2023年から博多駅に、障害者など用のピンクの優先エレベーターが登場!実際に見た課題とは?

ピンクのエレベーター

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

私は、コロナ禍が明けてから、2023年の夏と、2024年の秋に、福岡県福岡市の博多駅に行きました。その際に、「あれ?これってテレビで紹介されているのを観た様な…」と思ったのが、障害者など用のピンクの優先エレベーターでした。

私も今でしたら乗れるのですが、2023年に博多駅にある書店に用事があって行った際、まだあの当時ヘルプマークも着けておらず、内部障害の私であっても、乗ることができませんでした。

2024年の秋、1年以上ぶりに博多駅に行って乗ってみると、内情が変わっていました。詳しくは、最後の自分の感想に書きます。

ベビーカーや車椅子などを利用する障害者などが、満員でエレベーターになかなか乗れない社会問題では、階段などの高低差がある場所では、移動できないのが車椅子です。

「優先」や「専用」エレベーターにも関わらず譲って頂けないエピソードを介して、YouTuberの渋谷真子さんを始めとする複数の車椅子を利用する人たちが2022年から2023年にかけてSNSで当事者が声を挙げ、メディアも取り上げる中、JR博多駅の駅ビルによる解決策に注目が注がれていました。

今回は私が実際に2023年の時と2024年にこのピンクの優先エレベーターを観たり、乗ったりしてみて、感じたことを踏まえながら、この社会問題について、考えていきたいと思います。

博多駅に、ピンクの優先エレベーターが登場。どんな人が乗れる対象?

ピンクの優先エレベーター

JR博多駅の商業施設「JR博多シティ」内に、ピンク色に施されて、人目を引くエレベーターがあるとSNSで話題になりました。

障害を抱えている人が利用できる設備」「高齢者優先設備」「妊産婦優先設備」「障害を抱えている人・怪我人優先設備」「ベビーカー」「難病や内部障害、初期の妊婦など外見からは分からないけど、助けが必要なことを伝えるヘルプマーク

のピクトグラムと「専用」の文字が大きく表示されています。

エスカレーターや階段で移動できない人たちによる「エレベーターになかなか乗れない」という意見は、2011年3月に「JR博多シティ」が開業した年から届き、試行錯誤し続けてきました。

元々、2016年8月から博多バスターミナル方面にある「ハンズ側エレベーター」の中の1基を「専用エレベーター」としていましたが、

専用の対象となる人からは「見た目では分からないですが、自分は対象者です(障害者手帳を見せないと乗れないのか?)」「対象でない人が乗っているので困る」などという意見、「専用」の対象とならない人からは「対象者がいない時には、利用しても良いではないか」「専用エレベーターは必要ない(混雑が解消されない)」「ベビーカー、車椅子の同伴者に制限をかけるべきだ」などの意見も届いていました。

参考:解決しない…車いす利用者らが「エレベーター乗れない」問題→ひと目でわかる取り組みが話題に 商業施設に聞いた まいどなニュース(2023年)

そこで少しでも問題が解決できる様に、場所も中央エレベーターへと変更してイメージも一新し、「JR博多シティ」に、2023年3月17日に目立つ様にラッピングして、設置されたのが1基の「専用エレベーター」でした。

私が2023年と2024年にこの優先エレベーターを観たり、体験したりして、感じた社会問題

2023年の夏に初めてこの優先エレベーターを観た時に、「あ、自分は対象者だから乗れる」と思っていました。

しかし、ヘルプマークを着けていなかったこと、あの当時、中に「貴方は入れませんよ」という駅のスタッフがエレベーターの中に常駐していたことで、主に妊婦さんやベビーカーを押す人しか乗っておらず、私は乗ることができませんでした。

2024年の秋、久しぶりに博多駅でハンドメイドのワークショップに参加しようと博多駅に向かった時、まず目に着いたのは、ピンクの優先エレベーターを紹介のために敷いてあるマットがかなり足跡で汚れていたこと。

「あれから、1年以上経つし、そうなるだろう」と思っていましたし、ヘルプマークを着けていたので、乗ってみたのですが、

このエレベーターは、人が殺到していてなかなか1階まで降りて来ない通常のエレベーターより早く来ることで、混みやすいエレベーターより比較的乗れる時間も早いです。

他のエレベーターより階に着くことが早いことで、「早く乗りたい」と思う、普通の人も乗ってしまい、元々想定されていた人が乗れない事態になっていました。

2024年になって、中にスタッフも常駐しなくなったことで、生まれた問題だと思います。

人によっては、「あ、これ障害者とか妊婦とか、高齢者対象のエレベーターだったんだね。入り口が開いたから乗ったけど、間違って乗ってしまったね」と、言っていた人もいましたが、

実際には、ベビーカーもなく、友達同士の家族連れや、インバウンドで日本に来た外国の人などが、密集し、身動きも取れない位、人で溢れ返っていました。

実際にエレベーターを希望する車椅子などの人が乗ろうとしても、スペースはなく、そのまま人が上まで行って降りて、空くのを待つしかない状況でした。

元々、優先エレベーターとしてできたものが、本末転倒となり、運用開始した当時、気持ち良く使えたという、障害者などの声とは程遠い、元々そういうものがなかった当時に戻ってしまった、と感じました。

JR博多駅のエレベーターが前から混むのは、よくあの建物の映画館で映画を観に行っていた時期もありましたし、知っています。

ですが、2024年に初めて自分の乗ってみたことで、目に着いたこの社会問題に、「多分、誰が対象者かを知らず、他のより早く乗れるエレベーターという認識になってしまっていると、もう2023年の様に、優先ですよ、と言っても、通用しなくなったんだろうな」と思うと、悲しくなりました。

ピンクの優先エレベーター

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎、右手人差し指に汗疱、軽く両膝の軟骨すり減り、軽度に近いすべり症、坐骨神経痛などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。