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こんにちは、翼祈(たすき)です。
赤ちゃんは泣くのがお仕事、そんな言葉が昔流行りました。今でも言葉を話せない赤ちゃんにとって、泣くことは自分の変化をご両親へ知らせる大事なサインではないのでしょうか。
ようやく寝てくれた赤ちゃんをベッドに運ぶとギャン泣きして、また寝てくれなくて…と、困っているご両親も多いかと思います。そんな中、2022年9月14日に、脳神経科学チームで構成させた理化学研究所の国際研究グループによると、赤ちゃんをベッドに移動させた時にギャン泣きせず、起こさず眠りにつかせる方法が解明されました。
今回はその研究結果のことと、研究結果を受けた一般の人の声をお届けします。
赤ちゃんのギャン泣きを止められる方法
赤ちゃんをギャン泣きさせずにベッドで寝かしつける方法を実験の結果で明らかになったと、理化学研究所の脳神経科学のチームリーダーの女性などの国際研究グループが公表しました。抱っこしながらご両親が5分歩いてそのまま眠らせた後、8分間立ち止まってからベッドに赤ちゃんを移動させると、赤ちゃんはギャン泣きすることなく睡眠が継続する傾向があったとします。
ようやく寝かしつけた赤ちゃんをベッドに移動させた瞬間、起きてギャン泣きする。国際研究グループはこの様なご両親からの子育ての相談に関して、生後7ヵ月以下の赤ちゃん21人を対象に、ご両親が抱っこしてから赤ちゃんが眠るまでに費やした時間や心拍数の変動、赤ちゃんを起こすことなくベッドに移動させる手段などを調査しました。
その結果、ギャン泣きしている赤ちゃんでも、5分間抱っこして歩き続けると、ほぼ赤ちゃん全員が泣き止み、心拍数も落ち着き、その約半数の赤ちゃんが眠りにつきました。コツは、赤ちゃんの首をしっかり全身で支えてご両親の身体を密着させ、ご両親が歩く方角を急激に変更しないことでした。
眠りについた赤ちゃんをそのままベッドに移動させるには、眠り出してからベッドに移動させるまで8分間待機することがとても大事で、ベッドに移動させる時の速さや、身体のどの部位から赤ちゃんをベッドに寝かせるかは、差異はありませんでした。この研究結果を受けた論文は科学誌「カレントバイオロジー」で発表されました。
参考:眠った赤ちゃん、起こさずベッドに移すには…抱っこして寝始めてから8分間待って 読売新聞(2022年)
4児のお母さんでもある理化学研究所の脳神経科学のチームリーダーの女性は、この研究結果を受けて「お出かけなどで赤ちゃんがどうやっても眠ってくれない時に実践して頂きたい」と述べました。東京大学の発達心理学が専門の准教授の女性は、この研究結果に「子育ての悩みの1つである赤ちゃんの寝かしつけで、科学的結論で解決の意図を見出した大いに意味のある研究結果だ」といいます。
理化学研究所が実際に行った実験詳細
理化学研究所の脳神経科学のチームリーダーの女性などで構成された国際共同研究グループによれば、生まれてから7カ月も経っていない赤ちゃん21人とそのご両親の快諾を経て、赤ちゃんを「赤ちゃんを抱っこして歩くことも継続する」、「赤ちゃんを抱っこしたまま椅子に座る」、「そのまま赤ちゃんをベッドに移動させる」、「ベビーカーに赤ちゃんを乗せて前後に揺らす」との、動作と抱っこを組み合わせた4つのアクションをバラバラに実践して頂き、その際の赤ちゃんの行動と心拍数を測りました。
まず、それぞれのアクションを30秒間実践した時の赤ちゃんの行動を話す声や瞳の開いているか閉じているかを分析しました。
結果、ギャン泣きしていた赤ちゃんは、抱っこして歩くことをご両親が継続する時と、ベビーカーに赤ちゃんを乗せて前後に揺らす時には想定通り泣くことが収まりましたが、座ったままの体勢で抱っこするアクションをした場合は、赤ちゃんは泣き続けることが判明。
さらに、静かまたは少しだけ泣いている赤ちゃんに関しては、座ったままの体勢で抱っこすることやベッドに移動させることなどご両親がアクションしていない時は、泣くことが激しくなる傾向が見受けられました。
この研究結果で、赤ちゃんのギャン泣きを抑えるには輸送行動が非常に効果が生じることが判明しました。
次に、ギャン泣きしている赤ちゃんに、30秒間で1番効果があるアクションは、抱っこしたまま歩くことを継続してを5分間経過させると、全員が泣かなくなり、45.5%が眠りにつきました。
そして、18.2%の赤ちゃんは歩くのをしなくなった際には起きてしまいましたが、その後1分間以内に眠りにつきました。この結果、抱っこしてご両親が5分間歩き続けることは、赤ちゃんをギャン泣きさせないことに効果が非常に見込まれるだけではなく、ほとんどの赤ちゃんを昼間の時間帯でも眠らせる効果が生じることが明らかとなりました。
その反面、最初は泣かずにそのまま眠らなかった赤ちゃんに対しては、抱っこして5分間歩き続けてもほぼ眠ることはありませんでした。この答えに関しては今回の研究ではまだ分かりませんでしたが、ギャン泣きしている赤ちゃんは元々疲れを感じていたり眠くて泣いていたと仮説すると、元気に動いていた赤ちゃんと比較して輸送行動に伴い眠りにつきやすい、という可能性が想定されます。
参考:赤ちゃんの泣きやみと寝かしつけの科学-寝た子を起こさずベッドに下ろすには?- 理化学研究所(2022年)
今回の研究結果に、一般の人の声
学校法人滋慶学園 にじのいるか保育園 杉並松の木・保育士:「すぐに寝たなと思って(寝床に)おろすと、起きてしまうことが多い。少し時間をおくと、子どもの体の力がすっと抜ける感じがある。時計を見たら、(研究の通り)5分から10分ぐらいかもしれない」
保護者(30代):「それをしたら寝るんだと思うと、頑張れそうな気がします。5分から10分ぐらい歩くのは」「時間の見積もりもできて、寝てくれる傾向が分かったのは、すごくありがたいです」
私の赤ちゃん時代。
とにかく夜寝ない子だったそうです。私が2歳になる前に亡くなった、同居していた父方の祖母は母が家事をしている時に、常に抱っこをしていて、私がスヤスヤ寝ていたそうです。夕方祖母の胸の中でスヤスヤ寝ていた分、夜になると元気になり、夜中全く寝ない。赤ちゃんの頃から、超夜型人間だったそうです。
母は祖母に「夜寝なくなるから、そんなに抱っこずっとしていなくても大丈夫ですよ」と言ったり、大きくなってから私には「こういう経緯で全く夜になると元気になって、寝ない子で私は毎日眠ってくれるまで、ずっと寝れない日々が続いて大変だったよ」と言っていました。
そんな私は今は寝不足が続くと、午前中の仕事で目眩を起こす位、体調不良を起こすことが多くなって来ました。この間耳鼻科に通院したのですが、主治医の先生に「目眩は睡眠不足とストレスでも起こりやすくなりますよ」と言われました。昔はどれだけ遅くても平気だったのに、やはり子ども時代とは違うなと感じました。
今回の理化学研究所の発表は、2022年10月から産後パパ育休制度も始まりますし、その前の研究結果で助かるご両親も多いのではないでしょうか?まだ泣かずに起きていた赤ちゃんが寝かせられるまでの過程は解明されていませんが、今後の研究の発展が望まれますね。
noteでも書いています。よければ読んでください。
この記事ををみた時、うちの妹(4月で1歳になる妹)にも効果があった時期があったので、「この研究結果は本当だったんだ」と、びっくりしました。
最近は、半人見知りのような物のせいか、自分のだっこだとあまり落ち着いてくれることがなくなりましたが…母親だと相変わらず効果ある感じですw
今更になりますが、興味深い記事を書いてくださり、ありがとうございます。
m(_ _m)ペコリ
動画制作班のM様。
昨日はコメント出来ず、申し訳ございませんでした。
私は兄弟はおらず、赤ちゃんを抱っこというのは、学校の体験とかで2回しかしたことがありません。それも結構前なので。
記事を書いていて、効果があるのか私には確認できませんでしたが、動画制作班のM様が効果があったと言って下さって、記事を書いたものとしては安心できました。嬉しいご報告をありがとうございました。