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はじめに
私は、日頃から❝性教育❞について、非常に興味を持っています。過去にも何度か記事として書かせていただきました。
そんな私が、先日とても興味深い❝性教育のキット❞を見つけたのでご紹介したいと思います。
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ポケット避妊教室とは?~キットの内容~
2022年5月に、実物や実物大の写真を使って、触って見て学べるキット「ポケット避妊教室」が開発されました。
低用量ピルやコンドームはどうやって使うの?
緊急避妊薬ってどうやって手にいれられるの?
そんな避妊についての情報を詰め込んだキットとなっています。
- コンドーム
- コンドームの装着の練習ができる棒
- 低用量ピル
- 緊急避妊薬
- 子宮内避妊リング(IUD)
- 子宮内避妊システム(IUS)
- 妊娠検査薬
- 潤滑ゼリー
ポケット避妊教室とは、性に関する情報をわかりやすく届ける啓発・教材キットになっています。
海外では”Contraceptive Kit(避妊キット)”等と呼ばれ、活用されている実際の資材を参考に、養護教諭や保健師、助産師、看護師、薬剤師などの支援者が、相談者や学校の生徒への個別指導や説明の際に、実際にサンプルを見たりさわったりして学べるキットとなっています。
上記に加えて、それぞれの避妊具などの使い方や、使う時の注意点を書いた説明書、性的な行為をお互いが望んでいるか確認する性的同意のこと、性暴力を受けたときの対応などについて書いたカードも入っています。
ポケット避妊教室ができたきっかけ
ポケット避妊教室ができたきっかけは、「緊急避妊薬へのアクセス改善」を目指してのことでした。
開発者の染矢明日香さんは、中高生からの相談を聞いていると、妊娠に関する不安がとても多いことに気づきました。
カップルが、望まない妊娠を避けるためにも、緊急避妊薬を手に入れやすく、利用しやすいことがとても重要になります。
現在、緊急避妊薬はWHOで指定されている、「必須医薬品」となっており、手頃な価格でいつでも利用できなければならないものとなっています。
しかし、日本は諸外国と比べても、とても手に入りづらい環境にあり、その認知度も低いのが問題です。
そのような課題の重さを、実際の相談の声からも感じてきました。
染谷さんはおっしゃいます。
「日本は、変わらないといけないタイミングが今なんです。しかし、誰かが変えてくれるのをただ待っているだけじゃいけない、やっぱり動かないといけないんだなと思いました。絶望を感じながらも、問題意識を絶やさずにいること、声を上げ続けることが、すごく大事だと思っています。」
知識の啓発も、制度の改善と一緒に両輪で行うことが、より安全に緊急避妊薬を利用できる環境整備につながると思い、開発プロジェクトをクラウドファンディングで「ポケット避妊教室」で立ち上げました。
伝えたいこと
実際に、ポケット避妊教室を学校の保健室などで、みんなが手に取って、見て学べるものになるといいなと思います。
恥ずかしいものではなく、“学ぶもの”という感覚で手に取ってほしいです。
たとえ、今必要がなくても、さまざまな避妊方法を知っておくことで、必要になったときに正しく使うことができるようになると思います
緊急避妊薬も、いざというときに迷わず利用できるように正しい知識を持っていてほしいと思います。
最後に
ドイツでは、授業では避妊薬や避妊具を、実際に手に取って見ることができるほか、ペニスの模型に実際にコンドームを装着する練習も行われるといったように、きわめて実践的な内容の授業が行われています。性を「生物学」として扱っているので、生徒も真剣です。
このように国によっては、実際の避妊具を使った授業を行うなどの、実践的な教育が行われています。
日本では、やろうと思うと難しいかもしれません。
しかし、今回のポケット避妊教室を使えば、より実践的な学びが出来るのではないかと可能性を感じました。
参考サイト
触って学べる性教育。「ポケット避妊教室」って知ってる? | ウェブ電通報
啓発活動・資材 | 緊急避妊薬の薬局での入手を実現する市民プロジェクト
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