障がい者だってオシャレがしたい!! 〜オシャレをあきらめない人々の挑戦〜

障害者ファッション

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はじめに

巷にあふれているファッション雑誌を見てみると立ち姿でニッコリと微笑んでいるモデルさんばかりが掲載されています。

車椅子ユーザーの方は、立った姿だけでなく、座った姿も見たいということを先日、テレビ番組の特集で知りました。座ったときのスカートの広がり具合とか、洋服のシワの寄り方とかなどをチェックしたいそうです。いろんなニーズがあるものだなと感心しました。

そこで、障害がある方のオシャレについて調べてみようと思いました。すると、いろいろなブランドが試行錯誤していることがわかりました。それをご紹介していきたいと思います

 

車椅子とオシャレ番長 「bottom’all(ボトモール)」

日本障がい者ファッション協会の代表理事の平林景さんは、2019年に「bottom’all(ボトモール)」を立ち上げました

きっかけはある車椅子ユーザーの方から聞いたお話から始まります。そのかたはお年を召したことにより、現在車椅子を使用しています。若い頃はいろいろなオシャレを楽しんでおられたそうです。

しかし、現在はオシャレをしようにも、試着することが難しく、人の手を借りてまでオシャレをすることに引け目を感じてオシャレを諦めてしまったそうです。

もし、誰でも自由に着られる服があればそのような気持ちにならなくていいのではないかと疑問に思い、それがボトモールの構想になったそうです。大学生たちとのディスカッションにより、「巻きスカートなら誰でもはきやすいのでは?」という結論に行き着きました。

しかし、「男性が巻きスカートを履くのは抵抗があるのでは?」と言う声も上がり、では、呼び方を変えようということで、全員がはけるボトムということで、ボトムとオールで「ボトモール」が生まれました。

健常者も障害者もみんなが着たくなる服を作ろう、福祉×オシャレで世界を変えよう、その挑戦は、パリコレを目指したり、障害者就労支援施設でボトモールを作る計画などに発展させていこうとしています。

着物を上下に分けて車椅子ユーザーの方でも簡単に着られるようにしたものや、車椅子ユーザーの男性はジャケットを着ると丈が長すぎて後ろがシワシワになってしまうので丈の短いジャケットがほしいなど、機能性はもちろんファッションとしてもかっこいいものがたくさんInstagramに掲載されています。

画像引用:kei.hirabayashi  instagram

 

スタイ(よだれかけ)がエプロンドレスに 「ユナイテッドアローズ」

筋ジストロフィーの加藤真心ちゃんは、口のまわりの筋力が弱く、どうしてもよだれが出てしまう。でも、赤ちゃんのよだれかけだと8歳の女の子にはちょっと恥ずかしい。

それを解決するために作られたのがかわいいエプロンドレス。当事者の母親からも、健常児のお姉ちゃんが着てもかわいいとの評判です。


エプロンドレスは著作権の関係上、画像を掲載することができません。興味のある方はこちらをご覧ください。

PRESIDENT Online  「車椅子じゃスカートは穿けない」アローズ創業者を奮い立たせた女性の悩み

 

頸髄損傷の関根彩香さんは車椅子ユーザーです。スカートは脱いだり、着たりが面倒で、車輪に巻き込んでしまったり、汚れてしまう可能性があるのでほとんどはかなくなったそうです。

そんな彼女の意見を反映させたのが、「フレアにもタイトにもなるスカート」です。

前身ごろはプリーツスカートに、後身ごろがタイトスカートになっていて、プリーツの一つひとつにファスナーがついています。ファスナーを閉じるとタイトに、開くとフレアになります。タイトにしておけば車椅子の車輪に巻き込まれることがありません。ファスナーを開いてフレアにすれば、華やかなイメージになります。機能性とオシャレ」を両立させたまったく新しいスカートが生まれました

フレアスカートは著作権の関係上、画像を掲載することができません。興味のある方はこちらをご覧ください。

→PRESIDENT Online  「車椅子じゃスカートは穿けない」アローズ創業者を奮い立たせた女性の悩み

ファッションを通して社会貢献だけでなく、ビジネスとして障害者も、そうでない人も快適で楽しめる洋服を提供することに闘志を燃やしているようです。新たな挑戦に期待できそうですね。

 

障害や病気のある方向けのお直しサービス 「キヤスク」

身体障害者の方は洋服について困っていることが多いそうです。既製服は着にくい、市販されている介護しやすい服も探せばありますが「ファッションを楽しむ」までのレベルに達していないそうです。好みのデザインや色のものがなく、オシャレをすることは諦めているそうです。だからといってオーダーメイドすると値段が高く、服に対して大変不自由を感じているそうです。

そのような服のお困りごとを800人以上ヒアリングしたのは、ユニクロで販売された「KIDS コットン前あきクルーネックボディスーツ」の発案者であり、コワードロープの創業者である前田哲平氏です。

コワードロープとは、障害や病気を抱える人の目線で服やファッションの情報を発信するWebメディアです。

2022年2月に障害者・要介護者向けに既成服のお直しを提供するサービス「キヤスク」をオープンする予定です。

「キヤスク」は障害や病気で既製服が着づらいなどのお困りごとがあり、リメイク、仕立て直しがをご依頼したい方と、リメイク、仕立て直しの技術があり、それを提供したい方をマッチングし、速やかに取引できるようにするべく開発を進めているWEBサイトです。



画像引用:日経BP総合研究所 Beyond Health 障害者も楽しめる「服装体験」を

キヤスクでは、仕立て直しの案件の中身に応じて料金が発生します。依頼者が提供者に料金を支払いますが、キヤスクでは提供者側から手数料をいただきます。それをサービスの運営費に充てる予定だそうです。

キヤスクがお直し提供者としてひとつ想定しているのが、当事者を介護している方です。そうした方が縫製技術を身につけられれば、キヤスクが収入源のひとつになることが可能になります。当事者とそれを支える家族を支援することにも繋がるのではないかと考えているとのことです。

画像引用:日経BP総合研究所 Beyond Health 障害者も楽しめる「服装体験」を

 

ハンセン病とファッション「TENBO(テンボ)」

2015年1月テンボデザイン事務所を設立したファッションデザイナーの鶴田能史さん。「年齢、国籍、性別、障害の有無を問わず、全ての人が笑顔になれる服」をコンセプトに活動を続けています。

「東京コレクション」で日本初の障害者モデルを起用し、国内外から注目を集めました。

画像引用:ファッションで 世の中の人を 幸せにしたい TENBO

 

 

Japan Fashion Week TOKYO 2015-16 A/W​ テーマ「DREAM」

 

 

平和への思いや、ハンセン病などをテーマに、社会的メッセージを発信したファッションは、強烈なインパクトがあり、色彩が鮮やかでかっこいいです。

画像引用:ファッションで 世の中の人を 幸せにしたい TENBO

 

Amazon Fashion Week TOKYO 2017 S/S  テーマ「HANSEN」



終わりに

調査の結果感じたことは、いろいろなファッションを見ているだけで楽しかったです。世界各国に多様な民族衣装があるようにファッションはもともと自由なもので、いつの間にか大量生産、大量消費で似たような既製服を作り、それを基準に選んだり買ったり、着たりしていたのだなと思いました

誰ひとりとして同じ人間がいないのなら、一人ひとりに合わせた服を作ったり、販売できる世界が今始まろうとしているのかもしれません。

機能性はもちろん、自己表現のためにも、好きな服を着て生活することは日々の活力になります。

また、国連貿易開発会議(UNCTAD)では、ファッション業界が世界で第2位の汚染産業とみなされ、大量の服の廃棄など問題になっており、「SDGz(持続可能な開発目標)」の観点からも今が大きな転換期といえます。

障害者の総数は936.6万人であり、人口の約7.4%に相当します。そのうち身体障害者は436.0万人、知的障害者は108.2万人、精神障害者は392.4万人です。その障害者の方達が必要とするファッションが提供できるとしたら、相当な規模のマーケットになると考えられます。ファッション業界の活性化が期待できるでしょう。

障害や病気がある方が着やすい服は、健常者、一般の方にとっても着やすい服でもあります。

私たちは、美しく、機能的で、環境にも配慮された服を楽しめる時代に突入していくことでしょう。

 

参考サイト

 

WWD Japan「福祉×オシャレで世の中を変える」 身体障害者の声から生まれたブランド「ボトモール」

JPFA 世界中の全ての人が、オシャレという名の自由を。

遺伝性疾患プラス オシャレで変えていく。障害や病気に関わらず、皆が自由に着られる『bottom’all』とは?

kei.hirabayashi  instagram

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