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こんにちは、翼祈(たすき)です。
インクルーシブデザインのアパレル&コミュニティブランド「Ouca」は、“もう誰も間違えない、目を閉じていても履くことの出来る靴下「minamo」(ミナモ)”を開発しました。
代表の女性は、「『minamo』は視覚に障害を抱える人の意見を聞いて製造しました。 左右の色を間違えたり表裏逆に履いてしまったり、面倒くさいことが靴下には多いです。これらを無くして何も考えずに履ける、最初から色違いがベースの、もう誰も間違えない靴下が『minamo』です」と話します。今回はそんな障害のある人、ない人、みんなに優しい「minamo」の魅力に迫ります。
Ouha開発の靴下「minamo」。
目を閉じてでも履ける、間違いがない靴下minamo
360度裏表なし。履き方は人の数だけある。
画像・動画・引用:インクルーシブデザイン|Ocua|大阪市
また車椅子の人でも履ける可愛いショーツや、乾燥性皮膚炎の人向けのタンクトップも近日詳細が公開される予定です。
「minamo」の魅力
コミュニティアパレルブランド・Ouca(オウカ)ではこの度、年齢やジェンダー、国籍、障害の有る無しに関係なく、みんなが問題なく使用出来る、インクルーシブデザインの新しい靴下「minamo」(ミナモ)を開発しました。
「minamo」は非常に洗練された靴下であり、「目を開けなくても履ける、もうみんなも間違えない、どう履いたとしても当たりになる靴下」と位置付けられています。
ouca代表の女性には全盲の祖母と友達がいて、代表の女性自身はアトピー性皮膚炎を罹患しています。これらの要素がスタート地点となり、「履く向きも決めつけない!表裏・前後・左右もない!ペアでもない!」という、あらゆる要素を突きつめた「minamo」を開発しました。
「minamo」には4つのオススメ出来るポイントがあり、これらを総じて究極のインクルーシブデザインへと貢献されています。
①時短でスッと楽ちんに履ける
靴下を履いた時、かかとが上手く合わない!縫い目がずれておかしい!裏表や左右もどっちだ!?なんて経験はあるのではないでしょうか?
一般的な靴下はかかとの部位で折れてくたびれたり、縫い目もあって、裏返しで使用することは適合しません。ですが「minamo」においては、筒状で裏表・左右・前後のないデザインで製造されているので、どの角度からもスムーズに履くことが可能です。無縫製ニットで製造されているので、縫い目のずれも気になりません。視覚に障害を抱えている人や体を動かしづらい人にとっても気楽に履ける靴下となっています。
②履き心地がいい
靴下を履いたら、ゴムの食い込みやズレによる摩擦が生じる、縫いしろの部分が気がかりでかゆみや痛みを体感した経験はありませんか?敏感肌の人にとっては凄く気が重くなる問題の1つです。
「minamo」では洗練された靴下のデザインを兼ね備えていて、ゴムの締め付けを軽くし、履く時のストレスを排除した快適な履き心地まで追求してこだわりました。
「minamo」の開発者の代表の女性自身はアトピー性皮膚炎を罹患しているので、徹底的に履き心地を裏打ちしました。フォルムをふくらはぎに併せるなど、履いた時のストレスを緩和させる考慮もされています。敏感肌の人にも気持ち良い靴下です。
③自由な組み合わせ
靴下を履いたら、ペアが見つからず左右逆だ、実は裏返しだった、なんて経験ありませんか?
「minamo」にはペアや表裏・前後・左右の懸念が起こりません。それで、「片方が見つからない」「左右逆だった」「裏返しにしていた」という問題とは無縁です。
「minamo」は筒状の裏表・前後・左右のないデザインや、編み方と糸の配色で選んで、靴下を可愛く楽しめる様に4色のカラーバリエーションで製造されました。
どの履き方、どの色で履いても違和感を感じないデザインとなっており、裏側は色が反転されるので、裏表でトータル8パターンの色味の組み合わせも可能です。洗濯をしてたたむ時や、収納したり取り出す時でも、対にする煩わしさも生じません。
④長く履ける
靴を脱いだら、ぱっと足元に目をやると穴がいつの間にか開いていた、サイズが合わず指先が食い込みそれで穴が開いた、痛みを感じた経験ありませんか?一般的な靴下では、使い続けているとかかとや爪先に穴が開いてしまいます。
「minamo」にはかかとの概念がなく、強すぎる締め付けも起こらないフリーサイズの靴下となっています。サイズで失敗する心配もありません。筒状の裏表・前後・左右がないことで、同じ位置で履き続けることも無いので、履いた時の圧力が色んな方向へと分散されます。結果的に、長く履き続けることが可能な靴下となります。
「minamo」のカラーは、赤、黄、青、緑の全4カラーで展開されています。1本1840円(送料別)。セットもあります。
「minamo」開発のきっかけ
minamo開発のきっかけは、Ouca(大阪府大阪市西区)代表の女性が、全盲の友達から「靴下やタイツの左右や柄が見えないからどうにかして欲しいよ」と相談されたことがきっかけでした。
視覚に障害を抱えた人々にアンケートを行ったところ、「かかとが上や横向きになり、履くまでに時間が要する」「しめつけが痛くて長時間靴下を履けない」などの意見を頂きました。
代表の女性は、視覚に障害を抱えた人々の困っていることを解決可能な靴下の開発をスタートさせましたが、「靴下は製造したこともなく、どの企業に靴下の何を質問したらいいのか分からなかった」と言います。
2021年5月、紡績業を経営する知り合いから、靴下製造業のレッグニットクリス(奈良県広陵町)を紹介して頂きました。同レッグニットクリスの社長の男性によれば「外反母趾などで困っている人向けの靴下は製造していますし、代表の女性の理念は理解出来ましたが、かかとがない靴下はこれまで製造したことがありませんでした」と振り返ります。
何度も意見を交えながら6回の試作品を作り、考案から1年半が経過した2022年5月に「minamo」が遂に完成を迎えました。実際に「minamo」を履いてみた弱視の女性は「これまではスマホで靴下の写真を送信して、外出中の家族にその靴下の色や柄を確認をお願いしていた。靴下のことで人にお願いする罪悪感が消え、自信に結び付いた」とコメントを寄せました。
参考:かかと、裏表、左右ない靴下 大阪のアパレル、視覚障害者ら支援 毎日新聞(2022年)
代表の女性はこれまでフリーでオーダーメイド専門の縫製の仕事を励みながら、目が全く見えない人の通う障害者就労支援事業所での自立支援に向けたワークショップの主催や、点字を盛り込んだデザインネイル「点字ネイルチップ」の新規開発などもこなしながら毎日勤しんで来られました。
感受性が豊かで、思春期など多感なころを苦労を重ねながらこれまで生きてきた人生を思い起こし、「障害者手帳が有っても無くても関係なく、生きづらさを抱えて生きている人はいます。その困っていることを価値へと見出すサポートを今後も継続していきたい」と言いました。
素直に凄いと感じた。
靴下ってよく急いでいる時に履いていると、間違えたりしますよね。例えばどこかに出かける用事があるのに朝寝坊して、慌てて起きて諸々のことをして靴下を履く時に、違う柄を片方履いてしまっていたり、靴を脱ぐ場面で実は靴下に穴が空いていて、人に見つからない様に話をしながら靴下の穴を隠そうとしたりとか。靴下は特にお気に入りのものが穴が空いてしまうと、シュンとなってしまいます。
この「minamo」という靴下は、かかとがないのでかかとの生地を潰さないで済む、裏表・左右がない分間違えて逆に履いてしまったという概念がない、無地ではなく柄があってカラーバリエーションもあり、しか通常の靴下よりも長持ちという、良いポイントしかありません。こういう靴下なら、あえて左右色違い履いてもオシャレに見えますね。クラウドファンディングの時から人気だったという「minamo」ですが、これからも障害のある人に寄り添った商品の開発を期待しています。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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