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発達心理学とは?
発達心理学とは、人間の生涯の時間の経過に伴って変化する様々な特徴や法則性や、その変化の原因や要因について研究する心理学の分野の一種です。また、ここでいう発達とは「子供が生まれ、老いるまでの過程」のことを指します。
つまりすべての人に当てはまり、今生きている私たちにも当てはまる内容です。
今回はその中でも「乳児期(乳児期・早期児童期)」に注目して、心理学が乳幼児の子育てに関連していることや、乳幼児の子育てのポイントを伝えられたら良いと思います。
乳児期(乳児期・早期児童期)とは
アメリカの教育学者であるハヴィガーストが提唱している心理学では有名な発達課題であり、生まれてから老いるまでの人間の人生の道のりを6つの段階に分けて、教育的な面でそれぞれの段階に発達の課題や目標を設定した表のようなものです。
ハヴィガーストは「人間が健全で幸福な発達を遂げること」を基準に発達課題を定めています。
もう一つ有名なものでエリクソンの発達課題というものがありますが、こちらはハヴィガーストと少し違い、心の内面的なものに当てて解説したものです。
ハヴィガーストとは違い、エリクソンは「直面する課題や困難を克服した時に獲得できる力があり、各段階で課題を克服すること」を基準に発達課題を定めています。またこの困難を解決できなかった時は、次の成長に進みづらくなると考えられています。
今回は二つ一緒に記事にして書いていけたらいいなと思います。
乳児期(乳児期・早期児童期)から見る子育ての仕方
乳児期(乳児期・早期児童期)の発達課題は以上の5つとされています。
年齢で言えば0〜5、6歳と言われており、生まれてから保育園を卒業するあたりの歳になります。
発達課題から見て歩かせる練習をしたり、適切なコミュニケーションをとったりして会話を学ばせたり、「トイレトレーニング」を行ったりと、「どう課題のクリアに近づけるか」が重要になってきます。
「トイレトレーニング」は1歳7ヶ月以降から必要とされており、おまるを使ってトイレの練習をさせるものです。
また母親や父親などの関わりや「エディプスコンプレックス」などを通じて「性」の違いや自分の「性」について自覚させる必要があります。
歳も6歳近くになると幼児期の特徴を残しながらも段々と「物事の善悪」の区別がつくようになってきます。
画像引用:エリクソンの発達理論 看護roo
エリクソンの発達理論から言えば「幼児期」「乳幼児期初期」「乳幼児期後期」の3つの段階がハヴィガーストの0〜5、6歳という年齢に当てはまります。
この表の「危機」を乗り越えなければ「課題」が残り、次の成長に繋げることが難しくなります。
例えば、乳児期にネグレクトや育児放棄をし、「信頼できない母親」になると乳児の精神が正常に発達せず、「不信」という形になります。その「不信」は子どもが成長しても心に残ったり引きずったりと、「心の成長」に支障をきたします。
親が「しっかりと子供と向き合う」という一貫性があったり、子供に関心を抱いたりしていれば子供に不信感を与えることは少ないので、子供に信頼を与えれる養育者や親になれるといいですね。
「愛着(アタッチメント)」をしっかりと行い、子供の「安全基地」になれるように目指しましょう。
参考:愛着(アタッチメント)とは 教育Labo 子供にとっての安全基地 ウィキペディア
乳幼児初期だと急速な言語の発達に伴って自分から行動ができる「自立性」と、うまくいかなくなる「恥、疑惑」というのが課題と危機になります。
母親や養育者は食事や衣類の着脱など子どもが自ら行うのに対して、過度に管理したり失敗を厳しく叱責しすぎないようにしましょう。また子どもが自立性を発揮できる場を提供し、適切なサポートや励ましを送ることが大事です。
この自立性がうまく育つと「意志」を得ることができ、子供自身が自分の行動に自信を持って自分自身をコントロールする能力を信じれます。
乳幼児後期は先ほどの「自立性」が育ち、自分で考えて行動する「積極性」が課題です。親の助言やごっこ遊びなどを通じて社会性や規範を身につけていきますが、その間に叱責や注意を受けて引き起こす不安が「罪悪感」という心理的危機になります。
この時期の子供は同世代の子供に興味を持ち、様々なことに興味を持ち始めます。こちらも先ほどと同様に養育者が過度に否定したり失敗を非難してしまうと、子供はそれらの行動を控えてしまうようになります。親や養育者は子供の冒険心や創造性を奨励し、失敗を恐れず新しいことに挑戦する機会を与えて子供が生きやすいようにすると、子供も明るく元気に育つでしょう。
発達段階に沿って、次回は学童期(6~12、13歳頃)について書いていきたいと思います。
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