コールセンターは私にとって戦場でした~私が感じた働きづらさと近年の働き方改革~

コールセンタで、女性や男性がヘッドホンとマイクが一緒になったヘッドセットをつけ、お客様とパソコン画面を見ながら話している。

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コールセンターの多さ・流れ

こんにちは、hIbikiです。

皆さんのお家に、よく営業のご案内やインターネットなどのお電話かかってきた経験などありませんか?

私は、最近の通販番組をみても、特に「欲しい!」とは思いません。

むしろ、「その時間まで働いているコールセンターの職員さんがすごい!」と思ってしまいます。

私は「図書館司書」以外にも、かなり多くの職を転々としてきましたが、もう二度としたくない職業のNo.1はコールセンターの仕事です。

「コールセンター」の主な仕事は、お客様からの問い合わせや、健康食品等の営業電話です。
「カスタマセンター」といえば分かる方が多いと思いますが、その現場は、まさに「戦場」という言葉が、ぴったりです。

私は何度も挑戦したのですが、結果、挫折・惨敗し、病気が圧倒的にひどくなったのです。

ここに記載するのは私が見たままの、肌で感じた「コールセンター」です。

この記事を通じて、私が肌で感じたコールセンターのお仕事の現実と、今導入が進められているAIによるアシストなど、働きやすさが改善している事例をお伝えしていければと思います。

初めてのコールセンター

初めて、「コールセンター」の言葉を知ったのは、まだ30代前半。

福岡にそんなコールセンターが多くなかったころ。

派遣会社の紹介で、「ただ電話をとって、お客さんと話をするだけ」という言葉でコールセンターを紹介されました。場所は、博多駅界隈の商業地区。

ある大手の携帯の企業に派遣されました。

コールセンターの主な仕事は、二つに区分されます。

電話を受信する「オペレーター」(インバウンド)、かける・発信担当を(アウトバンド)といいます。

そして、班ごとに(もしくは担当)ごとに分かれ、そこの班を管理するリーダー・上司の事を(SV:エスブイ・スーパーバイザー)といいます。班に大体、2~3人いらっしゃるところが多いです。

そして、班長、センター長がいるのが一般的です。

「コールセンター」のお仕事を簡単に考えていましたが、実はとんでもなっかた!

まず、あまりの遠さに疲労が溜まっていたのを鮮明に覚えています。

しかも、他社さんからも何人かおり、全部で、10人近くいたかもしれません。

寄せ集め」。言葉は悪いですが、そう感じました。

あちこちで、大きな音・話し声、コンピュータ、大きなスクリーンがあり、机が4つぐらいに別れ、そこにSV(スーパーバイザー)が走っていきます。

あちこちで、職員と思われる方が電話の途中で話しながら手を上げ、上司らしき人を待つしかない。

その見学の場面を見ただけで、私は冷や汗、過呼吸に近い状態になりました。

そこは、研修も約1週間と短く、教えてくださる研修の職員は、入って3か月と半年とかの方で不安でした。

「皆さんも、すぐにデビュー(現場にでること)できます。わからなかったら、私たちがフォローします」と笑顔で、言ってくれたのですが、何とも頼りないと感じました。

A4の「トークスクリプト」(話し方のマニュアル)が1枚だけ、机の上に置いてありましたが、

実際は、そんなものでは足りないのは、直感で分かりました。

私は、そこの企業の職員さんたちに恐怖を覚え、段々と気分が悪くなり、4日目ぐらいにはビルの手前までは行きましたが、そのあと何かに追われるかのように、逃げてました。

そして、その日のうちに、派遣会社に連絡し、辞退させてもらいました。

後で聞いた話だと、10人近い派遣さんのうち、残られた方は、1人か2人だけだったらしいです。

どんどん増加していくコールセンター

2回目は、「短期期間」という条件で、またもや派遣から紹介され「お歳暮」や「おせち」などのコールセンターで働きました。このときは、年齢もまあそこそこ。

事務よりも、「コールセンター」の案件が派遣や、普通の無料のバイト雑誌にも増え始めていました。

私は、懲りずに、「短期なら大丈夫かも」と思い、受けました。

ここは、研修期間は午前中だけ。

お昼食べたら、さっそく、「電話に出てください!」でした。

私は、研修はもっとあると伺っていたので、「話が違う!」と思って焦りました。

そうして、病気の症状のひとつ「パニック障害」が出始めたとこまでは、覚えてます。

頭が真っ白になり、その企業の上司が、派遣側の営業の方を呼んで下さり、この話はなかったことになりました。

後できいてみると様々な派遣会社に声をかけ、言葉は悪いですが「寄せ集め」の方々には、かなりその日は、乗り越えられても次の日には、「電話に出ない」とか無断欠勤する派遣さんが多かったと、知り合いから聞きました。

コールセンターが当たり前

また月日がたち、派遣で「コールセンター」の案件の紹介があっても、私は断り続けました。

その間は、短期の事務でさまざまな企業に派遣されていたと思います。

このころから、病気がどんどん悪化して「双極性障害」と分かりました。

多分、発達障害もあったんでしょう。

けれど、仕事だけはちゃんとしたかったので、国がこの頃始めた、若者支援サポートに登録していました。そこで、有名な印刷会社のスカウトを受けました。

話の内容を聞くと、またしても、「コールセンター」でした。最初は、断ろうと思いましたが、研修も長く、徹底的に指導するようでした。私は「頑張ろう!」と奮起し、そこの研修を休まず受講しました。

タイピングを重要視する会社で、ひたすらタイピングしたため、病気の症状が出始めましたが、薬で耐え、何とか2か月は持ちなおし、3か月目から、コールセンターのデビューが決まりました。

そこは、本当に今まで行った「コールセンター」の中でも、規模も広さも大きく、働いている年齢層も幅広かったです。

参照元:(コンタクトセンター総合コミュニティコネナビ)【最新コールセンター業界の今後は|市場の変化や課題・解決策について解説2025/01/15

 

ヘッドセットをつけた女性オペレーターが、笑って話している。

デビューするものの…

ただ、その時思ったのは昔みたいな「寄せ集め」じゃないという点です。

相手が、個人のお客様ではなく、法人、つまり、企業様相手のみ。

私の担当も、話す相手は法人様かと思いきや、大手の印刷会社のさらに特別な取引相手のチームに配属になることが、決定。電話をかける方と、受ける方のが目的です。

「印刷機の調子が悪い」とか等の要望やFAXでそういう要望があれば、そこにその印刷会社の営業さんを派遣することが、私の電話の仕事内容でした。

デビューして、はじめは、うまくこなせていましたが、「過集中」や「緊張」今までの「蓄積疲労」が溜まって、段々会社に行けなくなります。

休みがちになり、コール音がすれば震えが止まらず、トイレで嘔吐が続きます。

最終的には、震えや気絶に近い過呼吸で、隣に病院があったので、そこに頻繁に運ばれては、点滴。

やがて「欠勤」が多くなり、上司から怒鳴られる日々が続き、結局、体調がどんどん悪化していきました。最後には、ヘッドセットすら、嫌になりました。

人間関係とかは、よかったんですが、やはり自分にはコールセンターは向いてないと思いました。

そのときの私は、ヘッドセットでの耳鳴りや、メンタルからくる「鬱」「食欲不振」「涙が止まらない」「電話が怖い」などの症状で、実家に引きこもりました。

最後に務めたールセンター

しばらく事務とか司書で働いていたのですが、とある事情から時間を短くし、週に3日程度のバイトを探していました。しかし、近くにそういうところがなく、派遣会社さんから「午前中」だけの「コールセンター」を紹介され、家族と相談して、仕方なくまた行くことにしました。

その会社は、シニア世代の方を積極的に雇用していました。

シニアの方たちは、いつも楽しそうに笑顔で仕事していたり、友達が増えたりするので私たちの年代よりも、特にアポインター(営業の電話をする人)も、すごく若い人に比べ、成績が凄いです!

「健康食品」のターゲットは、年配の方が多いので、お話が合うのか合わせるのが上手なのか、スムーズに話が進んで契約を取ります。

最近のコールセンターの明るい話題・働き方改革

「コールセンター」の課題は、たくさんありますが、少なくとも私のころより少しずつ職場環境に変化が生じつつあります。

2020年のコロナを機に政府が唱える働き方改革等で、在宅でオペレ-ターの仕事を募集している企業さんが増えています。

在宅で仕事をしたい方は、小さなお子様がいる主婦の方が多く、時間に融通がきくため、2~3日とか、午前中だけ等の条件で働けます。

在宅なら、子どもさんから目を離すことなく働けるため、喜ばれています。

メンタル面・働き方・人材をとても大事にしていて、人気のコールセンター専門の会社もあります。

現在では、AIのChatbot(チャットボット)とオペレターの「人」が一緒にお客様のお相手をする形を取っている企業が増えています。

質問したいことがあれば、オペレーターの代わりにAIのChatbot(チャットボット)が、詳しく答えを返してくれるというシステムです。

結果、人間のオペレ-ターやアポインターの負担が、かなり減ったというデータもあります。

コールセンターの電話対応の技術を競う、「応対品質管理」という全国大会もあります。

正式名名称は「電話応対コンクール」です。

毎年開催されているコンクールで、日本電信ユーザー協会が、昭和37年ごろからはじめました。

引用元:第64回 電話対応コンクール全国大会㏌仙台 開催日 2025年11月14日

 

こちらの大会は今年度終了しております。

中には、個人で受賞された方もいらっしゃいました。その方は、「コールセンター」という仕事に、誇りを持って仕事されてました。話し方も、すごくスムーズで、日本語がきれいにきこえます。

相手が見えないのに、常に笑顔を絶やさない方も、いらっしゃることに驚いたこともあります。

少しずつ、「働き方改革」などで、「コールセンター」のイメージが、少しポジティブに感じることができました。

コールセンターについて思うこと

最近は、「カスタマーハラスメント」という言葉も出てくるほど、お客様側の態度も問題になっていますが、「働きづらさ」の根本は企業側にもあると私は思います。

記事でも紹介したAIなども出てきていますが、やはり、私は向こう側に人がいるほうが、安心します。
でも、企業側がどれだけ「コールセンター」で働く職員を大事にしているのかな~と思います。

人材は「モノ」じゃありません。

ろくな研修もせずに現場に立たせて、研修期間中に、辞めていく。

辞めればまた人材派遣会社に声をかけて人を集める。

そうした繰り返しをまだやっている企業側が多いと感じました。

そして、精神的だったり、耳を患ったりして辞めていく人も多いことも現実で、考えてほしい問題です。

実際にコールセンターで働いて、病気がひどくなった私。

私は今でも自分の携帯が怖いときがあります。

トラウマになるまで働くほど、私は強くはありません。

二度と、コールセンターで、働きたくはないです。

でも、ちゃんと、マイナスだけなく研修で習ったこと、例えば、「言葉遣い」「電話のマナー」などは今でも役に立っているので、無駄ではなかったと今なら思えます。

コールセンターに関しては、人材会社に頼るのではなく、一度ちゃんと企業側が「コールセンター」を整備して、現場で働くことになる「人」をちゃんと「人」として雇用してほしい、笑顔で働ける職場になってほしいと思います。

コールセンターの女性2人と男性1人が笑っている。

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