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こんにちは、翼祈(たすき)です。
2024年4月で能登半島地震発生から、3ヵ月が経過しました。
令和6年能登半島地震で大きな被害を受けた石川県輪島市で、市立図書館などが休館していることに対し2024年3月12日、東京都立川市では、およそ600冊分の電子書籍を読むことができる「たちかわ電子図書館」の支援サービスを、輪島市在住の小中学生などに無料で開放しています。立川市によりますと、能登半島地震の被災地への支援の一環として、東京都内の自治体で初めての試みだといいます。
また、埼玉県さいたま市浦和区にある多機能型事業所「アトリエ・モモ」は、「がんばれ能登半島クッキー」を作り、震災直後の2024年1月9日からクッキーの販売を開始しました。石川県能登町のイメージキャラクター「のっとりん」のイラストをデザインし、3枚入りで320円で販売しています。その内50円を日本赤十字社を介して被災地への義援金として寄付されています。
さらに、石川県は能登半島地震で自宅を失った被災者の新しい住居として、「戸建て風の仮設住宅」の建設を検討しています。プレハブの仮設住宅と違い、入居期間が過ぎた後も住み続けられることが大きな特徴で、「石川モデル」の仮設住宅として、生活再建の後押しをしたいといいます。
そして、災害が発生すると、現金が良いとされていますが、2023年夏、電波が繋がらなくても支払えるPayPayを始め、能登半島地震の被災地ではよくキャッシュレス決済が使われています。
その上で、被災者による再建では、2024年3月23日に、「輪島朝市」が金沢市に出張して、発災後初開催されました。
石川県七尾市の通りにある、老舗の和ろうそくのお店で、130年以上営業を続ける「高澤ろうそく店」は、江戸時代から盛んに作られてきた「七尾和ろうそく」を、2024年3月14日から仮店舗で営業を再開しました。
この様に少しずつ支援や再建が本格的に動き出した能登半島。この記事では、支援でも、嚥下障害や高齢者向けの嚥下食の支援についてお話しします。
能登半島地震の避難者は高齢者も多いとされています。食べた物を飲み込んだり、咀嚼したりすることが難しい人も中にはいます。そうした嚥下が困難な人の食を支えたいと、栄養補助食品の提供が進んでおり、こだわりの嚥下食を提供する試みも始まっています。
たんぱく質も摂取できて、のみ込みやすいゼリーおよそ6000個、肉じゃがなどのレトルトのペースト食およそ6000袋…。嚥下が難しい人向けに、補助食品を製造・販売する、三重県四日市市にある「ニュートリー」は2024年1月10日から、自社の補助食品を被災地に届けました。
「支援物資として提供されるパンなどは、実は嚥下障害の人には食べづらいものばかりです。思う様に食べられないと、栄養不足になり、フレイルや低体温症に繋がります。無理に食べれば、のどに詰まらせたり、誤嚥したりもします。少しでも力になりたいと思っています」と、「ニュートリー」の広報担当者は嚥下食の提供の理由を説明しました。
今回は能登半島地震で積極的に取り組まれている、嚥下食の提供について追います。
「ニュートリー」の嚥下食以外にも、愛知県の和食店が「口福膳」を提供
難病で嚥下の状態が悪い人、入れ歯を無くして、歯茎で食べている人…。今回の能登半島の被災地にも食の配慮が必要な人は多いと言われています。石川県輪島市にある福祉施設「ウミュードゥソラ」では、嚥下補助食品なども活用し、むせるのを予防するために軟らかくしたり、とろみをつけたり、それぞれに適した形状で食事を提供しています。この場所で福祉避難所を運営する看護師の女性は、「色んな食の支援ができるのも、支援物資を届けて下さる皆さんのお陰です」と感謝します。
2024年2月26日には、愛知県犬山市の和食店「関西」が、嚥下食の弁当「口福膳」50食を「ウミュードゥソラ」に差し入れて、高齢者らを喜ばせました。ステーキやウナギのかば焼きなどを、美味しさも見た目にもこだわって、嚥下障害の人も食べられる様に工夫したお弁当です。
石川県輪島市にある特別支援学校高等部2年生に通う男の子も自宅に「口福膳」を届けて貰い、母に身体を支えられながら味わいました。男の子は、紫外線を浴びられない難病を抱え、誤嚥のリスクもあります。被災した後はストレスのためか、嚥下の力が大幅に低下し、自分の唾液でも暫しむせる様になりました。
母は、食材を軟らかくしたり細かめに刻んだりして、普段よりも気遣って調理してきました。栄養補助食品は慣れないためか、男の子は食が進まなかったといい、「このお弁当は『自分のもの!』という感じで全部食べてくれました。気にかけて下さる人がいる、というだけで嬉しいです。パワーを頂けました」と述べました。
「能登半島の被災地にも嚥下障害があることで、食べたいものが食べられない人がいます。その様な人にも食の楽しみを届けたかったからです」と「関西」の小島健一社長はこう述べて、この「口福膳」は冷凍のまま発送できることから、今後も何らかの形で被災地へと提供したいといいます。
参考:【嚥下食で被災地支援】老舗の日本料理店がつくる やわらか和食「口福膳」を輪島市の高齢者福祉施設で無償提供します PR TIMES(2024年)
摂食嚥下リハビリテーションが専門の日本歯科大学の教授の男性は、嚥下障害は本人には重大な障害なのに、周囲の人からは気付かれづらいと危惧します。「被災した時には、ご本人、ご家族は我慢せず、障害に配慮した食品の提供を求めて頂きたいです。声を上げることで、食品メーカーなどから提供された支援物資が有効に使えます」と述べます。
その反面、被災した直後は多様な食べ物は避難所に届きづらく、「ご本人やご家族も災害に備え、予め嚥下障害に対応したレトルト食品などを準備しておくと良いでしょう」とも説明します。
「ニュートリー」も、その人の状態に適した食品を備えることが大事だとし、試した上で、食べた分だけ買い足して備蓄する、【ローリングストック】を提案しています。
このことは少し知っていた。
嚥下食に関しては少しだけ知っていました。2022年に[スナック 都ろ美]に関する記事を書いて、その時に嚥下食について初めて知って、そこから嚥下食のニュースを観ると、よく読んでいました。
この記事でも難病の男の子が出て来ましたが、私が先に読んでいたのは、2023年に兵庫県の兵庫中央病院でALSや筋ジストロフィーの方が久しぶりに嚥下食で、甘いスイーツを食べて、嬉しそうな笑顔を浮かべている写真を観ていました。
私も色んな基礎疾患がありますが、食べることは活力にもなって、「また明日から頑張ろう」と背中を押してくれる、大事な人間の行動です。
どんな状況であれ、ヒトは美味しいものを食べるだけで笑顔にもなれるし、元気にもなれる。食べることは、それだけのパワーがある。
そんな原点とも言える話を、この記事が教えてくれました。
参考サイト
noteでも書いています。よければ読んでください。
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