「あなたより大変な人はたくさんいます」A型で働きたかったけど、働けなかった~TANOSHIKAにつながるまで~

暗い部屋にいる女性の横顔

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「あなたイジメとかなかったんでしょ?

障害がある人たちはあなたよりもっと大変な人生ですよ」

生きづらさを感じていた頃、相談したお医者さんに言われた言葉です。

 

こんにちは、中村鮮魚店です。

今回は私がTANOSHIKAにつながるまでの10年間に何があったかをお話させていただきます。
これを読んでくださった方に、自分の経験を踏まえて、
どうやって福祉サービス就労継続支援A型につながっていくといいかなどをお伝えできたら幸いです。

職場で感じた違和感

私が初めて就職したのは、飲食店でした。

早朝から夜中まで働き、繁忙期には睡眠時間が2~3時間という環境で働く毎日。

そんな忙しい日々を送る中で、周りとの違和感を少しずつ覚え始めたのです

私が感じた違和感
  • 漠然とした指示がわからない
    先輩の「あれ取ってきて」の‘‘あれ‘‘がいつまで経ってもわからない
  • 絶対に忘れてはいけない事を忘れる
    翌日の食材発注をまるまる忘れる
  • 空気が読めない
    周りがいっせいにAの作業を始める中で、自分だけBの作業をしてしまう

    そのほかにも
  • 簡単な計算ができない
  • 同じミスを繰り返す
  • 何度数えても正しい数がかぞえられない
こんな状態の私にも先輩方は根気強く仕事を教えてくださいましたが、
入社してどんなに経っても、仕事ができている実感はありませんでした。

ちょっと考えたら普通わかるでしょ

この言葉は一生分言われたと思います。

就労継続支援A型を知り、病院へ

就労継続支援A型(以下、A型)を知ったきっかけは道草晴子さんの『みちくさ日記』というエッセイ漫画でした。

参考元:道草晴子 『みちくさ日記』リイド社 2015年

本を読むと、道草さんが作業所で働くエピソードがあり、その後ネットでA型の存在を知りました。

病院に行けば、何かしらの形でA型につながると思い込んでいましたが、先生から言われたのは冒頭の言葉でした。

日々、障害や病気と闘う患者さんを支える先生の言葉の意味も、時間が経った今はわかります。

ですが、この時は

どんなに自分が困っていると感じても

‘‘決められた困っている人のワク‘‘に入らなければ、助けてもらえないんだ。

としか思えませんでした。

 

‘‘普通‘‘に見えるよう必死に働く毎日

パソコンを前に頭を抱える悩んでいる女性
その後、仕事が変わっても

夜中まで仕事の予習、復習をし、イジメられないよう

同僚や上司の対人マニュアルを作り必死に人間関係を保ってました。

‘‘少しでも気を抜けば大ミスをしてしまう‘‘
‘‘嫌われたら仕事がさせてもらえない‘‘

常に緊張感MAXでした。

そんなある日、仕事で使うメモを見て夫が一言

「え!こんなこともメモしてるの?ただの足し算じゃん」

その瞬間に涙腺崩壊。

「そうだよ!
いい年してこんな事もメモしなきゃミスするんだよ!
そして、がんばって書いたこのメモもどうせ家に忘れるのよ!」

子供を通じて福祉につながる

それから数年後、子供のデイサービスの先生から
「計画相談支援員さんについてもらってはどうか」と提案があり、地域の基幹相談支援センターへ。
そこで現在の支援員さんと知り合いました。

支援員さんと話していく中で、ハッと気が付き、

「もしかして、大人も支援していただけますか?」
「はい。してますよ。どなたでしょうか?」
「私です!!」
「お母さんですか?!」

そんなやり取りを経て、私のA型への道はやっと始まりました。

その後、支援員さんにこれまでの経歴をお話しし、
言われた通りに必要な書類を準備。

産後の不安感などでお世話になった心療内科の先生に
「A型で働きたいので、意見書をお願いします!」と言うと
先生は快く引き受けてくださり、最後に一言。

「きっとね。これから、いろんな事が良くなりますよ。」


その後、何度もネットで見て働きたかった
TANOSHIKAにハローワークを通じて応募→見学・体験を経て、採用されました。

A型を知ってから約10年。
ようやくTANOSHIKAにつながることができました。

ここまで来るのに関わってくださった方々には感謝しかありません。

皆さんへのメッセージ

今回‘‘発達障害の傾向が強い事‘‘ではなく、‘‘産後の不安感や障害が起因の精神障害‘‘という形でA型につながりました。

そして、振り返ると、

  • 一か所だけ相談して終わってしまった事
  • ネットの情報を鵜呑みにして、勝手に自分は福祉の対象外だと思い込んでいた事

これらが原因で、福祉につながるまでに時間がかかってしまったのだと思います。


大事なのは、あちこち、たくさんの人にSOSを出すこと。

そして、相談する相手も、あなたが本当に困っていると伝われば、ただの同情の言葉だけでなく
進む道を一緒に考え、行動してくれます。

どこかにあなたの‘‘困ってる‘‘をすくい上げてくれる人は必ずいます。

青空に笑顔の風船

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