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この度、TANOSHIKAの今を伝える広報誌『TANOSHIKA TIMES』のVol.13が発行されました!
今回は、2025年3月15日に執り行われた、経営方針発表会について、お伝えします!
前編では、弊社代表嘉村裕太に、経営方針発表会の感想や手応え、今後について徹底取材しました。
インタビューしたのは、島川、salad、Pink、どんはれです。
嘉村の言葉は全て太文字で記載しております。
【社長】嘉村さんへの質問
島川:今回の経営方針発表会を終えての感想はいかがでしょうか?
株式会社SANCYOは、今年の9月で10年なんですけど、会社の期としては、10期っていうところで、10年の振り返りを行いました。資料の作成などをしている時に、『10年経った』っていう、感慨深さのようなものがありました。その次の10年に向けて、プレッシャーもありますが、例年と比べたら一味違う感情がありました。
経営方針発表会も今期は馬渡さん達が頑張ってくれて、僕が知る限りでは一番のいい出来だったのかなと思いますし、自分の発表もシュッとしました。
だらだらと話すのではなくて、短く伝えることであったりとか、1年単位でやはり僕達の発表の内容とか、発表会自体もより良くなっているので、それを凄く実感できた年だったなっていうのを思いました。
島川:来賓からの感想は何かございましたか?
来賓からは毎年、感想をいただきます。
『TANOSHIKAらしさ』という面でも褒めていただけるんですが、働いてる方のことを褒めていただけることが何よりも嬉しいなと思いました。
具体的に言うと楽しそうにされていることとかですね。
あと、出し物って、僕も何があるか分かってないんです。
踊りだしたりとか、毎年、どんな出し物があるか楽しみにしているんですけど、みんな楽しそうなので、私も嬉しく思いますね。
そういう意味では場面場面で参加者にもなれるので、純粋にワクワクできて、嬉しいなと思っています。
島川:印象的なシーンがあれば、伺っていいでしょうか?
それはもう、島川さんと岡部さんですよ。(笑)
島川さんのジョーカーと岡部さんのバカ殿のクオリティの高さ、もう一切妥協することなく
恥ずかしがるとかでもなく、もうやり切ってくれたんです。
これは、誰にでもできることじゃなくて、島川さんも岡部さんも、そのあとの懇親会もバカ殿やジョーカーの仮装のまま行っているんですよね。(笑)
お二人の姿から、『帰るまでが遠足』みたいなことを感じましたね。
やはり、そういう人がいると、会場のレベルがぐわーっと上がるわけなんですよね。
そこが、あっぱれだなと。実はそこだっていうところですね。島川さんは流石だなって。(笑)
みんなが知っている顔の島川さんなんですけど、みんなが知ってる顔の島川さんがあの顔で会ってるんですよ。ギャップが凄くて。
登場シーンはまず、岡部さんのアイーンから始まったんですけど、会場がどよめきと、まだ事態に追い付いてないんですけど、そこからジョーカーと二人してアイーンしていて、もう楽しくて楽しくて。来賓の方も、「やっぱ違うね」、という感じでしたね。(笑)
こういう出し物って、やはり、やっていたら空気感ってあるじゃないですか?
失敗すれば大滑りする感もあるんですよね。
でも、会場飲み込むぐらいやってる人も堂々としているから、そうなると、滑るような空気じゃなくて、凄い笑っている人もいれば、凄いなって思ってる人もいれば、感動している人もいて。
瞬間瞬間、場を搔っ攫う感じが本当に凄いなと思いました。(笑)

島川:今期を振り返って、どんなことが達成できたとお感じですか?また、課題があるとすれば、どんなことでしょうか?
経営発表会を毎年行っていく中で、目標って毎年あるんですけど、実は、達成できなかったことの方が多いんです。
10期も達成できなかったことのほうが多いんですけど、チームとして会社として、目標に向かっていく姿勢ができたことは、私の中では達成感はありました。
こういうことって、目に見えないんですよ。
目に見えないけど、日頃の姿勢とかチームの変化とか、そういったこともトータルで考えてみると、例年課題課題って言っていたものが、今期は「手応えがあったな」と凄く感じました。そこに尽きますね。
島川:来期の目標について、伺ってもいいですか?
来期の目標は、会社として10年経って、次の10年を描いていく上で、日頃から常に言っているビジョンや、『インフラになりたい』というのは、変わらないです。
ただ私達って、国認可の事業である以上、国からの方針ががらっと変わって、A型が一気になくなったりとかもすることがあります。
本当に一生懸命やっているから続けられるわけじゃない業種でもあったりするんですよ。
その中で『潰れてはいけないためにどうするか』ということと、『やりたいことをどうやって達成していくか』っていう両軸があって、それを引き続き、次の10年もやっていかないといけないんです。
会社として10年頑張れてこれたことへの自信もありますし、
来期からこれまでの10年分の頑張りが実になるところがあって、
次の10年に対するプレッシャーもあれば、自信もあれば、頑張ってきたっていう成果が来期から繋がっていくことが凄く楽しみでもありますね。
具体的な内容については、実は本期の経営発表会で発表するので、まだ言えないことが結構ありまして、今までは経営発表会やるタイミングで資料作っているんですけど、次からはですね、現時点では言えないこともあります。
いい発表ができる為にも、まだ言えないことがあったりします。
利用者さん、社員さん、クライアント、連携機関など、色んなプレイヤーの方が存在するので、そうしたところを気にしながらやっていかないといけない部分があります。
ただ、次の期からは会社としては、非常に楽しみな期になっていくと思っています。
島川:今期は記念すべき創業10年目を迎えます。次回の経営方針発表会はどんなものにしたいなど、構想はございますか?
まだ完全に決まっていませんが、設立10周年という場を借りて、これまでの感謝を伝えるというのは、考えています。
経営発表方針会は、株式会社SACYOで働くみんなに向けて、振り返りと未来の話をする場なんですけど、10年経ったっていうところで、働いてるみんなや、関係している人達に対しても、感謝の場をっていうのは、1つテーマとしておきたいなと思います。
それが経営方針発表会と一緒になるのか、別の場を設けるのかっていうのは、まだ決めていないのですが、先ほども言ったように次の10年に向けてちゃんと発表したいというのもあるので、どうしていこうかって悩んでいますね。
2つともやるとなると、凄いボリュームになってしまうので、これから考えて行こうかなと思います。
salad:TANOSHIKAの経営方針発表会はとてもユニークだと思います。何かコンセプトにしているものなどはありますか?
コンセプトっていう訳ではないんですけど、全部がきっちりした、堅苦しいだけではなく、その日が「楽しかったね」って、いい思い出として残しておいてほしいところはあります。
経営方針発表会って名前だけ聞くと堅いじゃないですか。
確かに、業績発表っていうのは、振り返りがあって、課題もあったりするので、堅いものだと思います。
ただ、もちろん真剣なものなんだけど、真剣だからみんなが伝わっていればいいのか、と言われれば、決してそういうわけもでもなくて、未来に向けて考えた時に、僕たちは『TANOSHIKA』なので、楽しい部分も必要だなと思います。
きつくしようと思えば、場面事できついことってたくさんあるんですが、会社って「真面目にやる、きっちりやる」と色んなこと言い出すと、全部そちらに寄っちゃうんです。
だからこそ、楽しいことも織り交ぜて楽しいことも、文化にしていかないと、TANOSHIKAらしくなくなってしまうので、『思い出に残る楽しさ』っていうのは、あえて言葉にしたことはないのですが、コンセプトと言えばコンセプトかもしれないですね。
例えば、会の最初に司会のお2人が、来賓の方のご挨拶の時にポーズを求められていて、僕はビクビクしたんですよ。(笑)やはり、来賓の方って、関係が古い方もいらっしゃれば、やはりお堅い方というかですね、正直な話、物凄く目上の方もいらっしゃるので。
なんですけど、全員がポーズをとってくれたんですね。
全員ご挨拶と同時にポーズをされていて、意外だったし、ありがたかったし、要はそういう場を作ってくれたのが司会のお二人なんですけど、そういったところから始まるっていうのも私は知らなかったんですよ。
それを、「来賓に向けて何してるんだ」とか、「司会を真面目にやれ」とか言い出すと、キリがないじゃないですか。
だからあえて、そこは自由にやってもらって、それも許容する空気感といいますか、そういうのがいいんじゃないかなって思っています。
どうしてもやかしてしまったら、後日の反省としてですね。
ただ、毎年のようにこんな感じのことをやっているので、来賓の方も多少分かってくれていると思いますし、「TANOSHIKAの来賓で行く以上、そういう感じでいかないと」と思ってもらえていると思うので、いいと思います(笑)
salad:今、私はチャレンジャーとして就職活動やお仕事をがんばっています。 嘉村社長からみて、チャレンジプログラムの現状はどう見えてますか?
半年ちょっと経ちますけど、実際にやってみて、多くの方が就職に行ったっていうところは、凄くいい結果だと思いますし、そこで働いてる方は、凄く試練を受けてる環境だと思うので、私達としては、やってよかったなって思っています。
それと同時に、働いてるsaladさんが受け取った印象とか、現場の支援さんも含めて、チャレンジャーについてもう少し伝えていかないととも思っています。
経営発表会でも平野先生がチャレンジャーのことは今回、しっかり言及されていて、より利用者さんに伝えていきたいなって思うことが、たくさんありました。
利用者さんのチャレンジの場であるチャレンジャーは、支援の場から一つステップアップして、頑張っていくところになると思います。
はたから見ると、あんまり変わらないと思われがちだなんですけど、実は普段より支援がなかったり、時間が延びたり、課題があったりして、事業所と違う働き方になるし、ミニマムな人数で働いている中で、就職に行かれる方が身近から出るので、チャレンジャーを担った皆さんにとって、ちゃんと自分に影響があるんですよ。
saladさんも感じているかもしれないんですけど、利用者さんの1人が就職したら、事業所だったらみんなでお祝いするぐらいじゃないですか?
チャレンジャーの場合って、本当にプレッシャーが凄い環境だと思っていて、そのプレッシャーが凄い環境というは、大きいんだけど、本当に見えづらいんですね。
A型と違って、雇用契約が3か月更新で、それも決して自動更新っていうわけではなく面談もあります。その環境の中で、若干ひりひりしながら自分の成長だけではなく、周りの成長を目の当たりにするのは、ものすごく大変だと思います。
その中でも、そこで「就職に行かないから駄目」とかじゃなくて、そこを再確認していく場所かなと。A型は性質上、継続的に利用できて、「1年後に就職」という目標が1年後には叶わないとしても、決して駄目じゃないんですけど、在籍期間が長くなることがあります。
半年という期間で就職を目指していくので、そういうひりひりとした空間っていうのがチャレンジャーにはあります。
実際に進めて行く中で、『環境が変われば、就職に行けた方がたくさんいる』という現実があったんですよ。
これは僕達もA型のメンバーの就職や、ステップアップができると信じてやってる上で、「A型のこの環境が本当にいいのか?」って疑う理由にもなるんですよね。
これは、まだ僕達も答えが出ていなくて、これから確認していかないといけません。
A型もどんどん進化していくと、より個別の支援体制をできるようになっていく必要があるんですけど、個別の支援が○○さんは6か月、○○さんは1年とか、より私達もその方に適した期間とか、試練とか、成長とか、課題とか、なりたい自分を一緒に考えていく必要があると思いますね。
平野さんが、ものすごくチャレンジャー・利用者さんのステップアップや、利用者さんが世の中で活躍するようになることを個人のミッションとして取り組んでいらっしゃる中で、「その方にとって、どういう環境を作るのか」という場をTANOSHIKAとして作れたことは、まずよかったと思います。
その中でやってみて分かるものもあったし、A型に何を落とし込んでいかないといけないのか、チャレンジャーとして今後どうしていくのか、他に何かできることがないのか、そういうのをやってみて感じさせられたところはあります。
Pink:「インフラになりたい」という考えはとてもすばらしいと思うのですが、多くのA型事業所が閉鎖している現状で、どのようにしたら実現できるとお考えでしょうか?
「インフラになりたい」ということに関しては、変わらずやっていこうと思っています。 その中でA型事業所の出店に関しては、去年の発表と大きく変わったことがあって、去年の発表では「福岡方面の大橋に出店したい」って言ったんですけど、現状その出店予定は中止になっています。
理由としては、生産活動を作っていくにあたって、距離が離れればその分難しくなるんですよね。
ですので、企業さんと、コラボレーションやアライアンスが可能である場所であれば、引き続きA型の出店を行っていきたいと考えています。
相談支援事業所は、変わらず出店はやっていこうと思っています。
そこに向けたチーム作りとして、『ネクストリーダー』という社内で次の所長候補を設けて、更なるステップアップを促しています。
あとは、相談支援と就労支援っていう、『生きづらさ』、『働きづらさ』の分類をしているんですけど、少しこの幅を広げてみようと思っています。
経営発表会の時にお伝えしたのは『ショートステイ』ですね。
もしかすると、皆さん馴染みがないかもしれないですが、グループホームというものがありますが、簡単に言うとショートステイもグループホームなんですよ。
ですが、ショートステイっていうのは、1日単位なので、グループホームの10部屋あったら、1部屋だけがショートステイで体験で使われている様な形が福祉サービスとして一般的で、『併設型』と言われるものなんですけど、TANOSHIKAが今後やっていきたいなと思っていることは、ショートステイの『単独型』です。
そして、それを児童さん向けにやろうと思っています。
これは何をしたいのかっていうと、大きくは、『親御さんのレスパイド』です。
レスパイドって「休息」って意味なんですけど、障害がある児童さんの親御さんって、付きっきりでお世話をされていたり、障害っていう世界に全く足を踏み込んでなくて、自身のお子さんが何かの障害とか病気を抱えて、そこから学んでいくんですけど、親として追いついてない時ってたくさんあるんですよ。
ずっと長く一緒にいるからこそ、大変な時って本当にたくさんあるんですよ。
そんな時に週末でも、そのショートステイにお子さん預けていただいて、親御さんは親御さんでリフレッシュして、お子さんも、お子さんでリフレッシュしていくっていうサービスになりますね。
ただリフレッシュするだけではなくて、大人になって急にグループホーム、というわけではなくて、グループホームとか、一人暮らしする、もっと言うのであれば、『親が亡くなったあと』に慣れていく為に、一人暮らしをする練習とか、そういったものを福祉サービスして提供できるのがショートステイの単独型なんですね。
そうしたこともあり、僕達の場合は大人ではなくて、児童さんをメインで考えています。
『生きづらさ』のほうのビジョン達成に向けてそういうことを考えていますね。
私たちがなぜ、グループホームはしないのかというと、世の中にはグループホームたくさんあって、今、TANOSHIKAがグループホーム作ったら、TANOSHIKAにもたくさんの方がいらっしゃるし、相談支援でも関わっている方がたくさんいるので、グループホームを作ったら利用したいって思っている方はいるかもしれないですよね。
ただ、TANOSHIKAがもし、グループホームを作ったとしても、他のグループホームとの違いってないんですよ。
ただ、TANOSHIKAが運営しているだけになってしまうんですよね。
素敵な方を採用して、質のいいサービス、質のいい支援を提供するというのは変わらないんですけど、それなら、地域にあるグループホームと連携してグループホームは、グループホームのがやっていること、TANOSHIKAはTANOSHIKAでやっていることとして、連携していくことのほうが大切ではないのかなって思います。
TANOSHIKAが全部やろうと思えば全部やれるんですけど、全部やることが正しいことではないと思っているので、グループホームはそうやって連携をしていく体制の方がいいんじゃないかと思っていますね。
あれもこれもやっていくとばらけちゃうんですよね。
A型の支援、相談支援に絞って10年やってきても、まだまだできることっていっぱいあると思います。その中でショートステイの話は、先ほどいった単独型って、久留米に一か所しかないんですよ。 全国的にもほとんどないんです。
TANOSHIKAがクリエイティブを作った時もそうだし、ファーム作った時もそうなんですけど、『選択肢を作って喜ばれた』ことってあったんですよね。
なおかつ、そのサービスに魂を注いできたっていうのが今まである中で、TANOSHIKAがやって必要とされるサービス、ビジョンにそぐわないサービスっていうのをずっと探している時があったので、その中でショートステイ単独型っていうのは、実際に見てみて、今までの経験も温めて、我々がやることを想像していく中で、これはやりたいなっていう風に思っています。
これは経営発表会でみんなに伝えていることなので、お伝えしていいのかなとは思っています。まだイメージが湧きづらいとは思うんですけど、そういうことがあるよ、ぐらいに思っていただけたらなと思います。

どんはれ:久留米における、TANOSHIKAの役割はどこにあると思いますか?
これはいい質問だなと思いました。
まず先ほども話したように、選択肢がない中でTANOSHIKAができて、選択肢を伝えられたというのはあるんですけど、農業やITの選択肢って、ポピュラーになってきてるんですよ。
もちろん、TANOSHIKAだけのものじゃなくて、他のところでもたくさん出てきているなっていう意味では、「あぁ、良い時代になったな」と思うんですけど、就職に送り出すA型っていうのは、やはり全国的に少ないですね。
年々増えているってのは、国の方針がそうなっているので、それに合わせてやっているだけで、僕達はそうなる5、6年前から少しずつコツコツと積み上げて独自の制度設けたり、独自の担当者がいたりっていうことをやってきているので、真似できているところは、ないのかなと思っています。
そういう意味ではA型っていう福祉サービスの中で、自分に合った仕事を体験できながら就職に送り出してくれるっていう事業所というのが、TANOSHIKAの役割だと思います。
相談支援事業所に関しても、 5、6年前だと、相談支援専門員が事業所に1~2人っていうのが、世の中の相談支援事業所の定義だったんですよ。
90パーセント以上は1人だったと思います。
これも国の方針も変わって、相談支援同士で連携していくことが求められるようになりました。これは、もし、誰かが辞めてしまったりとか、急に亡くなってしまったりとかした時に受け持ってある方は100名単位なので、その方達を放置するのは、良くないよねということで、国が相談支援事業所に少しずつ目を向けてきたってところはあります。
うちの場合は6人いるので、約400名以上の方の支援に入れているんです。
これは、TANOSHIKAがなかったら400名以上の方が支援を受けることができないという意味でもあるんですね。相談支援が連携の取れたチームとして、お手本となっていく意味でも相談支援の地域での役割は非常に大きいのかなと思いますね。
TANOSHIKAがやるサービスってのは、常にそういうものだと思っていて、ただあるわけじゃないんですよ。
役割としては、就労は先程伝えたように、色んな仕事の経験ができる中で、就職に送り出していける事業所っていうのは、久留米にはない、他のエリアでもほぼないと思います。
相談支援なら地域を支えてるっていう自負があると思いますし、そこがTANOSHIKAの役割、今のところはそれが役割かなと思います。
私達はですね、マインドとしてはオープンなんですよ。
10年前に作った時から、他の事業所にお仕事一緒にやりませんか、という姿勢だったんですけど、今でも(ほかの事業所って)閉鎖的なんですよ。
閉鎖的なことの何が悪いのかっていうと、例えば、とあるメンバーさんがTANOSHIKAで働いてみて、「違うな」って感じた時に、メンバーさんのニーズが「家が近い」とか、「うちがやっている仕事じゃない仕事をしたい」と思って、他の事業所さんに移る希望が出たとするじゃないですか。
私達の場合は、他の事業者さんに繋げて、メンバーが働きやすいように、確認を取って、情報の交換とかしていくんですけど、そこが閉鎖的だと対応できないんですよ。
そうなると、メンバーが1人で頑張って向こうに行くしかないですけど、利用者さんにとっても初めてのことなので、不安も緊張もあるし、もしかしたら、他の事業所だと働きやすい環境に繋がることだってあるじゃないですか。それがプツンと切れちゃってると、誰もいい思いをしないのですが、そういうことってまだ結構ありますね。
仕事を振りたくて連絡したのに、電話が繋がらないってこともあったりとか、逆にたくさん振っても、変な話、お礼1つもされない時もあってですね。(笑)もちろん、お礼を求めているわけではないんですけど、そういうマインドっていうのは、巡り巡って、メンバーに不利益になってるし、支援員さん達の成長の機会も阻害してる思いますね。
salad:先日、養護施設の職員さんとのインタビューがあったのですが、その中で施設の中でも発達障害やいわゆるグレーゾーンと呼ばれる子どもたちが増えているそうです。
TANOSHIKAでは、今後の事業として子どもたちや、グレーゾーンと呼ばれる方々への支援などは考えていたりしますか?
そうですね。 もちろん今後何かに取り組む可能性もあると思うんですけど、お子さん達のグレーゾーンって、本当に難しいんですよ。
何が難しいかっていうと、知能指数だけじゃ判断できないものもありますし、その人の特性が強みなのか、弱みなのかっていうのも、まだ確認ができないんです。
大人になってからだと、仕事したり、何か趣味でチャレンジしてみたり、そういう機会があるのですが、児童の時は、まだ触れることができる環境が少ないので、強みか弱みかも分からない時期でもあったりするんですよね。
私達の業種は医療ではなく、医療の診断を基に福祉サービスを提供しているところがあるので、そこは僕達自身も履き違えてはいけないと思っています。
ですので、『やりたい』というのと、『できる』というのは、切り分けながら考えていかないといけないです。
放課後デイサービスや児童発達支援に関しては、TANOSHIKAはほぼ無知なので、そこを急に取り組むことはないかなと思いますね。
先ほどのショートステイでかかわる方に関しても、まずは広く浅くなんですよ。
強度行動障害の児童さんに何かを提供するというよりも、「まずはレスパイトが必要な家庭」に、というところで、広く浅くなんですよね。
そういう意味では、僕達もまだ入口ですね。今後どうしていくかはまだ決められていないので、この質問の答えは綺麗には言えないところがまだありますね。
レスパイトケアって親御さんのケアでもあるじゃないですか。そういった仕組みであればTANOSHIKAらしい何かができるのではないのかなって思いますね。
Pink:こういった形で直接社長にインタビューさせていただく機会とかって、なかなかないと思います。
本当にありがたいことだと思いますし、今後も、こういった形で、直接お話をさせていただく機会をいただけたら本当にありがたいなと思って、それをお伝えしたかったです。
ありがとうございます。
いえいえ、 僕も本当に嬉しくて、経営方針発表会は1年に1回、伝える場なんですけど、一緒に働く人が増えていくと、伝える場って実は、どんどん減ってくるんですよ。
伝える場というのが減ってくると、「今、自分って何してるんだっけ」、「なんでここで働いてるんだっけ」とか、「この会社ってどこを目指しているんだっけ」という状態になって、忘れがちになってくると思うんですよ。
なので、経営方針発表会もやるし、広報誌は、社内向けじゃなくて社外向けにできる限り伝えていきたいと思ってやっています。
TANOSHIKAや、FARMって名前も知ってるけど、何の仕事してるのか、どんな人働いてるのか、どういう考え方なのかとかっていうのを、より地域の人達、社会の人たちに伝えていく場でもあったりするので、ありがとうございますって言ってくれるのは、嬉しいんですけど、僕からもこうした場を設けていただいて、嬉しく思っています。
こういう伝える場であったり、発表できる場を設けていくこと、こういうのが増えていかないと、どんどん薄くなってくるので、私もこうやってインタビューにお答えできる時間というのはありがたいなって思います。

【後編へ続く】
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