大人になって気づく「ADHD」も有る ー本人の意識と、周りの人の接し方ー

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こんにちは、金次郎です。

 ADHD(Attention-Defici/Hyperactivity Disorder)とは

・集中力がない
・落ち着きがない
・順番待ちができない

などの行動特性を中心とした「発達障害」でして、「注意欠如・多動性障害」と言われる事もあります。
 ADHDの症状は7歳までに明らかになり、幼稚園などでの学校生活で症状の特性による行動が確認されます。ADHDに関連した上記症状は、短期間では消えないので、勉強や友人関係の構築に困難をきわめる事があります。
 ADHDの症状は、学生時代や成人になっても持続する事が多いと言われています。
 最近では大人になってから「もしかして、自分はADHDなんじゃ無いか?」と気付くケースが増えているそうです

「ADHD」になる原因

 子供がADHDになってしまう原因については、2020年時点でも明らかになっていません。
 ただ、子供がADHDになってしまうと疑われている関連要因には

・何らかの遺伝的な要素
・妊娠期間中における、喫煙やアルコールの摂取
・ある種の化学物質
・分娩前後で生じた脳への障害 などがあります。

 脳の機能が正常に働く為には、さまざまな物質が脳内で適切に働く必要があります。
 ADHDでは、脳内の物質のうちドーパミンやノルアドレナリンの機能が低下しているが報告されています。
 「ドーパミンの働き方に関連する遺伝子の異常などが、ADHDの要因ではないか?」と言う仮説も、現在は有ります。
 しかし、その様な仮説によっても「ADHDになる原因の全てが説明できるか?」は、明らかになっていません。

参考:(MedicalNote)ADHD(注意欠如・多動症)

大人になって気づく症状

 大人のADHDは、次の3つの型が有ります

1.不注意優勢型

  ・ケアレスミスが多い
  ・約束を忘れてしまう
  ・物をよく失くす

と言う様な、不注意を起因とした症状が現れるタイプです。

 これらのミスは、ADHDではない人でも起こすと思いますが、ADHDではこの様なミスが年齢に対して不相応に多発し、日常生活や社会生活に支障をきたします。
 これらの事は、決して本人のやる気が無いとか怠けているという訳ではなく、脳の機能発達の偏りから起こるものです。

2.多動・衝動性優勢型

  ・じっとしている事ができない
  ・失言をしてしまう
など、多動性や衝動性から起こる症状が現れるタイプです。

 ADHDの多動性と言うと、「じっと椅子に座っていられない」と言うイメージがありますが、大人のADHDでは、離席してしまうほどじっとできない方は多くありません。

大人のADHDで多動性が現れる場合は
・何となくそわそわしている
・体を小刻みに揺らす
といった形で現れることが多いです。

3.混合型

1番目の不注意と、2番目の多動・衝動性が、同し程度に目立つタイプです。

以上3つの型のうちで、大人のADHDは、1番目の不注意優勢型の方が多いす。

 しかし、これらの症状は
 ・多動性が「高い活動力」
 ・衝動性が「優れた決断力や発想力」
 として評価される事も有りますので、一概に「悪いもの」と決めつける事はできません
 

「大人のADHDの方」との接し方

 では、その様な方の周りの人は、どの様に接すれば良いでしょうか?
 大切にしたいのは

・「現在のその人の、ADHDの状態を、そのまま受け入れる」と言う心構えで接して下さい。 

 大人のADHDの特性は、もって生まれたものですから、育児方法や本人の考え方ではありません。
 ですので、例えば仕事でのケアレスミスを責め立てたりすると、本人が自己否定してしまい、うつ病などの精神的な二次障害を引き起こしかねません。

 職場での、仕事の進め方も、自己のこだわりを示す事がありますが、その方法で成果がキチンと出ていて危険が無いのなら、そのままにしてあげるのも一つです。
 仕事の進め方が危険だったり、緊急性が高く仕事の進め方を変えて欲しい場合は、声をかけてあげましょう。
 その時に気を付ける事は

・大声で命令したり、威圧的な態度で会話しないと言う事です。

 また、ADHDの人の仕事が進んでいなかったり、進め方が分からず困っている様な場合には、「仕事の進め方で、何か困っている事が有るかな?」と優しく声をかけてみましょう。
 もし、困っている様であれば、その内容に応じて、解決方法を教えてあげるのが望ましいでしょう。
 そしてその時は、抽象的な表現はせず具体的な言葉や例を出して教える様に心掛けましょう。

 ・ADHDの人は、抽象的な指示を理解する事が苦手と言う事を理解していて下さい。

 この様に、大人のADHDの方でも、周囲のサポートによっては、十分仕事上の成果を上げる事が可能です。
 そのためには、周囲(職場の上司や同僚)の理解が必要です。
 大人のADHDを持つ人の特性を理解し、それに合った方法で接する様に心がけましょう。

参考:(Yahooニュース)【大人のADHDの人との接し方】を現役プロ心理カウンセラーが、わかりやすくお教えします。 

終わりに 

 ケアレスミスや約束を忘れてたと言うのは、ADHDの方で無くても、誰でも普通にしてしまう失敗事です。
 ただ、それが頻繁に起こり仕事にも支障が出て来るとなると、ADHDを疑っても良いかも知れません。
 社会人ですと、商談でお金が動く場合は、会社の資金やお客様の損失にもなってしまうからです。
 また、社員にこの様な失敗をくり返す人がいるとなると、上司や仲間もADHDの勉強をしておいて、どう付き合えば良いかを知って頂く事が大切ですね。

 「仕事で、チョコチョコとミスをする、あなたはクビです」
 は、ちょっと待って下さいね。
 ミスは多いかも知れませんが、決断力や発想力で凄いパワーを持っていたりしますから、そう言う点を活かせる仕事をしてもらいましょうよ。

参考:(Yahooニュース)【大人のADHD(注意欠如・多動症)の特徴】を現役プロ心理カウンセラーが解説します。

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以下は、キズキビジネスカレッジ(KBC)さんという、うつや発達障害等で離職した方へ向けて就労移行支援事業所を運営しておられる方々の、ADHDに関するコラムです。

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キズキビジネスカレッジ(KBC)さんは、「何度でもやり直せる社会」を実現することを目指し、福祉×ビジネスの理念のもと、日々活動しています。
うつや障害などがある方の「もう一度働きたい」に応えられるよう、「福祉の常識」にとらわれず、さまざまな可能性を信じて、就職支援をされています。

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