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こんにちは、翼祈(たすき)です。
今年2022年2月、コアラがオーストラリアで絶滅危惧種に指定されました。何故コアラは絶滅危惧種に指定されたのか?それにはオーストラリアで多発する大規模な森林火災、病気の1つのクラミジアなど、コアラの周りにある複合的な理由が沢山関わっていました。
今回はその複合的な理由や、コアラ基金についてお話していきます。
オーストラリア政府、コアラを「絶滅危惧種」に指定
オーストラリア政府の発表で、2022年2月12日から東部のクイーンズランド州と最大人口都市シドニーのあるニューサウスウェールズ州、合わせて首都キャンベラがある特別地域に生息するコアラを「絶滅危惧種」に指定し、保護に向けた活動が急務となっています。これによりオーストラリア政府は、2022年から今後4年間で5000万オーストラリアドル、日本円にしておよそ41億円の予算をコアラの保護にかけ、コアラの火傷やクラミジアなど感染症の治療と生息地の回復といった保護に向けた活動を急ぐことにしています。
環境保護団体に携わっている世界自然保護基金(WWF)などによれば、2020年のコアラの数は、約20年前に比較してもクイーンズランド州で半分に、ニューサウスウェールズ州で40%から70%ほどにまで激減したと推測しています。
参考:コアラを「絶滅危惧種」に指定 保護急ぐ オーストラリア政府 NHK NEWS WEB(2022年)
環境相は、指定に先立って2022年2月11日に開いた会見で、コアラは気候変動による干ばつや失明などを引き起こす感染症の拡大に加え、2019年から翌年にかけて続いた大規模な森林火災などで住みかを奪われているとして保護が最優先だと訴えました。
コアラとクラミジア。
オーストラリアに生息するコアラの間でサイレントキラー(静かな殺し屋)が広がっており、野生生物の専門家らは、このままいけば同国の大部分でコアラが絶滅しかねないと警鐘を鳴らす。
その犯人はクラミジアだ。クラミジアは性行為によって感染する性病の一種で、全世界で毎年1億人以上が感染している。治療せずに放置すると不妊の原因にもなる。
コアラの場合も、クラミジアを制御できないと失明したり、生殖器官に痛みを伴う嚢胞(のうほう)ができたりして、不妊や死を招く恐れもある。
さらに悪いことに、クラミジアの治療に使用される抗生物質は、コアラが主食であるユーカリの葉を消化吸収するのに必要な繊細な腸内フローラ(腸内細菌)を破壊してしまうため、中にはクラミジアが治っても餌が食べられずに餓死してしまうコアラもいる。
ニューサウスウェールズ州北東部の町ガネダーに生息するコアラのクラミジア罹患率は、2008年は約10%だったのですが、2015年までに60%まで増加し、現在は約85%にも達しており、この病気の感染スピードの速さがわかります。
「クラミジアに感染したほぼ全てのメスが、1年か遅くとも2年以内に生殖能力を失うことになり、仮に生き残ったとしても子は産めない」と話す専門家もいます。
コアラは車にひかれたり、野犬やキツネに襲われたりといった例もあるなか、クラミジア感染が全体の5、6割を占めます。
結膜炎は早期発見なら目薬で治り、野生に戻れますが、泌尿・生殖器の病気の薬は、えさのユーカリの葉に含まれる毒を解毒するコアラ独特の腸の機能を奪う副作用が出てしまいます。
その副作用に対する特効薬はなく、症状を薬などで改善できなければこのコアラは病院で一生を終えるしかないといいます。
コアラと山火事。
オーストラリアで2019年、相次ぐ山火事で、住民に救出される場面の動画が話題になったコアラの「ルイ」が亡くなりました。やけどからの自己回復となりませんでした。
コアラの「ルイ」は先週、オーストラリア南東部ニューサウスウェールズ州の山林で火災が広がるなか、木で怯えて捕まっていたところを、通りかかった男性に助け出されました。「ルイ」を木から引き離し、ペットボトルの水を身体にかけ、炎から守るためシャツでくるむ男性の様子を撮影した動画は、世界中で数多くの人に閲覧されました。
「ルイ」を診ていた獣医によると、「ルイ」はやけどからの回復の見込みがないことから、安楽死の処置をしたといいます。「最優先すべきは動物の福祉です。そのためにこの安楽死という決定を下しました」と、ポート・マッコーリー・コアラ病院は説明しました。
地元テレビで男性は、車で山間部を走行しているときに、「ルイ」の声に気づいたと述べました。ルイは大きな叫び声を上げていたと話します。「コアラが叫べるとは思いませんでした。とにかく心が痛くて、できるだけその場所から早く救出しなければいけないと思いました」
担当した獣医によると、当時14歳だった「ルイ」は、山火事による胸と脚などに重度のやけどを負っていたと話します。
参考:豪の山火事で救出のコアラ、悲しい結末 BBC NEWS(2019年)
関連記事
山火事に巻き込まれたコアラを救出 オーストラリア CNN(2019年)
2019年11月21日には毛布にくるまれ、酸素マスクを着けた状態で救出された「ルイ」はすでに相当量の鎮痛剤を投与されており、病院は11月23日、やけどと苦痛が治療不可能で耐えられないレベルだと判断された場合は安楽死を検討し、それが11月26日に選択されたと書いてありました。
ユーカリと山火事。
オーストラリアは1年を通してとても乾燥した地域で、山火事が頻繁に起こります。
ユーカリのつぼみは、葉などから作られる成長を抑制する物質により発芽が抑えられています。山火事の炎によって、葉が焼け落ちることにより、成長を抑制する物質がなくなり、ユーカリのつぼみは発芽します。火災直後のユーカリの緑の葉は、この新しい後生芽から生産されています。
ユーカリの樹が、生長していく過程でも山火事は発生します。他の樹木と違って、ユーカリは火事のときも自分を守ることができます。幹の燃えやすさが、幹の外側の皮(樹皮)と内側にある層(形成層)では異なるのです。樹皮が非常に燃えやすい性質を持ち、樹皮に火がつくと幹から剥がれ落ちるので、幹の内側まで火が燃え移ることはありません。
樹皮が犠牲となり、形成層とよばれる、樹木にとって大切な部分を守られるのです。また、ユーカリの根っこの部分には栄養源や、芽の原料を蓄えています。
こうして、火災の後も蓄えられた栄養源により成長し続けることができ、また新しい芽をつけることもできます。
関連サイト
オーストラリア史上最悪の森林火災はなぜ起きたか-地球の息吹を感じるオーストラリアの旅先案内- エコナビ
コアラの主食のユーカリは山火事が起きる事で、芽を付けます。自然のサイクルとはいえ、コアラは山火事で多くが亡くなってしまいますし、皮肉なサイクルだなと思いました。
コアラのマーチのコアラ基金
コアラのマーチが10周年をむかえた1994年から、ロッテは「オーストラリア・コアラ基金」(The Australian Koala Foundation 略称AKF)に参加しています。この基金は、コアラの保護や研究のために設立されました。20世紀になって、オーストラリアのコアラの数は300万頭から10万頭以下にまで減少しています。ハンティングや山火事、都市開発などが、このような悲しい結果をまねいているのです。 そこでいま、こうした過ちが再び起きないように、コアラの生息の現状について調査をしています。時間とお金がかかる、大切な作業。ロッテは、この活動を応援しています。
引用:コアラのマーチ
コアラは、
コアラは、森林火災や開発による生息地の減少、気候変動による熱波や干ばつ、病気などの影響を受けて、その数を減らしているといいます。オーストラリアが1年中気温が高く、1番暑い時で50℃近くになり、その影響で雨も降らず、山火事で多発して、コアラが犠牲になる、凄く悲しいなと思いました。
直接そのコアラ達にしてあげられる事はありませんが、これ以上地球温暖化を進めない、それがコアラにとっても、オーストラリア、全世界の動物たちにとって、1番大切な事だと思いました。
参考サイト
noteでも書いています。よければ読んでください。
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