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こんにちは、翼祈(たすき)です。
皆さんは、間質性肺炎という病気をご存知でしょうか?
近くに高齢者がいないと聞き慣れない病気かもしれませんが、最近有名人の訃報で、よく聞く様になった病気の1つだと思われます。
間質性肺炎とは、間質部分が炎症などが起こって分厚くなったり、線維化したりする病気です。線維化とは、間質部分に筋が入って硬くなることを指します。風船のゴムが硬くなって膨らみづらくなる様な状態ともいえ、息苦しくなります。
肺には小部屋の様に分かれたおよそ3億個の肺胞があって、二酸化炭素と酸素を交換しています。肺胞は空気が入った風船に例えられ、風船の空気と内側に当たる内部と上皮細胞が「実質」、風船のゴムの部分が「間質」と言われています。
間質性肺炎の毎年の死者数は、2021年に2万人を突破し、2022年には日本人が亡くなる原因の11位(男性では9位)になりました。
間質性肺炎は、予後の悪い病気で、高齢化に伴い患者数が増加していきますが、一般的に認知度はまだまだ低く、初期症状を見逃して知らない間に重篤化していくケースが珍しくありません。
実はこの記事を書く前に、私の祖母が間質性肺炎だと分かって、現在も入院中です。そのことに関しては、最後の自分の感想で述べさせて頂きます。
今回は、間質性肺炎の治療法などについて、多角的に発信したいと思います。
間質性肺炎の概要
60代後半のある男性は、咳が続き、階段を上る際に息切れする様になりました。加齢と喫煙のせいだと気にしていませんでしたが、急に症状が悪化して病院を受診しました。間質性肺炎の1つと診断され、緊急入院をしました。起き上がることも困難な状態から薬物療法で改善したものの、次第に症状が進行していき、その2年後に亡くなりました。
間質性肺炎の研究や治療で国際的に知られている、愛知県瀬戸市にある公立陶生病院副院長の近藤康博さんによりますと、これが間質性肺炎でよく見られる症状のパターンの1つだといいます。
「がん」といっても色んなものある様に、間質性肺炎も色んな種類があります。2023年12月30日に亡くなった八代亜紀さんの様に膠原病が発症のもとになったり、抗がん剤などの治療薬が誘発したり、原因によって数十種類、細かく分類すると200種類にもなります。炎症を伴わない間質性肺炎もあることから、「間質性肺疾患」とも言われています。
名古屋大病院メディカルITセンター副センター長で、間質性肺炎の研究者でもある古川大記さんは、「間質性肺炎の患者さんの余命は多くの場合、5年から10年ほど」といいます。
深刻な病気ですが、医師の間でも詳しいことは知られておらず、息切れや咳などの自覚症状が出ていても発見が遅れることは珍しくありません。また、よく類似する症状のある、ぜんそくや心不全、慢性閉塞性肺疾患(COPD)とも間違われやすいといいます。
間質性肺炎は、発見が早ければ早い程、治療の選択肢は広がります。名古屋大病院メディカルITセンター副センター長の古川さんは、(1)身体を動かす際(動作の目安は、建物で3階分階段を上る時や、坂道を上る時)に息切れする、(2)乾いた咳が長続く-といった症状が出現していれば、速やかに病院を受診すべきとアドバイスしています。
参考サイト
間質性肺炎interstitial 神奈川県立循環器呼吸器病センター
間質性肺炎の治療法は、ここ15年ほどで進化して幅が広がってきました。タイプによって治療法は違い、膠原病などが原因の場合はステロイドや免疫抑制剤を使用します。羽毛やカビなどが引き起こす過敏性の場合では、原因となる物質を避けることで症状が軽症になっていきます。抗がん剤などの治療薬が誘発する場合も、できるなら治療薬を飲むことを止めると症状が治まるといいます。
間質性肺炎の根本的な治療としては、肺移植があります。肺移植を受けるためには移植希望を登録する時に60歳未満であることが条件で、待機期間はおよそ2年半です。抗線維化薬で延命できれば、肺移植は十分行えます。
公立陶生病院副院長の近藤さんは、「薬物だけでなく、リハビリや禁煙、栄養管理、メンタルケア、環境整備などを含めた総合的な治療が重要」とも主張します。
先述の近藤さんなどの研究グループは、抗線維化薬と、下肢をメーンとした筋力トレーニングによる呼吸のリハビリを併用することで、長期的に運動能力を改善可能なことを発表しました。患者の延命にも結びつく成果だとします。
「間質性肺炎/肺線維症患者会中部支部」の会長で、愛知教育大学の名誉教授の男性は、2005年に間接性肺炎で余命2ヵ月と診断された後、何度かの死の危機を乗り越え、多くの患者にとっての希望の光になっています。
「間質性肺炎は完治しないケースが多いですが、そのことで自暴自棄にならず、様々な悩みを全員が吐き出して、少しでも生き抜いていこうと考えていくと語り合います」と、患者の会で意義を述べました。
祖母と間質性肺炎
私は以前気管支ぜんそくの記事で、祖母が肺炎だということを書きました。その後の続きなのですが、祖母はあれから約1ヵ月前に入院しました。
最初は「咳を余りするので、百日咳ではないか?」と言われたり、激しい咳のためと認知症があるので、徘徊しない様に、監視カメラ付きの個室に入れられました。
検査をして行く中で、飲んでいる薬が原因の「薬剤性の間質性肺炎」だと診断を受けました。
入院生活で、祖母はどんどん弱っていきました。トイレが部屋の中にあるのに、認知症で、トイレの場所が分からず、トイレに行くのを我慢する日が続いたそうです。
ある日、どうしても我慢できず、トイレに行くと転んで足を捻挫し、それからは全く動けなくなったそうです。
祖母の妹が往復6時間かけて、祖母のところに行きましたが、ボーッとしていて、覇気がなかったそうです。
その後、個室から大部屋に移りましたが、母と母の弟、私の叔父さんは、「もうお母さんは、いつ悪化するか分からないので、家には帰れないだろう」と言っていました。
私の祖父も、祖母とは違うとはいえ、ある肺炎にかかり、自宅に戻れないまま、亡くなりました。
間質性肺炎はこの記事で、予後が悪いと知りました。祖母も90を超えています。今は病院に入院していますが、私自身も覚悟が必要な時期だと考えるだけでも、とても辛いです…。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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