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こんにちは、翼祈(たすき)です。
2023年2月、政治の場でLGBTQの方への差別発言を受けて、首相秘書官だった男性が更迭されてから、早1ヵ月。政府は後任のLGBT担当を設けたり、「LGBT理解増進法」の整備を進めていますが、なかなか採決には至っていません。
そんな中でも、子育てをしながら、国の様子を見守る、京都市に住む同性カップルがいます。このカップルは一連の報道をどう思っているのでしょうか?
今回はその同性カップルの話題を中心に、以前と違う視点から同性愛・同性婚について考えます。
同性カップルから観た、同性婚の在り方
子育てしている同性カップルの声を聴いて欲しい―。当事者らで構成された、東京都にある団体「にじいろかぞく」が、同性婚を巡る一連の元首相秘書官の差別発言をきっかけに、岸田文雄首相へメッセージを送るプロジェクトを加速させています。
「政治の主軸から出た差別的な発言。とても悲しくて、大きなショックで、怒りの感情が湧きました」と述べた京都府京都市に住む会社員の女性Aさんとアメリカ国籍の女性Bさんのカップルも2022年夏に誕生した女の子に関する体験談などをしたためようとしています。
精子の提供をして貰い、女性Bさんが娘を出産しました。出産直後から二人は不便を感じることが出てきました。日本では同性婚が認められていないことから、女性Aさんは法律上の親になることができず、出生届にはアメリカ国籍の女性Bさんのみ名前を書きました。このため二人の娘は日本国籍がなく、漢字名の登録もできませんでした。
娘の将来を見据えて、学資保険を検討すべく調べ始めましたが、法律上の親でない女性Aさんが契約可能な学費保険のプランは見つかりませんでした。「娘を病院に連れて行く時に、親として病状説明を受けることはできるのか?女性Bさんにもしものことがあれば、娘の親権や財産は?と悩みが尽きることがありません」と女性Aさんは説明します。
同性婚が可能なアメリカでは、二人の結婚を許可されています。アメリカ領事館への提出書類では、女性Aさんは娘の親として名前を記入し、受理されました。「G7で同性婚を許可しないことや、それを基準とする法制度がないのは日本だけ。同性婚の扱われ方の差を痛感した瞬間でした」と話す女性Aさん。
日本で10年以上生活する女性Bさんは、永住権を取得し、会社に勤務しています。ですが、女性Aさんと娘に親子関係がないことで「男女のカップルなら当たり前に獲得できる法的保障もなく、不安は絶えない」と話します。
二人は、同性カップルが結婚できない現行の制度では憲法違反に当たるとし、国に損害賠償を求める集団訴訟の原告の当事者でもあり、現在、大阪高裁で控訴審が継続しています。同種訴訟では2022年11月、東京地裁が、同性カップルを家族とする法制度に関して「子の福祉等にも考慮した上で、立法府大いに議論、検討が起こすべきだ」と生まれて来た子どもの幸せも含んで考慮すべき、判決で示しました。
そうした動きが活発化していた中での、元首相秘書官のLGBTQの人に対する差別発言がありました。女性Aさんは「複数の世論調査を観ても現在は同性婚賛成の方が多いです。差別発言をした政府と世間とのズレが表面化した」として早急な法整備を要望しています。仕事の都合もあって、一家はこれからも日本生活する予定だとし、女性Bさんは「LGBTQであることで選択肢が狭くならない社会の実現になって貰いたいです」と強く願います。
画像引用・参考:にじいろかぞく
「にじいろかぞく」は元首相秘書官が差別発言をした後で、葉書で同性婚に対して訴えるメッセージ送付プロジェクトを始めました。全国の「にじいろかぞく」会員の中で、差別発言の後で首相官邸宛に投函した家族もいました。
同「にじいろかぞく」の共同代表の女性Cさんによりますと、笑顔の四人家族のイラストを描いて「ママたちに結婚させてあげたい」と小学生が綴った葉書以外にも、「私の学校の友達はママが2人のことを分かってくれるのに、日本はなぜ分かってくれないんですか」とコメントも葉書に記載したとの報告が届いています。
同「にじいろかぞく」は、これからも団体の公式ホームページに同性婚に対して国に伝えるべき旨や首相官邸宛の郵送方法などを掲載し、LGBTQの人以外の参加も訴えています。
一連の報道を受けて、
世界各国が日本の対応が遅れていると報じました。その中で特に注目が集まったのは、10年前にアジア・太平洋の国として初となる同性婚を法律で認めたニュージーランドの元国会議員モーリス・ウィリアムソンさんの発言でした。
2013年4月17日。ニュージーランドの議会で賛成77、反対44と、同性婚を認める法案が可決されました。
その前の4月16日、9期目のベテラン国会議員だったウィリアムソンさんは、国会の同性婚の許可の最終審議で4分間の演説を行いました。選挙区内の有力者によって、脅しの様な猛反発を受けたことを笑い話にし、「国の社会構造が変わってしまうのでは?」という疑問にも理解を投じました。
そのうえで、こう断言しました。「この法案を認めることで私たちがアクションすることは、愛し合っている2人が、結婚というカタチで法律で認められる様にすることです。私たちがアクションすることは、たったそれだけなんですよ」。
終盤には、熱がこもりました。「現在この瞬間でも、この法案に反対し続ける人たちへは、私は約束します。明日も平等に太陽は昇ります」。
あなたの世界は、あなたの人生は、今後も、平常通りに継続していく―。その訴えは幅広く共感を呼んで、反対意見に投票した政治家たちの意識も転換していきました。
ウィリアムソンさんは、日本の政治家に向けて「同性婚を認めることを法律で整備することにおいて、国が混乱に巻き込まれることなんてない」と強く訴えかけました。
この様に同性婚を認めた国でも、世の中が変わったということはありませんでした。日本は本当に遅れています。色んな議論をしなければならないかもしれませんが、同性婚についても今一度国には、向き合って議論して頂きたいなと思いました。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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