『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』の発売から考える、進んだ障害者への差別、分断、偏見。

職場の「困った人」をうまく動かす心理術

この記事は約 6 分で読むことができます。

こんにちは、翼祈(たすき)です。

2025年4月12日にSNSで告知され、2025年4月16日の夜にネットニュース化された、一冊の問題作が、物議を醸しました。

そのことで、特にSNSを中心に反対派と、擁護派が対立してしまう事態になっています。

2025年4月18日に、本の出版社である三笠書房が声明を出しましたが、より火に油を注いでいます。

私は読みたいとも思いませんが、障害者なので、反対派の意見になります。

何度か次の日を迎えても、騒動が収まるどころか、対立が深まっていく構図となっています。

確かにそれは嘘ではないかもしれないし、障害者ではない人が私たちを観ている世界は、そう見えているのかもしれません。

ですが、その本が発売されることで、「合理的配慮」が進む中で、障害があって、困難を持つ人に、生きづらさが増えてしまったら…。

その本が発売される前と後で、私たち障害者が生きる世界と、見える景色がまた変わってしまったと思います。

今回は、『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』を、障害者の立場として考えた、この本の問題点について、考えていきたいと思います。

2025年4月発売予定、『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』が与えるマイナス点とは?

『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』の表紙

 ●なぜ、いつも私があの人の「尻拭い」をさせられるのか?

「あの人、いつも私に仕事を押し付けて、自分はふらっといなくなる」

「どうして私だけが、損な役回りを引き受けなくてはいけないの?」

こんな“イライラ・モヤモヤ”を抱えたことはありませんか?

多くの「真面目ないい人」を苦しませる、職場の「困った人」たち。

本書では、彼らを6タイプに分類し、それぞれの言動や思考の裏側を解剖することで、戦わずして勝つためのテクニックを紹介します。

画像・文章引用元:著者:神田裕子 三笠書房 職場の「困った人」をうまく動かす心理術

この本は、

余り詳しく書くと、傷付く方もいらっしゃるかもしれないので、後少しだけ軽めに書きます。

本自体は、2025年4月22日(火)か、24日(木)発売予定だと言われています。

この本は、障害を抱えている人たちを動物としてイラストで例えて、「困った人」として、紹介した本だと言います。出版社も、有識者を交えて、何度も意見交換をしながら、審査に通過し、発売されます。

本の中身を紹介した取り上げた記事が出て、SNSを中心に世の中で議論を集めると、多くの人がその本を手に取ろうとして、出版社によると、初版分はネット通販始め、ほとんどの場所で予約受付が終了しているといいます。

本の帯には、『尻拭いさせられる』と書いてあります。

この本は、障害を抱えている人やその人を支援する関係者の方、医療従事者などを中心に反感を買いました。

それと同時に、「そうだよ、当たっている。尻拭いさせられている」と、健常者から観た障害者という観点で、その本に同意する、否定的な意見も、同様に言われました。

この騒動はとても大きな分断を生んでおり、障害福祉などに従事していない、一般的なライターと言われている人たちも、「この本を出すべきではなかった」と、声を上げています。

2025年2月16日、「出版社に、障害者を動物に例えて本の中で描く様に、言われました」とイラストを手がけたイラストレーターはSNSで謝罪しましたが、出版社は争う姿勢で、出版の差し止めをするつもりはないそうです。

私が障害者だからか、自然とSNSのタイムラインに並んでいた、今回の問題作。

私も、こういう本が発売されることが、非常にショックでした。

誰でも人に迷惑をかけたくないと思っているし、誰しも好んで、障害者になった訳でもない。

この本のことを反対だと言う人は、『「困った人」ではなく、「困っている人」だよね』との意見もあります。

この本を出版することは、世論が真っ二つになる、そう障害当事者である私も予想が付いたと思いますが、そうなるとは何度も出版までに話し合いが行われていく中で、そんな声が無かったのか?、と疑問も残ります。

この本が発売されることで、心の中では障害者のことを良く思っていなかったであろう人も、強い言葉を使いながら、SNSで発信する様になった。その意見がダイレクトに入ってくることが、とても辛いです…。

以前から、障害者とそうではない否定的な意見を持つ人の対立が多かったですが、この本が発売されると発表されてから、強い批判の声もさらに聞かれる様になって、さらに生きづらさを感じました。

世の中には、人の心を壊す言葉で溢れているー。

私も生きづらさを感じて生きています。私も、悪意のある言葉を向けられても、一人の人間として、強く生きていたい、そう感じた、今回の一連の動きでした。

関連記事

まいどなニュース 自閉症はナマケモノ、ADHDはサル、発達障害や精神疾患を動物で分類し「職場の困った人」扱い「うまく動かす心理術」カウンセラーの新刊「差別を助長」と物議(2025年4月16日公開)

JDDA 発達障害当事者協会 三笠書房刊行予定書籍に関する質問状の送付について(2025年4月17日公開)

原田隆之 筑波大学教授 大炎上した「発達障害」本:一体何が問題なのか(2025年4月18日公開)

Newsweek 『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず出版すべき本である(2025年4月19日公開)

大人女性がホンネに向き合う 女性SPA! 「信じられない…」「差別を助長してる」発売前のビジネス本が炎上しているワケ。表紙イラストにも批判集中(2025年4月19日公開)

noteでも書いています。よければ読んでください。

→HOME

職場の「困った人」をうまく動かす心理術

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、高眼圧症、脂漏性皮膚炎、右手人差し指に汗疱、軽く両膝の軟骨すり減り、軽度に近いすべり症、坐骨神経痛などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。