医薬分業の問題点

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こんにちは、金次郎です。

 精神科や心療内科などで、睡眠導入剤などを処方される場合は、1回の診察で原則として2週間分しか処方できません。
 これは過去に睡眠薬を一度に大量に飲んでの自殺が横行したからです。
 ただ、お薬の種類や容量によっては、4週間分処方できる薬もあります。
 私は最初の入院から、かれこれ33年ほど睡眠導入剤や抗不安薬を飲んでいますが、転居などで病院は5つほど変わっています。
 しかし、今の病院に変えてから約5年。
 現在行っている調剤薬局では、既に4回も薬を間違えて処方する事が起こっています。
 ここまでお薬を間違えられて渡された調剤薬局は初めてです。

病院と薬局の住み分け

 昭和の時代は、かかった病院の中に薬局もあり、診察が終わったらその薬局で薬をもらってそのまま帰宅できました。
 今は先生に書いてもらった「処方箋」と「お薬手帳」を持って、病院近くにある調剤薬局まで行って薬を受け取ります。
 今の精神科の前に行っていた心療内科は、住宅地の中にあり普通の家を改装した作りなので、パッと見は病院と分からない様にしていました。
 それなので団地のクリニックゾーンにある調剤薬局までが遠く、30分ほど歩いて行かなくてはいけない場所にありました。

医薬分業になったのは、いつからか?

 病院と薬局が分かれている「医薬分業」は、12世紀頃にヨーロッパに有ったローマ帝国のフリードリヒⅡ世が毒殺を怖れて、医者の処方した薬を親しい人物にチェックさせていたのが始まりと伝えられており800年以上の歴史があります。
 日本では明治時代に入って、医療の先進国であるドイツから色々と学び「日本は、医学と同じくらい、薬学の教育が急務である」と当時の明治政府に強く進言しました。
 それまで「薬舗主(薬剤師)」と言っていた薬の専門家を、1889年(明治22年)の「薬律制定」とともに、本格的な薬事制度が導入され、薬局や薬剤師の呼称が用いられるようになります。
 でも日本では、開業医が診察料よりも薬剤料で生業を立てていたこともあり、医薬分業は中々進まずにいました。
 しかし、1997年(平成9年)厚生省が約40ヶ所近い国立病院に対して完全分業(院外処方箋受取率70%以上)を指示したところ、急速に医薬分業化が進み2003年(平成15年)には、医薬分業率が50%を超えました。

今の精神科に転院してから

 現在通院している精神科は、住んでいる市内中心部の駅前と言う利便性と当時勤務していたA型作業所の近くでしたので「通院が便利」と言う事で即座に転院しました。
 また今の先生に変えてから、3種類飲んでいた食後の薬が1種類にまで減らす事ができました。
 しかし、調剤薬局でのお薬の間違い(調剤ミス)が多発します。
 一番最初の調剤ミスは「処方される薬の錠数が、少なく間違っている」と言うのが有り、お薬手帳を持って追加でもらいに行った事があります。
 その後も「薬のシートや錠剤の色は同じだけど、薬の名称が違う」と言うのが2回あり、やはりまた「薬が違うんですけど」と取り換えに行きました。
前回は「処方されている薬と同じ名前だけど、1錠のmg数が半分」の薬を渡されました。

※「1回分が半錠な薬は、シートから出して半分に割って紙袋に入れて処方されますが、紙袋の枚
  数は2週間分ありますが、たまに1袋に2錠入っている時も有ります」



終わりに 

 先週、診察が終わって調剤薬局に行ったところ、薬局長さんが私の顔を見るなり「こちらのお薬は、このmg数のお薬だったですね」と薬のシートを見せながら謝られました。
 補助の女性薬剤師さんからも「間違って渡してしまって、ごめんなさいね」と言われ、先週は処方箋のシートに書いている「薬名」と「mg数」を何度もじっくり確認しながら袋に詰めていました。
 私が現在受診している精神科のクリニックは、朝一で行っても待合室のイスに座れず立って待つ事があるほど患者が多いクリニックです。
 2年ほど前などは「ごめんなさい、待合室に入り切れないので、1時間ほど外を散歩しててもらえますか?」と受付の方に言われる事が何度かありました。
 医薬分業と言うのは「薬の事は薬の専門家である薬剤師に任せなさい」と言う事だと思いますが、患者数やその調剤薬局が担当している病院数が多いと流れ作業になり、間違いが多発してしまうのかな?と思っています。
 でも、「お薬だけは間違いは御法度で、下手をすれば患者の命にも関わるよな」とちょっと怖いです。

参考資料

(公益社団法人 日本薬剤師会) 医薬分業とは 
https://www.nichiyaku.or.jp/activities/division/about.html

     

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