冬の災害での避難には、「低体温症」にも注意!ならない為にも持っておきたいものは?  

低体温症

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

令和6年能登半島地震で被災者の皆さん、そちらは雪が降っていたり、雪が止むと雨が降り、雪が固まり、地面が滑りやすくなっているとニュースで観ました。

1週間が経過しても、余震が続き、不安な夜を過ごされていると思います。

この記事では、冬の災害での避難で気を付けたい、「低体温症」についてお話したいと思っています。

「低体温症」にならない為に、予防できることなどを紹介したいと思いますので、読んで頂けると幸いです。

「低体温症」とは?

「低体温症」とは、体温が平熱をわずか1度程下回って、体温が35度を切った状態のことを指します。身体を発熱させたり、心臓を動かしたりする酵素が機能しなくなり、身体も頭も正常に動かなくなります。

ヒトは体温が35度に近付くと筋肉を震わせて熱を産み出そうとします。体温が33度を切ると一般の人では救命できません。33~35度は身体にとって死の世界です。

基礎代謝が低い小さな赤ちゃんや高齢者が、「低体温症」になりやすいとされています。呼びかけへの反応が鈍かったり、身体の震えが止まらなかったりする場合は「低体温症」の兆候が出現しているといいます。

危険なのは、衣服や身体が濡れることです。東日本大震災で津波による溺死とされた人も、大半の人が「低体温症」で亡くなったと言われています。夏でも扇風機に当たったままで寝てしまうと、身体の熱が奪われ亡くなる危険性もあります。

自治体の防災担当者などと寒冷地での避難生活の演習に長年励む、寒冷地防災学が専門の日本赤十字北海道看護大学の根本昌宏教授によりますと、軽度の「低体温症」は、歯がカチカチ震えるなどの兆候が出現します。

中等症では、眠り込むような状態に陥り、意識がもうろうとします。この段階に入ると、適切な医療を受けなければ「低体温症」は重症化し、命に関わります。

先述の根本教授は「軽症の間に自覚するか、周りの人が気付き、身体を温める必要があります」と述べます。暖房が効かない避難所では、衣類を着込んだり、周りの人と抱き合う様にして体温を上げる様に、温めたりするのも応急処置になると説明しています。

参考:避難所で高まる「低体温」のおそれ 重ね着や「雑魚寝」回避で対策を 朝日新聞アピタル(2024年)

「低体温症」を予防するには?

低体温症の9つの予防

①防寒の服を着用すること。

②重ね着できるよう厚手の肌着や靴下数枚と、コンパクトに折り畳めるダウンジャケットやタオル、毛布などを袋にまとめ、災害が発生しても、すぐ持ち出せる様に寝床に置いておくこと。

③乾いた衣類を重ね着すること。大事なのは体温を逃さないこと。首筋や顔にマフラーやタオルを巻き、手は軍手や手袋、足はタイツや靴下で覆います。

専門家は、「耳も冷たくならない様に耳当てをして下さい」と話します。

④上着の中に新聞紙などを詰めること。新聞紙やごみ袋、ラップも重宝します。新聞を身体に巻き、その上から丸めた新聞をごみ袋に詰めて足を入れたり、ラップを巻き付けたりすれば、十分な保温効果があります。

⑤使い捨てカイロ。1つずつ両手で持っていると身体が全体的に温められ、かなり体調が楽になるといいます。また、レトルト食品に使い捨てカイロを貼り付けて懐に入れ、身体と食品を一緒に温める使い方も応用できるといいます。

⑥身体を他の人と寄せ合うこと。

⑦マットレスやベッドなどを使用すること。床に直接寝ると、体温を急速に奪われてしまいます。避難所では「雑魚寝」にならない環境づくりに取り組むこと。

⑧温かい飲み物を口にすること。

⑨巻きスカートは、毛布やマットの代わりになり、着替えの目隠しにも使えるといいます。

参考サイト

冬場の“被災 防寒”備えを 寝床や車内 衣類など身近に 東京新聞(2020年)

低体温、血栓、感染症…冬の避難生活、今できる予防 能登半島地震 毎日新聞(2024年)

先述の根本教授は「簡易ベッドやマットレス、長椅子など今あるものを最大限活用し、なるべく床から離れた状態で休んで頂きたいです」とアドバイスをし、「段ボールベッドに加えて、安いもので十分に効果があるのでマットレスがあることが望ましいと思います。

ただでさえ災害発生時では不安で不眠になりやすい中、少しでも眠りやすく、身体を休められる環境づくりを整えることが大事です」と、説明しました。

その他、「低体温症」にならない為に、あると良いもの

お湯を沸かす為の熱源もあると便利です。危機管理学が専門の、愛知県立大学看護学部の清水宣明教授のオススメは、カセットコンロです。米やラーメン、パスタなどを作ることができます。アルコールランプ構造の「アルポット」という名前の製品もあります。「急に使うと失敗するので、事前に使い慣れておくことが必要です」。

低体温症を予防する為の非常食に関して、先述の清水教授は「お腹が減っても簡単には死にませんが、ためている脂肪などが燃え始めるまでに身体が冷えてしまうので、糖を取り込んで脂肪を燃やす必要があります」と言います。

チョコレートや飴など、ハイカロリーなお菓子などを普段から多めに購入しておくと、災害発生時の備蓄にもなります。

参考:冬の災害は「低体温症」に注意 マフラー、カイロ、ぬれたら着替えて 朝日新聞アピタル(2022年)

食べ物がある場合、温かいものではなかったとしても、少しでもカロリーを摂取することは、体温を維持して「低体温症」にならない為には欠かせない行動です。飲食を控えさせない為には、避難所のトイレの環境の維持にも気を配る必要があると懸念します。

寒冷地防災学が専門の、日本赤十字北海道看護大学の根本教授は「今回の能登半島地震では、物資がなかなか届けられないという困難さがありますが、避難所での生活環境を可能な限り改善することが、『低体温症』を始めとする避難に関わる疾患を予防することに結び付きます」と語ります。

今、心配なこと

2024年1月7日、朝SNSで「低体温症」の話が上がったので、記事を観てみると、石川県輪島市の避難所で、避難していた1人が「低体温症」で亡くなったと書かれていました。

それ以外でも、「低体温症」で、病院へ運ばれている方も多いといいます。

私が心配しているのは、2024年1月9日にニュースを観ていた時、避難所が一杯で入れなかったからと、野菜を育てるビニールハウスで何人も避難し、暖房器具を持ち寄ったり、段ボールや野菜を入れるカゴを敷いて、雑魚寝していると言っていました。

避難している人の中には寝たきりのお年寄りの方もいるそうです。

指定の避難所ではないので、物資はそちらには届きません。

インタビューに応じた高齢の男性も、「雪が降ったら、雪の重みでビニールハウスが倒壊するんじゃないかと心配している」とも話していました。

取材を受けたのがいつなのか分かりませんが、その取材では時には晴れか曇りだった天気も、今は北陸地方では雪や雨が降っています。

地震が起こる前から北陸地方は雪が降りやすく、車が道路で立ち往生するという話もよく聞きます。雪が降ることで、「低体温症」になる可能性もありますし、実際に出て来ています。

こちらで紹介したもの全てを今すぐ集めることは難しいかと思いますが、少しでも被災者の方にこの記事がお役に立てればと思い、綴らせて頂きました。

noteでも書いています。よければ読んでください。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も2交代制で担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。