薬不足が深刻化している日本-コロナに加えて製薬会社の不正も原因-

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こんにちは、金次郎です。

　TANOSHIKAに入社して、ライターとして記事を書き始めた頃に、ジェネリック医薬品の事を書きました。

ゾロ薬の意味知ってますか？

　先行医薬品の特許保有期間が終了した後に、色々なジェネリック医薬品製造会社が、同じ様な商品名と成分で作って、安い価格でゾロゾロと市場に出して来る事から、お医者さんの間ではジェネリック医薬品の事を「ゾロ薬」と呼んでいると言う事を書きました。

　今では、結構品質も良くなってきていますから、高い先行医薬品よりも安価なジェネリック医薬品を処方するお医者さんが増えています。
　しかし、現在日本では、そのジェネリック医薬品が不足しているそうです。

深刻な薬不足

　東京・中野区にある調剤薬局では、約1200種類の薬を置いている調剤室の棚のあちこちに「出荷調整」の紙が貼られています。
　薬剤師さんによると「喉の痛み止め薬が、もう2人分ぐらいしかない状態でして、お薬の発注をしても、納品まで1週間から2週間もかかってしまいます。」と言います。
　この調剤薬局では、約1年前から200種類ほどの薬が、予定通りに入荷出来ない状況が続いているそうです。

　これは、2020年末に発覚したジェネリック医薬品メーカー「小林化工」による製造工程での不祥事を機に、ほかのメーカーでも次々と製造工程での問題が発覚しました。

　追い打ちをかける様に、新型肺炎の解熱鎮痛剤「カロナール」の需要が高まり、医薬品製造メーカー各社が他の薬の出荷調整を相次いで行った為です。
　これ以外にも、物価高の影響で採算がとれなくなった薬の価格を引き上げたのもあります。

参考：（TBS　NEWSDIG）深刻な“薬不足”「200種類も出荷調整」来月から1100品目の薬価引き上げで買い占めの懸念も

医薬品メーカーの不祥事とは？

　一番最初に見つかった不祥事は、先に書いた「小林化工」ですが、水虫の治療薬に睡眠導入剤の成分が混入しており、全国で240人以上に健康被害が出たのを始め、国が承認していない工程で長年薬を製造していた事などを隠し続けていた事も明らかになりました。
　この事から、全国の都道府県が事前通告なしで立ち入り調査を行うなど査察が強化され、メーカー自身による自主点検も行われました。
　そうしたところ、色々なメーカーで製造工程の問題が見つかり、業務停止命令や業務改善命令などの行政処分が出される事になり、多くの医薬品の出荷が相次いで止まりました。
　最初の「小林加工」の問題発覚以降、現時点で処分を受けているのは14社に上ります。

参考：（厚生労働省）医薬品の安定供給に関する最近の状況（pdfファイル）
　　※表紙を含め8ページ目に、行政処分を受けた医薬品会社の一覧があります。

薬不足は、いつ頃解消されるか？

　医薬品の問題に詳しい神奈川県立保健福祉大学大学院の坂巻弘之教授はこう語ります。
　「処分を受けた製薬会社の製造手順などを改善するために、今後は国なども協力しなければならないでしょう。
　日本の製薬会社の製造能力も考慮に入れると、後2年か長ければ3年くらいかかるのではないでしょうか？」

　これは、今回処分を受けなかったジェネリック医薬品メーカーの東和薬品の吉田逸郎社長も同じ考えです。
　「新たに、不正が明らかになる企業が出てこないという前提で、あと2年だろうと思いますが、場合によっては3年ぐらいかかるのではないかな。
　事態の収束が見えるのは、業界全体で増産体制が整う時でしょうが、他社の計画を含めても、完全な稼働は2025年頃ではないでしょうか？」

参考：（NHK）いつもの薬がない…なぜ？いつまで続く？ジェネリック供給不足

参考：（東洋経済ONLINE）｢ジェネリック薬不足｣が2年以上は続く根本理由

終わりに

　私が福岡に戻り、パニック発作が酷くなり電車に乗って通院していた病院まで行けなくなった時、隣市の病院に転院しました。
　しかし、その病院で処方されたお薬が全部ジェネリック医薬品でして、あの当時の私はジェネリック医薬品に対しては不信感だらけでしたので、逆に体調を崩してしまいました。
　それで家の近くに新しくできたクリニックに「ジェネリック医薬品ではなく、先行医薬品を処方できますか？」と尋ねて「できます」と言われたので、再転院した過去が有ります。

　今はもう、ジェネリック医薬品でも慣れましたので、処方もジェネリック医薬品を含む薬をもらっています。
　あの当時、お医者さんが持つ「治療薬マニュアル」と言う1冊5000円もする本を買って「この薬は先行医薬品？それともジェネリック医薬品？」なんて調べていました。
　今はネットで簡単に調べられますが、その本は今でも記念に取っており、「お薬も人によって合う合わないが有るものなぁ～」なんて思いながら本棚を見ています。　