるため、私はnoteで書き続けます。

読者の皆様、今まで大変お世話になりました。

今、感染症などが色々流行っていますので、お身体に気を付けて、ご自愛下さい。

今まで、AKARIで翼祈(たすき)のニュース系の記事をお読み頂き、誠にありがとうございました。

今後は、noteの方で宜しくお願い致します!

最後に2つほど、AKARI用にしていた記事のリンクを貼ります。↓

よろしくお願いします!

noteでも書いています。よければ読んでください。

→HOME

陸上の女性選手

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、薬害で糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、高眼圧症、脂漏性皮膚炎、右手人差し指に汗疱、軽く両膝の軟骨すり減り、軽度に近いすべり症、坐骨神経痛などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。