アイス・バケツ・チャレンジの寄付金で、ALSの新治療薬の承認が決まる。 

ALS 新治療薬

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

米ALS協会は2022年10月に、SNSなどで2014年にバズった『アイス・バケツ・チャレンジ』で集まった寄付金で開発された、新しい筋萎縮性側索硬化症 (ALS) の治療薬「AMX0035」が、アメリカ食品医薬品局(FDA)に承認されたと公表しました。

今回は『アイス・バケツ・チャレンジ』がもたらした、ALSの治療薬「AMX0035」の承認までの道のりについて、振り返ります。

詳しいALSの紹介に関しては、下記のTANOSHIKAのライターの支援員さんが書かれた記事をご覧になって下さい。

新治療薬「AMX0035」承認までの道のり。

アイス・バケツ・チャレンジとは

『アイス・バケツ・チャレンジ』を最初にスタートさせたのは、ALS患者で2019年、2020年に亡くなったピート・フレイツさんとパット・クインさんです。

氷水入りのバケツを頭から被ってずぶ濡れとなって、FacebookやTwitterなどのSNSに動画を投稿し、次にこの『アイス・バケツ・チャレンジ』に挑戦する人を2〜3人指名していきます。

指名を受けた人は、氷水の入ったバケツを頭から被ってずぶ濡れとなるか、米ALS協会に100ドル寄付金を払うか、両方実行するかを選択する──というチャレンジでした。

著名人や起業家、政治家を併せた1700万人が挑戦し、指定難病の1つのALSの認知度向上に多大な影響を与えました。

一方で、「ALSの支援が目的ではなく、苦しむALS当事者をそっちのけで騒いでいるだけの人もいて、不謹慎な行動ではないのか?」といった批判的なコメントも多く出ていました。

しかし、『アイス・バケツ・チャレンジ』により集まった寄付金が大きな成果に結び付いたとの研究結果も数年後にハッキリ現れていました。

ALS発症に関係する遺伝子を解明する研究に繋がる

2016年には、マサチューセッツ大学医学部の研究チームでは米ALS協会から寄付された100万ドル(日本円で約1億4000万円)の研究活動費を使用したプロジェクトの一環で、ALSの原因遺伝子「NEK1」が見つかったと公表していました。

新しいALSの遺伝子発見の成果は科学誌[ネイチャー・ジェネティクス]に掲載される運びとなり、『アイス・バケツ・チャレンジ』に再び関心が高まり、2016年7月27日にはTwitterのトレンドで上位にランクインした程でした。

参考:「アイス・バケツ・チャレンジ」寄付金で、難病ALS研究に成果 ロイター(2016年)

新薬「AMX0035」の研究開発と治験に資金提供を行う

米ALS協会は2016年6月に75万ドル(日本円で約1億800万円)、2016年7月に146万ドル(日本円で約2億1100万円)の助成金を、「AMX0035」の開発に向けて提供を行なって来ました。2022年9月29日の米ALS協会の発表によりますと、『アイス・バケツ・チャレンジ』で寄せられた寄付金220万ドル(日本円で約3億1700万円)を、新しい治療薬「AMX0035」の開発及び治験に提供しました。

そして2022年9月には、米ALS協会が「『アイス・バケツ・チャレンジ』で世界中から寄せられた220万ドル(日本円で約3億円)の資金が、ALSの治療薬として承認された新しい薬の開発と治験に、重要な資金として提供を行いました」と公表。アメリカの食品医薬品局(FDA)が承認した新しい薬に関しては、「『アイス・バケツ・チャレンジ』で世界中から寄付された資金が、今回の新しい薬開発と治験の役に立ちました」とも明言していました。

米ALS協会の会長兼CEOのカラニート・バラスさんは、「新しい治療薬『AMX0035』の承認は、ALSの治療の早期承認を提げるための団結したALSコミュニティ全体の勝利宣言です」と祝福します。「ALSを完治させるまでには、まだ多くの課題が山積していますが、この『AMX0035』はそのALS完治までの闘いでのとても大きな前進になる」とし、『アイス・バケツ・チャレンジ』の発案者が「ALSの軌跡を永久に変換させた」と思いを馳せました。

さらなる新薬「Relyvrio」の可能性にも期待が集まる

米ALS協会によれば、今回承認された「AMX0035」だけではなく、さらなる研究の前進が期待されるとのことです。FDAが承認した新薬[Relyvrio]においては、ALSの根本的な治療薬とはいきませんが、ALSの症状の進行を大きく鈍化させることが可能となる新薬とされています。

マサチューセッツ州ケンブリッジの製薬会社・Amylyx Pharmaceuticalsが137人のALSの患者が参加した研究で、新薬の[Relyvrio]はALSの患者の寿命を5ヵ月から半年、またはそれ以上延ばす可能性を秘めていると研究者たちは言います。

その反面で、臨床試験の数がまだまだ足りない点や、単一の研究に定義され承認されている点においては、[Relyvrio]の効果を疑問視する一部の研究者が否定的な意見が集まっています。

研究財団RTIインターナショナルはALS研究者へ『アイス・バケツ・チャレンジ』のリソースの影響について調査を行いました。調査データによれば回答者の84%が『アイス・バケツ・チャレンジ』が始まって以降、米ALS協会からの寄付金の提供によってALSも研究がかなり発展した、または大いに加速されたとの回答を寄せています。そして、回答者の72%が米ALS協会からの資金提供で追加資金を獲得する能力が高まったとの回答を寄せました。

参考:【アイスバケツチャレンジ】世界でバズった動画が8年越しに実を結ぶ。寄付金で開発されたALS治療薬を承認 ハフポスト(2022年)

2014年『アイス・バケツ・チャレンジ』がバズって以降、米ALS協会は世界中のALS研究に向け1億ドル(日本円で約140億円)超を研究費に当て、新たなALSの治療薬「AMX0035」以外にも、現在は世界12ヵ国で130に上るALS研究の一大プロジェクト、そして開発段階の40の潜在的なALSの新たな治療法への研究費を支援しているということです。

私の身近なALSの話。

母は以前仕事先で、ALSの患者さんと出会ったことがあります。母は何回かその女性と会いました。その女性は元々はとても活発で、友達も多く、趣味で切り込み細工などを作ったりと、多趣味だったそうで、家には女性の作った作品が沢山飾られていたそうです。

ALSを発症してからは女性は、外に行けなくなったと言います。最後の日母は、「貴方にはとてもお世話になったから」と、女性が作ったピエロのお人形を貰いました。

数年後母が元同僚の方に、「あの女性は今どうしてますか?」と尋ねると、「かなり酷いらしいよ」と言われたそうです。

こうやってALSの治療薬が承認された事は、喜ばしい事です。これからもこの治療薬が世界中で承認され、実際にALSの患者さんに使用されていけば良いなと感じました。

noteでも書いています。よければ読んでください。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎、右手人差し指に汗疱、軽く両膝の軟骨すり減り、軽度に近いすべり症、坐骨神経痛などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。