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フランス、緊急避妊薬を無償化へ
先日、このようなニュースが耳に入ってきました。
フランスのブロン保健相は、望まぬ妊娠から女性を守る対策を強化するため、性交直後の服用で妊娠を防ぐ「緊急避妊薬(アフターピル)」を、薬局で全ての女性が年齢を問わず、医師の処方箋なしで無料で手に入れることができるようにすると明らかにしました。
現在は、26歳未満は処方箋があれば、未成年は処方箋なしで、いずれも無料で入手できるそうですが、ブロン氏は「緊急避妊薬は性交から24時間以内の使用が最も効果が高く、アクセスの困難を取り除かなければならない」と述べました。
また、「アメリカの連邦最高裁が、今年6月に中絶を選ぶ権利を女性に認めた判例を覆したこと」にも触れ、「自分の身体に関する自己決定という女性の本質的な権利は尊重されなければいけない」とも発言しています。
日本の中絶事情
現在の日本では、人工妊娠中絶をする際は、原則的に配偶者の同意が求められます。
しかし実際には、妊娠の相手が配偶者でなくても、同意を求められるケースも少なくありません。
女性自身では、自己決定できないことで中絶を断念したり、男性の気が変わって手術が中断されたり、更なる負担を強いられる女性がいることが明らかになっています。
そして、アフターピルにいたっては、日本で手に入れるには、産婦人科などを受診して、医師の診察を受けなくてはなりません。
性暴力を受けたら
望まない妊娠の中には、避妊の失敗や性暴力などの犯罪行為があります。
例えば、身近な人が、自分自身が性暴力を受けた場合、どうすればいいのでしょうか?
9月10日、内閣府は「性暴力に関するSNS相談支援促進調査研究事業」の公式Twitter(@curetime1)で、「性暴力にあったと友達から相談された場合」の適切な対応をイラストで紹介しました。
友達から性暴力にあったと相談されたらどうしたら良いかご存じですか?
— curetime (@curetime1) September 10, 2022
まずは、否定したりせず、ゆっくり相手の話を聞いて、なるべく早く専門機関への相談ができるように寄り添ってあげてくださいね。#性暴力被害者支援 pic.twitter.com/zWII1ji0K7
「衣服」と「身体」を洗わないこと
実際に、性被害にあったてしまった際は、すぐに身体を洗いたいと思う人がほとんどかもしれません。
しかし、警察への被害届を出す際などに、証拠を採取するため以下2つのことが重要になります。
- 被害に遭った時の衣服を洗わないこと。
- 身体を洗わないでおくこと。
また、薬物などの使用が疑われる場合は、血液検査や尿検査をしておく必要もあります。
そして、できるだけ早く警察やワンストップセンターに相談することが大切になってきます。
被害にあったその時は、冷静な判断ができないと思います。
そんな時のために、相談窓口があることを頭の片隅でもいいので覚えておいてください。
緊急避妊のためのアフターピルは、72時間以内に服用する必要があります。
相談窓口一覧
ワンストップセンター、性犯罪・性暴力に関する相談窓口の全国共通短縮番号
#8891
警察庁の性犯罪被害相談電話全国共通番号
#8103
内閣府「性暴力に関するSNS相談支援促進調査研究事業」 Curetime(https://curetime.jp/)
相談時間:24時間365日(17〜21時はチャット、それ以外の時間はメールにて相談が可能です)
これらの相談機関は、性暴力専門の相談員が電話対応しており、本人の意思や状況に応じてどのような対応や支援が必要かを考え、警察への同伴もなどの支援もしています。
※チャットのみですが、外国語での相談を受け付けています。
被害にあった方へ、被害を相談された方へ
被害にあった直後は、混乱していると思いますが、被害直後のメモや、家族や友人に相談するメッセージが記録として後々に役立つ場合があります。
どんなことがあったのか、そのときに何を感じたのか、可能であれば残しておくようにしましょう。
そして、もし身近な人から「性暴力の被害」について相談された場合、決して相手を否定するような言葉はかけてはいけません。
「そういうことよくあるよね、忘れた方がいいいよ」「あなたにも隙があったのでは?」などと、否定する言葉はさらに被害者を傷つけてしまう場合があります。
そして、相手の言葉を決して否定せず、「それは大変なことだったね」「話してくれてありがとう」「あなたは悪くない」ということを伝えましょう。
話の主導権を取ろうとせず、相手がどう感じているのか、これからどうしたいのかをよく聞くことが大切です。
被害から時間が経っている場合は?
大人になってから、子どもの頃に被害に遭ったことを思い出した場合など、被害から数年、あるいは数十年経ってから「あれは性被害だったのでは」と気づいたり、時間が経っても回復しない心の不調に気づいたりする場合もあります。
しかし、日本では過去の性被害相談に対応する窓口はまだ少なく、ワンストップ支援センターや各地にある犯罪被害者支援センターは、基本的に急性期(被害直後など、被害に遭ってから間もない時期)の対応に特化しています。
そんな中でも、内閣府が行う性暴力に関する相談窓口「Cure Time(キュアタイム)」は、時間が経っている被害の相談を受けることができます。SNSでの相談にも対応しているほか、外国語(10言語)での相談も受け付けています。
最後に~被害にあった方へメッセージ~
性暴力にあってしまった方へ
あなたは決して悪くない。悪いのは犯罪者であり、加害者である相手なのです。
決して、自分を責めないでください。
私から送れるメッセージは、これだけしか言えませんが、被害者であるあなたに少しでも届けば幸いです。
参考サイト
「私たちの体は夫のものではない」中絶めぐる状況の改善、団体がイベントで訴え | ハフポスト NEWS
仏、緊急避妊薬を無料に 年齢問わず処方箋なしで(共同通信) – Yahoo!ニュース
「緊急避妊薬」薬局での販売どうなる?本格的な議論開始 | NHK
「性暴力を受けた」と相談された。私たちはどんな対応をすれば良いの?【イラスト】 | ハフポスト NEWS
性被害に遭ったら、どうすればいい?(Yahoo!ニュース オリジナル THE PAGE)
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