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皆さんこんにちは。Pinkです。YahooニュースでこのForbes JAPANの記事を知りました。出産や子育ての経験がない私には、母親としての気持ちは想像することしか出来ませんが、「障害胎児」の「中絶」について考えさせられることもあり、今回書くことにしました。
ハイディ・クラウター
「ダウン症」(*)のイギリス人女性、ハイディ・クラウター(以下、クラウターとします)は、「障害のある胎児」の「人工妊娠中絶」に関する法律の改正を求めています。国内の裁判所で訴訟に負けてしまいましたが、今回は「欧州人権裁判所」に訴訟を起こす考えとの事です。
(*)…「ダウン症」は「ダウン症候群」とも呼ばれていて、「発達障害」や軽いものから重い「知的障害」を引き起こす可能性のある「遺伝性疾患」です。「白血病」「甲状腺疾患」「1型糖尿病」等、特定の健康状態になる危険性が高いと言われます。
イングランド・スコットランド・ウェールズでは、一般的な中絶の最大限度は妊娠24週となっていることに対して、胎児に「ダウン症」等、特殊な「障害」がある場合、出産迄どの機会であっても「中絶」が合法とされています。
クラウターは、現在行われている法制度が「障害者」を「差別」し、「障害」に対する否定的な態度を促していると主張し、法改正を求めています。訴えは高等法院と控訴院により拒絶され、最高裁判所も、この訴えを審理しないとの事です。
しかし、クラウターは自身が率いる運動団体と共に「障害児を選別する」法律と闘い続けると宣言しており、「欧州人権裁判所」への訴訟を起こす許可を求めています。
また、同裁判所がイギリスの法律を差別的だと認めた場合、欧州46カ国に「法的な先例を示す」ことが出来ると述べています。
障害を理由とする中絶の現状
クラウターの団体によると、「障害」を理由とする中絶は、以下のようになっています。
①2020年…年間 3083件
②2021年…年間 3370件→9%増
妊娠24週目以降に行われたもの274件→20%増
英国で堕胎された「ダウン症」の胎児850人以上
そして、「私達は誕生すれば「障害者」が平等に扱われる社会で生きているけれど、子宮の中では違い、法律は「障害」のある子供を選り分けている。「ダウン症」の人達に、他の人達よりも無価値だという言葉を伝えているけれど、これは真実ではなく、正しいことでもない」と述べています。
また、これまで素晴らしい人生を送ってきたとし、「全ての「ダウン症」の子供に「同じ様に生きる機会を与え、人生を楽しんで欲しいと願っている」と訴えました。
私と同じ地区に住んでいる女性で、妊娠中「障害胎児」だと分かった人がいたのですが、彼女は産むことを選びました。周囲からの反対もあったとの事ですが、産むという気持ちが揺らぐことはありませんでした。とても勇気が必要だったのではないでしょうか。
その当時私はまだ小学生で、彼女に遊んでもらった記憶があります。母達の話を理解する事は出来ませんでしたが、大人になり、改めて彼女の事を母から聞いた時に、サバサバして、芯が強そうな顔を思い出しました。
中絶法の改正
クラウターの団体で広報担当のリン・マレーは、「「中絶法」の規定は、「障害者」は社会の一員にならない方が良いと考えていた時代を思い起こさせるものであり、私達は今、多様性を賞賛する、遥かに総合的で革新的な社会に生きており、全ての法律がそれを示すべきだ」と語っています。
「中絶法」は意見が分かれますが、一部分の障害者団体は、過去の改正の取り組みをサポートして来たとのことです。また、2017年に「障害者の権利UK」は、同様に法律を改正する法案をサポートしました。
本法案は最終的に合意とはなりませんでしたが、当時の最高責任者は、同法案が「中絶の賛否を問うものではなく、本質的に平等を巡るもの」だったと説明しています。
参考サイト:障害胎児の中絶は「差別」 ダウン症の英女性、欧州人権裁に提訴へ
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