「Take It Down」 にメタが出資。SNSから未成年の性的コンテンツ削除を支援

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皆さんこんにちは。Pinkです。今回はフェイスブックの親会社であるメタの出資を受けて、全米行方不明・被搾取児童センター(NCMEC)が立ち上げた「Take It Down」についてForbesの取材記事から思った事を書きたいと思います。

Take It Downとは何か

「Take It Down」とは子供や10代の若者が、自分の性的な写真や動画を、SNSから削除するのを支援するプラットフォーム(土台・基盤)のことです。「Take It Down」は、この取り組みに参加するSNSのみで機能します。

現状での参加プラットフォームは、次の5つになります。

参加プラットホーム

フェイスブック

インスタグラム

Yubo

Pornhub

OnlyFans

NCMECのCEOのミシェル・デローンは「多くの子供達が絶望的な状況に直面している。私達の願いは、子供達がこのサービスを知ることで安心することだ」と話しています。

このような問題は、今の日本にも当てはまるのではないでしょうか。ソーシャルメデイア(個人や企業が情報を発信・共有・拡散することによって構築される、インターネットを通じた情報交流サービスの総称)の発展に伴い、SNSなどを通して誰もが簡単に情報発信出来るようになりました。

その為、便利であると同時にこうした問題も多いのではないでしょうか。また、日々進化していると思うので、これから問題が増加していくのではないかと不安になります。

NCMECは、子供の安全問題に関する橋渡し役として、オンライン企業と法執行機関をつないでいて、2021年に同団体はインターネット上のセクストーション(性的な脅し)や児童の性的虐待のコンテンツについて約3000万件の通報を受け取った結果、その大半はメタが所有するプラットフォームからのものでした。

被害を防ぐ為に

未成年者と保護者は、NCMECの無料匿名ツールを使い、オンラインで拡散された、または拡散されると思われる、未成年の露骨なコンテンツにフラグを立てられます。

その後、そのコンテンツの「ハッシュ」と呼ばれるデジタル指紋をNCMECがソーシャルメディア企業と共有して、制限や削除、及び監視を行うということになるというわけです。

NCMECによると、問題の写真や動画はデバイス(パソコン・タブレッット・スマートフォンなどの総称)の外に出ることはなく、誰にも見られることはないと言います

また「ハッシュ」は、NCMECにもSNS側にも被害者を特定出来ないようにし、画像が削除されるべきものであることだけを知らせることで、これまでデータベースが侵害され、個人が特定されるような事態は発生していないと話しています。

取り組みの問題点

この取り組みにとって最大の障害の1つは、エンド・ツー・エンドの暗号化(一つのデバイスでメッセージを暗号化し送信先のデバイスでしか復号できないようにするやり方)の問題です。

NCMECのCEOのミシェル・デローンは、上院司法委員会の公聴会で「テクノロジー企業が、防止策を組み込まないまま暗号化を実施すると、子どもの安全に破壊的な影響を及ぼす」と証言しています。

危惧されるのは、この取り組みに出資をするメタが、インスタグラムフェイスブックのメッセンジャーのエンド・ツー・エンドの暗号化に向けて急ピッチで動いていることです。

メタのグローバル安全責任者のアンティゴーン・デイヴィスForbesの取材に「暗号化によって特定の画像が当社で識別できなくなる」としながらも、暗号化が、ユーザーのプライバシーとセキュリティに欠かせないものになりつつあると話しました。

また「ハッシュ」技術の利用や、このプロジェクトでNCMECを支援することは、メタが、問題に真正面から取り組むための方法の1つだと付け加え、「これらの問題に対処するための万能薬はない」と話し、メタのアプローチを「多面的なもの」と表現しました。

今後について

メタTake It Downへの出資に加え、メッセージング機能を通じて成人が見知らぬ未成年者と繋がることを許可していないといいます。

また、オンライン上で怪しげな行動をとった大人のユーザーに、未成年のアカウント・コンテンツがプッシュされないようにする機能も追加しているとのことです。

NCMECは、情報窓口であるCyberTiplineに情報を寄せた約200のサービスプロバイダーに、このプログラムへの参加を働きかけているといいます。

YuboのCEOのサシャ・ラジミは「リスクを削減し、オンライン上の問題解決するには、政府の介入だけでは不十分であり、より多くのSNSTake It Downのイニシアチブに参加することを期待している」と話しています。

参考サイト:未成年の露骨なコンテンツを削除する「Take It Down」にメタが出資ForbesJAPAN

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noteでも記事を書いているので、よかったら読んでみて下さい!

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