この記事は約 4 分で読むことができます。
こんにちは、翼祈(たすき)です。
対面朗読とは、視覚に障害を抱える人や活字による読書に支障のある人を対象に、図書館で養成した読み手(対面朗読者)が、「目の代わり」となり、利用者が希望する本や資料を直接読むサービスのことです。点字や録音図書にない本や資料も読んで頂けます。
原則的には図書館にあるものを、対面朗読者が直接読みます。読み聞かせのように大勢の人の前で読むのではなく、利用者1名に対し、対面朗読者は1名となります。対面朗読の便利なポイントは、新しい情報を瞬時に対面朗読者が読んで、新鮮な情報を利用者が得られることです。
また、利用者にとって必要な部分だけを切り取ってゆっくり繰り返しながら読み、分からないことをその場で確かめながら、辞書などを使用しながら検索したりなど、利用者の都合に合わせた読み方が求められます。
今回はコロナ禍でオンライン化した、対面朗読について迫ります。
対面朗読の始まり
はじまりは目の不自由な人たちが「図書館にある本を一般の人たちと同じように読みたい」という声の高まりです。昭和45年に東京の日比谷図書館で始められ、その後、全国の図書館などに広まりました。
対面朗読者が読む資料は色んなものがあります。例を挙げると、新聞記事や音訳されていない本、電化製品の取扱説明書、会報誌、ギターの楽譜、地図、英会話のテキスト、宅配のカタログなどでとなります。
対面朗読者は初めて閲覧する資料に関しても、ただ視覚に障害を抱える人の「目の代わり」として読むわけではありません。利用者との会話や反応を通して、何を知りたいのかを瞬時に理解し、要所を押さえて、表現を工夫を凝らして読み込みます。2時間という限られた時間の中で、少しでも沢山の情報が利用者に正確に伝わる様に、効率よく読むことも大切な取り組みです。
対面朗読を取り入れている図書館in京都府
京都府京都市中京区にある京都市中央図書館は、視覚に障害を抱える人や身体に障害を抱える人向けの対面朗読サービスに、新しくオンライン対面朗読を始めました。
対面朗読は京都府では1981年度からスタートし、対面朗読ボランティアが館内にある資料の読み聞かせを行います。2022年現在では、中央図書館を含め10館で対面朗読を実施しています。
新型コロナ感染拡大の影響は大きく、対面朗読室の使用中止や図書館自体の閉館が続いてしまいました。さらに多くの人が外出を控え、対面朗読の利用者は減りました。コロナ禍で一時、図書館の利用を休止した時に、利用者から「オンラインで自宅から対面朗読を受けられる様にできないか?読書機会を確保して貰いたい」との声があり、オンライン化の準備を進めてきました。
対面朗読オンラインサービスはビデオ会議システム「ZOOM」を使って、対面朗読ボランティアが中央図書館から自宅にいる利用者に音声と画像を届けてます。京都府中央図書館の担当者は「図書館が自宅から遠い人や『密』を不安に感じる人は気軽に利用して貰いたい」と呼びかけました。
参考:【2022年1月から京都市図書館が「オンラインによる対面朗読サービス」を開始/京都ろーかるニュース】 すろ〜かるニュース京都
対面朗読の利用者の声と課題
対面朗読はその名の通り、視覚に障害を抱える人とボランティアが直接向き合うものです。
オンラインで対面朗読を利用した人からは「読書をするというよりも、チラシや商品パッケージに書いてあるちょっとしたメモを読むのが、視覚に障害を負う前から好きでした。あの頃と違いスマホのカメラで撮影して読むアプリもありますが、まだきっちりとスマホアプリでは読んでくれないものを、オンライン対面朗読で気軽に読んで頂けるのが嬉しいです」と言います。
その反面、対面朗読を利用する立場から課題に関しては「予め本や資料を点字図書館に送ることが必要で、ZOOMなどのオンラインの準備がまだまだ厳しいことがあります。対面朗読をして頂いている途中で、ZOOMの動作が上手くいかなくなったらどうしようか、といつも感じます」とも話していました。
対面朗読は1朗読につき、2時間までと、どこの図書館でもおよそそんな感じでした。このサービスは私自身も知らないものでした。この記事を通して広がってくれたら嬉しいです。
noteでも書いています。よければ読んでください。
コメントを残す