『はざまに生きる、春』。〜発達障害の画家と、雑誌編集の励まし合いが織りなす映画〜 

はざまに生きる、春

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

私は最近発達障害の人が出て来るエンタメの記事を幾つか書いて来ました。当事者として不思議な気持ちだと別の記事では書きましたが、少しでも発達障害の理解が進めばいいなと思い、その作品についても、ここで発信して届けたいと思っています。

最近はドラマ作品の記事が続いていましたが、2023年5月には発達障害の人を主人公にした映画が公開されます。

2020年に行った“映画をつくりたい人”を募集したプロジェクト「感動シネマアワード」の大賞を受賞した作品で、俳優の宮沢氷魚さんが主演を果たす『はざまに生きる、春』が2023年5月26日(金)に公開されます。本予告編とポスタービジュアルも公開されました。

今回公開されたのは、男女が恋に落ちる瞬間を描いた予告編です。取材で出会い、いつの日か恋心に変化した様が垣間見れます。そしてポスタービジュアルも、春らしい満開の桜の前に立つ2人の恋が始まる時が切り取られました。

今回はこの映画についてと、私が気になっている発達障害について取り上げた書籍をお伝えしたいと思っています。

あらすじ

出版社で雑誌編集者として働く小向春(小西桜子)は、仕事も恋もうまくいかない日々を送っていた。ある日春は、取材で「青い絵しか描かない」ことで有名な画家・屋内透(宮沢氷魚)と出会う。思ったことをストレートに口にし、感情を隠すことなく嘘がつけない屋内に、戸惑いながらも惹かれていく。

屋内が持つその純粋さは、発達障がいの特性でもあった。ただ、人の顔色をみて、ずっと空気ばかり読んできた春にとって、そんな屋内の姿がとても新鮮で魅力的に映る。周囲が心配する中、恋人に怪しまれながらも、屋内にどんどん気持ちが傾いていく春だったが、「誰かの気持ちを汲み取る」ということができない屋内にふりまわされ、思い悩む。様々な “はざま”で揺れる春は、初めて自分の心に正直に決断する――。

画像・引用:宮沢氷魚「ようやく皆さんにお届けできる」主演映画『はざまに生きる、春』5月26日公開 cinemacafe.net(2023年)

予告編も公開中

 

ここからは発達障害をテーマに取り上げ、多くの共感を集めている書籍についてご紹介します。

SB新書【発達障害という才能】

精神科医である岩波明氏が綴った発達障害の本があります。このことを耳にすると発達障害の特徴や治療に関連する紹介本なのか?と、想像するかもしれませんね。ですが、本書のメーンテーマはそこではないです。発達障害を抱える人たちが心の中に秘めた「文化や社会を圧倒的に変換させる力」を受容し活かそう、と世界に発信する意欲作です。

発達障害であっても色んな特性がありますが、本書のメーンテーマは、「特定の物事に対するこだわり」「対人関係でつまずく」ことが特徴のASDと「落ち着きのなさ、多動性」ことが特徴のADHDです。

ですが、本書でASDとADHDの障害の解説は数ページしか紹介されていません。他のページではアートやビジネスの世界で名を轟かせる人物が沢山登場し、それぞれが抱える発達障害の特性とその特性をどう創作や仕事に活かしたのかが綴られています。たとえばオードリー・タン、イーロン・マスクはASD、モーツァルト、エジソン、ニトリ創業者、ピカソはADHD。ダ・ヴィンチに関しては両方の特性を持っていたとされます。

ただし、と岩波氏は前置きします。彼らが自身の持つ特性を社会的成功として開花したのは、「制約のない活躍できる場所で働いていること」と「周りの人に当事者の能力を見抜いて適切な支援ができる人がいること」が必要だということです。その上で岩波氏は、日本の発達障害の当事者への対応は「その真逆」だと言い、才能溢れる個人を育て上げようとしなくて、伝統や世間体の「同調圧力」に従わせようとする傾向が根強くあると危惧しています。この様な不寛容さは発達障害を抱える人たちの特性だけではなく、全人類を萎縮させ生きづらくさせています。

そう、発達障害を抱える人たちがその特性を活かし、評価されて色んなシーンで戦力とされる社会は、それ以外の人たちにとってもストレスフリーなシーンであるはずです。その特性に合わず外れた人が屈せず、その大きなエネルギーである発想力や集中力を存分に活かせる社会にしたいものです。沢山の臨床経験の経験を重ねた精神科医の岩波氏の前向きなアドバイスは、発達障害を抱える当事者やその家族以外にも、社会全体に希望が差し込む道しるべとなることでしょう。

参考:発達障害という才能 岩波明著 東京新聞(2022年)

1冊990円で販売されています。

最近好きになった言葉。

どちらも以前書いた発達障害の記事で知った言葉ですが、発達障害のことを「才能はみだしっ子」とか、「凸凹」というみたいです。確かに同じ特性の人はいないですし、その言葉は適切だと思います。

私も1ヵ所目のA型に就職したものの、「今まで発達障害の人が入社した事がないから、どう対応して良いか分からない」と後から言われて、そのままパワハラなど、辛い経験もしました。

2ヵ所目のA型も、その凸凹にはまった同じ発達障害の人は才能を伸ばし続け、凸凹がはまらなかった私は伸び悩み、ずっと落ちこぼれのままでした。

本当に発達障害って、自分に適している仕事を見つけるのは凄く難しい事です。私はライターになってから、色んな誕生日占いやオーラ診断とか心理テストをしていたら、どこで占っても、「ライターなどパソコンの仕事が適している」と書いてあって、凄く驚いたのを覚えています。

この映画の主人公は画家が適している職業だったんでしょうね。今は好きな事を仕事にできていると感じて嬉しいですし、どんな人でも自分に合っている仕事に就くためには時間がかかりますが、それがさらに難しい発達障害の人にも、自分の特性に合った仕事が見つかることを願っていますー。

参考サイト

noteでも書いています。よければ読んでください。

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ABOUTこの記事をかいた人

左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も2交代制で担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。