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こんにちは、翼祈(たすき)です。
本当に発達障害をテーマにしたエンタメが増えて来ましたね。当事者としては不思議な気分です。そんな中で2023年4月に、発達障害をテーマとしたドラマが放送される運びとなりました。
俳優の瀬戸康史さんが主演に、共演に上野樹里さんを迎えるスペシャルドラマ『私小説 -発達障がいのボクが純愛小説家になれた理由-』が【前編】は2023年4月7日(金)23時15分~、【後編】は2023年4月8日(土)23時~に放送決定しました。不滅の夫婦の純愛ストーリーを描きます。
本ドラマの語り手となるのは、主演の瀬戸さんが体現する伊佐山ジンです。そして、上野さんが体現する彼の妻・優美ももう1人の語り手です。人一倍繊細なために、無作為に人たちから浴びせられた悪意に耐えきれず、衝動的に心身の状態が乱れてしまうジン。そんな彼が心から愛する人で、また彼女自身も大きな愛から一歩引いた俯瞰の目で夫を支える妻。
今回はこのドラマについてと、このドラマの主人公のモデルである、発達障害を抱える市川拓司氏の事が特集された記事についてご紹介します。
あらすじ
発達障がいを抱え、社会生活で数々の困難に直面しながらも、この傾いた個性があったからこそ強くなり、小説家になれたという市川さん。彼が様々な苦難を乗り越えていく上で、絶対になくてはならない存在が、高校時代に出会って以来、ずっと支え続けてくれた妻。今回は、市川さん夫婦が実際に育んできた愛のかたちを基に、夫婦の純愛物語を描く。
画像・引用:瀬戸康史×上野樹里が夫婦役で共演! 岡田惠和脚本2夜連続SPドラマ「私小説」放送 cinemacafe.net(2023年)
ここからはこのドラマのモデルとなっている、市川拓司氏ってどんな人なの?という特集をしている記事についてご紹介します。
『私小説』の主人公のモデル、市川拓司氏ってどんな人?
ベストセラーの恋愛ファンタジー小説[いま、会いにゆきます]の原作者で作家の市川拓司氏。
正式な診断を受けたわけではありませんが、市川氏は小さい頃からこうした複数の要素に悩まされていて、発達障害の多くの特徴に該当すると医師から言われています。
そんな市川氏が、どのように日々の暮らしを営んできたのでしょうか?
市川氏が抱えた発達障害の特徴は、特定の物へのこだわりが強い傾向のあるなどの症状や、人とのコミュニケーションを取ることが苦手な「ASD」、集中できない・多動性のあるなどの症状「ADHD」、書き・読み・計算が極端に不得意といった特徴がある「限局性学習症」などがあります。
とにかくじっとしてられない子だったという市川氏ですが、発達障害の特性はそれだけではなかったといいます。勉強が本格的に難しくなる中学時代には、暗記することが不得意なことで、学力が急激に下がりました。
ですが、想像力が豊かだったことで、国語の授業中に原稿用紙20枚のストーリーを書き上げ、先生に評価された一面も合わせ持ちました。さらにそれ以外にも、頭の中に浮かび上がった世界観を自分の手で表現して文章化することに長けていました。
その溢れんばかりの想像力を作家という職業に活かしているという市川氏。小説を執筆する際は、最初にストーリーのラストが情景として頭に浮かび上がります。頭の中に浮かび上がったシーンをさも映画を撮影するかのごとくカメラアングルを置き、音楽を流しながら、市川氏が小説の登場人物に成り切って演じた上で、小説を書き上げます。
現在、市川氏は発達障害の認知を浸透させるべく、日本各地で講演会を開催しています。そうした講演会に秘めた想いとは?
「一般的に持つ発達障害のイメージは、『様々な問題を抱えている』『上手に物事ができない』という否定的なイメージが多くあると思います。ですが、その反対側には僕のように、それを強力な武器にして世界を主な舞台として活動できる人もいらっしゃいます。そういう明るいサンプルとして、皆さんの前に自分の姿をお見せられれば良い。という想いでいます」
と語っています。
参考:【あの人の健康法】作家・市川拓司 発達障害の特徴を抱えながら生きる方法とは? NHK 健康ch(2021年)
市川氏と親交のある人のコメント
市川氏と親交を持つ専門家の上野一彦氏は、発達障害の人が持つ突出した能力が生きる上での源に直結するといいます。
「発達障害を持つ人たちは、様々なシーンで優れているわけではなくても、彼らを特徴づける最も大事なポイントは、潜在能力に得意不得意があって、凸凹しているということです。潜在能力が凸凹している中で、突出したパーツが生きる上での源に結び付いた時に初めて良い成果が発揮される、ということです。市川氏のケースでは、豊かな想像力を活かし、その潜在能力が作家という道が結びついたというケースなのです。」
と説明しています。
私も凸凹していますけど、30代になってようやくその凸凹がピースにはまったライターという仕事に就けて、幸せ一杯で仕事をしています。色んな事が手探りで生きて来ましたが、適職ってなかなか見つからないから、それが見つかった時に適職っていうのだと思います。今発達障害の方は多いですし、何回も書きましたが、何か1つでもいいから夢中になれるものを探して欲しいー、ただそれだけです。
noteでも書いています。よければ読んでください。
興味深い情報を有難うございます。
堀田哲一郎様。
記事をお読み頂きありがとうございました。
ドラマの前後編を観て、次のように思いました。
作家になる夢をもって仕事をしない男性をひたすら経済的に支える女性は、先頃放映された『星降る夜に』の鈴の勤めるクリニックの看護師である麻里奈もそうでした。幸いこれらの両者は、作家として成功し、共に女性に暴力を振るうような男性でなかったのも幸いでした。『サイレント』では、作家にはならなかったけれど、主演の二人の関係も似ています。そして、かつて演歌『浪花恋しぐれ』で歌い込まれたような共依存関係からは免れていると言って良いでしょう。発達障がい者の夫婦関係を描いた『僕の大好きな妻!』とは、主人公の性向がまるで違うけれど、パートナーを心から理解していこうという姿勢では共通していると言えるでしょう。上野樹里氏の最近出演したドラマでの類似したイメージの役柄としては、突然変異で妊娠した男性のパートナーを演じた『ヒヤマケンタロウの妊娠』や、父とともにダブル婚活する複雑な心情のヨガインストラクターの女性を演じた『持続可能な恋ですか?』ともだぶるところがあります。私自身のジンとの共感性を言うとすれば、学生時代に一度は交際を申し込んだ女性に、就職してから仕事で上手くいかないことの泣き言ばかり言ってしまって疎まれるようになり、それでも懇願して会ってもらえたけれど、ジンのように強い思いを言えなかったために潰えた恋の苦い思い出があります。市川氏の参考文献は未読ですが、市川氏自身が発達障がいゆえに素直に妻への思いを綴った作品の中身に共感する読者が多いのではないのかな、と推測されます。