この記事は約 5 分で読むことができます。
こんにちは、金次郎です。
去年9月に書いた「寝不足な日本人の睡眠時間」についての記事です。
睡眠不足な日本人-女性の4割は、1日6時間未満の睡眠-
あれから、約半年。
厚生労働省が「健康づくりのための新たな睡眠ガイド」で、年代別に健康的な睡眠時間を示しました。
寝不足気味な日本人の睡眠時間の改善ができるでしょうか?
年代別の最適な睡眠時間
「睡眠ガイド」のまとめに携わった有識者検討会の座長で日本睡眠学会理事長の内村直尚・久留米大学長(神経精神医学)は、「日本ではこれまで睡眠が軽視されてきた」と指摘します。
その上で、出来上がったガイドを見て「すばらしい内容のものができた。これをいかに一般国民の方に普及啓発するかが大切だ」と語ります。
厚生労働省が睡眠に関する目安を作るのは初めてではありません。
2014年に作られた「睡眠指針」では
「良い睡眠は、生活習慣病予防につながる」
として12ヶ条を掲げ、適切な睡眠時間の確保や質の改善を呼びかけました。
今回の「睡眠ガイド」では、新たに「お勧めする睡眠時間」を、世代別に細かく示したことが、いままでになかった大きな特徴です。
成人以外では、以下の様な感じです。
・1~2歳は 11~14時間
・3~5歳は 10~13時間
・小学生は 9~12時間
・中高生は 8~10時間
そして
・高齢者は、床上の時間が8時間以上にならないこと
と言う具合に年齢別に推奨睡眠時間を示しました。
また「睡眠ガイド」では
・睡眠で休養が取れている感覚「睡眠休養感」を高める事が大切
と説明しています。
そのためには
・寝室にスマートフォンやタブレットを持ち込まない
・できるだけ暗くして寝る
・就寝直前の夜食や眠るための飲酒は控える
と言っています。
参考:(毎日新聞)睡眠「成人は6時間以上」 新ガイドは日本人の眠りを変えられるか
睡眠不足によって、罹る病気
適切な睡眠時間には個人差がありますが、睡眠不足が慢性化すると、高血圧や糖尿病、肥満、心疾患、脳卒中といった、慢性疾患のリスク上昇と関連があるとされ、最悪死にいたる事もあります。
さらに、睡眠不足が長期間続きますと、考える力(思考力)だけではなく、物事を色々な視点から捉える水平思考力(ラテラルシンキング)も低下していきます。
思考力の低下だけでは無く、ストレスのレベルが上がり、気分に影響を及ぼしてしまい、不安障害やうつ症状の一因になることもあります。
参考:(共同通信)成人は睡眠6時間以上を推奨 健康づくりで厚労省ガイド
参考:(Lifehacker)恐るべき「睡眠不足の長期的な影響」とは?
予防・改善方法
大人は、各論①で書いた様に、寝るための環境作りや飲食制限を守れば熟睡できますが、子どもたちは、どうしたら良いでしょう?
子どもたちも、やることは同じ様なものですが、親が生活習慣を守るように躾けたり、寝室を居心地のよい空間に整えてあげる事で予防や眠りの改善ができます。
・寝る20~30分前の、行動ルールを決める
・休日だからと夜更かしさせず、平日と同じ時間に就寝・起床させる
・テレビは早め(理想は寝る2時間前)に消す
・寝る3時間前には、食事はすませる
・カフェインを含む食べ物や飲料は、就寝5~6時間前から控える
・就寝の2~3時間前までに入浴させる
・寝る前は、照明を「電球色(オレンジ色)」にする
・部屋の温度を、夏は25℃前後、冬は16〜19℃の範囲にする
参考:(Benesse たまひよ)成長への影響大!増える子どもの睡眠不足・睡眠障害に注目。予防・改善方法を専門医が解説
診療科目名「睡眠科」を、認めてほしい
東京慈恵会医科大葛飾医療センター精神神経科の山寺亘教授は
「眠りに困っている人々が、どこの診療科に行けば良いか?すごく迷ってしまうことが問題だ」と言います。
・不眠症やナルコレプシー(過眠症)の患者は、精神科
・睡眠時無呼吸症候群の患者は、呼吸器内科や耳鼻科
を受診することが多いと思います。
現在、日本には睡眠専門の医師は、全国に約600人しかいません。
専門の医療機関は約100ヶ所ほど有りますが、ほとんどが大都市に偏っています。
その専門医が、近くにいたとしても、現状は医院の看板などに「睡眠科」と掲げられないので、受診先を探しにくいという課題もあります。
診療科の名称に関するルールは、患者が病状にあった医療機関を選べる様に医療法の施行令で細かく定められていますが、今は未だ「睡眠科」と言う科目名は認められていません。
終わりに
私は、最初のパニック発作を起こして入院した時から「睡眠導入剤」を処方されて、寝ています。
でも、薬の力だけに頼るのではなく、また薬の効果を最大限得られる様に、外出時は万歩計を着けて行動しています。
この「睡眠導入剤」は一度服用してしまうと、今度は薬無しでは中々連続した眠りに着けなくなってしまう様で、止めるのが難しい薬です。
今通院している精神科でも、新型肺炎流行時の行動制限中は、日中あまり出歩けなくなり運動量が減った人たちが「眠れなくなった」と言う人たちであふれかえっていました。
日中は、身体を動かし疲れさせて、夜は眠気が来るようにする。
また、高齢者も動くのが不自由だからと言っていつまでも寝ていない。
「規則正しい生活で、起きたら身体を動かして疲労させて自然な眠気を誘う」
これが、長生きのコツだと思いますよ。
→HOME
コメントを残す