2023年、「アウティング」を受けた男性が、労基署から労災と認定。その時系列。

アウティング

この記事は約 5 分で読むことができます。

こんにちは、翼祈(たすき)です。

この記事で取り上げる題材は、「アウティング」のことです。

「アウティング」とは、人のSOGI(性的指向、性自認)を、LGBTQ+当事者の許可なくSNSなどに書き込み暴露したり、他の人に言いふらしたりする行為をいいます。

LGBTQ+に関しての情報を得る時に、必ず一緒に出て来る「カミングアウト」ですが、カミングアウトと似ている様で全く違うのが「アウティング」です。

カミングアウトは当事者が自分で相手にセクシュアリティを打ち明けるものであることに対し、「アウティング」は自分でなく他人が勝手に行うという点が大きく違います。

この様に「アウティング」と、カミングアウトは似ている様で、全く違うものです。

そんな「アウティング」ですが、2023年そのことで労災が発生した事案があります。

東京都内にある保険代理店に勤務していた20代の男性が、職場で同意なく性的指向を暴露される「アウティング」を受けた後、精神疾患を発症したことに関して労働基準監督署から、2022年3月、労災として認定されていたことが、2023年7月24日、明らかになりました。

男性をサポートする、東京都にあるNPO法人「POSSE」が東京都内で記者会見し、「アウティング」を巡って労災認定されたのは、日本では初めてではないかといいます。

今回はこの男性が労災を受けるまでの経緯を時系列でお伝えします。

「アウティング」された男性が、労災を受けるまで

NPO法人「POSSE」によりますと、男性は2019年に東京都豊島区にある生命保険代理店に入社しました。緊急連絡先としてパートナーの氏名を伝えた上で、ゲイであることを40代の上司に知らせました。上司にそのことを話した時に、「同僚には必要があれば自分のタイミングで伝えます」と説明しました。

ですがその1ヵ月後に上司はその後、男性の同意なくゲイであることを女性のパート従業員1人に知らせました。上司は「自分で他の人に話すのは恥ずかしいと思ったから言っておいた。1人ぐらいならいいでしょ」と男性に言いました。

男性はそれを知った時は頭が真っ白になり、嗚咽が止まらなかったといいます。上司からは別件に関しても暴言も受け、上司を信頼できなくなり、業務に必要なコミュニケーションが取れなくなるなど関係が悪化しました。

男性は女性従業員から無視される様になり、間もなく男性は精神疾患を発症しました。NPO法人「POSSE」に相談して会社側の責任を追及しました。会社側は当初「善意でやった」と説明していましたが、2020年10月に事実関係を認め、謝罪しました。

男性は同じ時期の2020年10月に会社を辞めました。2021年4月に東京都にある池袋労働基準監督署に労災申請し、2022年3月に認定されました。労基署は、上司の「アウティング」がパワハラに該当し、強い心理的負荷を与えたと判断しました。

男性の体調不良が続いたため、「アウティング」されたと発表まで時間がかかったといいます。

会社側はこれまでに男性に謝罪した上で解決金を支払い、再発防止策として社員教育の実施を約束しました。

参考:同意なき性的指向暴露“アウティング”巡り 労災認定 全国初か NHK NEWS WEB(2023年)

男性は、「私は、『アウティング』被害を受けた時、人間不信に陥り家の外に出ることもできなくなりました」と、苦しい胸の内を明かしました。

NPO法人「POSSE」は「職場でのハラスメントを禁止する法律ができても実際の社会では『アウティング』の被害は多いです。労災として認められたことによって『アウティング』を行う行為で個人や企業が責任を問われることが明確になったと思います。当事者と共に社会を少しずつでも変えて、差別のない社会にしていきたいです」と語りました。

難しい

この記事を書いている時、この書いた記事と同じ去年のことを思い起こしました。去年とある芸能人の方が、カミングアウトしました。ずっと悩んでいたことだったらしいのですが、「アウティング」ではなかったことなどや、ファンにも「これからも応援するから」との声もあって、その人はカミングアウトした後、受け入れられたことで、今は清々しく、精力的に活動をされています。

「アウティング」は他人が人にその人の性的指向をバラしてしまうことで、その人が「今なら話せるタイミングだ」の準備もできず、周りに知られて、その人が悪かったわけでもないのに、仕事に行きづらくなって、そのまま仕事を辞めてしまう。

「アウティング」は仕事だけではなく、命というかその人の人生そのものを奪ってしまう、非常に心苦しい問題です。

「アウティング」は会社側の言い分では善意で、と言っても、当事者にとっては悪意です。

「アウティング」はそれまでの周りの人との関係性も、一瞬で奪ってしまう、恐ろしい行為です。

「アウティング」という言葉が広く知られていることで、それを受けても、声を出せずに、泣き寝入りしている人も多いかもしれない。

それだけとても難しく、その人がカミングアウトできるところに来るまで、決して他人が「アウティング」をしてはいけないなと思いました。

noteでも書いています。よければ読んでください。

→HOME

アウティング

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。