『大きな家』。児童養護施設の子ども達に密着した、等身大のドキュメンタリー。 

大きな家 児童養護施設

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

この記事では、本題である児童養護施設を取り巻く現実をまずは説明したいと思います。

虐待相談を受けた児童相談所は、保護する子どもの安全を守ることが必要な時は、子どもを実親から離して一時的に保護をします。期間は児童福祉法で原則2ヵ月以内と定義され、この間に子どもや実親との家庭の状況を調査も始めます。自宅に戻るか、里親家庭や児童養護施設で生活するか方針を決定します。

一時保護所は緊急避難という役割で入る場所で、義務教育を受ける時期でも通学が許可されない場合が多く、外部との連絡や外出も自由にできません。子どもが長期間生活することは想定していませんが、受け入れ先が決まらなければ一時保護の期間も続きます。

東京都が設置の10ヵ所の児童相談所では、一時保護所における2021年度の平均一時保護日数は44.4日で、過去10年で最長を記録しました。東京都の担当者は「一時保護所も入所先は年々見つかりにくくなっています」と吐露します。

児童養護施設の平均入所率は9割を超える高止まり状態が継続しています。

退所が多く空きが出やすいとされていた年度末になっても最近は厳しいです。都外の児童養護施設にも問い合わせをしています」、「児童養護施設へ2ヵ月以内に入所することは、到底見込めません」など、各地で同様の声が相次いでいます。

この様に児童養護施設を取り巻く現実は日に日に厳しさを増していますが、この記事で紹介したいのは、その児童養護施設で暮らす子ども達に密着したドキュメンタリー映画となります。

齊藤工氏が企画とプロデュース、[MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない][14歳の栞]の竹林亮氏が監督を務め、[14歳の栞]の制作チームが集結し、児童養護施設に密着した、ドキュメンタリー映画『大きな家』が、2024年秋に公開されることが決定しました。

本作は、竹林監督と制作チームが、実親と離れて児童養護施設で生活する子ども達の日常を記録しました。家族ではない繋がりの中で暮らしながら、自分の運命と向き合い、葛藤し、未来に目を向けて成長する子ども達の等身大の姿を描き上げます。

今回はこの映画についてと、児童養護施設を退所した後の子ども達の居場所になっている、【はこぶね】について、お話します。

あらすじ

東京のとある児童養護施設。ここでは、死別・病気・虐待・経済的問題など、さまざまな事情で親と離れて暮らす子どもたちと職員が日々を過ごしている。家族とも他人とも言い切れない、そんなつながりの中で育つ子どもたちの本音と、彼らを支える眼差し。生きることへの不安。うまく築けない人間関係。変えられないものと、ともに生きていくということ。

ここに映っているのは、特別なものではなく、葛藤しながらもたしかに大人になっていく姿と、それを包んでいる、いつか忘れてしまうような日常の景色。この映画を観終わったあとは、彼らだけでなく自分が歩んできた道のりをきっと肯定したくなる。そして、自分の“ふつう”が少しだけ広がるかもしれない―。

画像・引用:企画・斎藤工による竹林亮監督作『大きな家』、今秋公開&特報解禁 “親と離れて暮らす子どもたち”の等身大の姿を描写 クランクイン!(2024年)

特報も公開中

ここからは児童養護施設を退所した後の子ども達の居場所【はこぶね】を取り上げます。

児童養護施設で暮らしてきた子ども達が退所した後の居場所、【はこぶね】

居場所のない子ども達のために、千葉県八千代市にある一般社団法人【はこぶね】

が、八千代市内に活動場所として開設されました。悩みを打ち明けることや、話し合ったりするなど、子ども達の心の拠り所となる居場所です。

【はこぶね】を立ち上げたのは、代表理事で社会福祉士の資格も持つ大藪真樹さんです。2012年から大藪さんの自宅近くの児童養護施設で、知人とボランティア活動を続けていて、児童養護施設を退所した子ども達に居場所がないことを、活動を通して実感していました。

家庭内の虐待などで、児童養護施設で生活してきた子ども達は、基本的には、18歳を過ぎると退所しなくてはなりません。大藪さんは「突然社会の荒波に放り込まれ、悩みを抱えている子ども達は多いです」と説明します。進学したくても、児童養護施設に入所する時には学習環境が不十分で、両親からの援助も受けられないことで、進学を断念する事例が増えています。

児童養護施設や里親のもとなどで生活する子ども達は、日本各地で4万人余います。厚生労働省が2021年3月に総括した全国調査で、「児童養護施設の退所直後の進路」は「就労・就職」が53.5%、「通学・進学」が36.3%でした。しかし、「現在の通学・就労の状況」を質問した項目では、「仕事をしている」が71%に増加し、「学校に通学している」は23%に減少していました。

大藪さんの周りの人にも学校や職場、生活する場以外に行き場のない子ども達が増加傾向で、八千代市内にある知人宅の一室を借りるなどして居場所を設置しました。

イベントを開催するなどの支援活動を続け、2017年に一般社団法人【はこぶね】を立ち上げました。一般社団法人名の【はこぶね】は、聖書の[ノアの箱舟]にちなんで、子ども達の安全で心安らぐ場所になる様に願って決めました。

参考:施設退所…行き場がない 若者のつらさ、癒やす場を 八千代の「はこぶね」協力募る 東京新聞(2024年)

【はこぶね】の専用の活動拠点となったのは、千葉県八千代市大和田新田にある地元企業オカムラホームの旧本社の一部です。同オカムラホームから八千代ユネスコ協会が借り受け、椅子や机などを置いて、子ども達が集まる居場所「OKAMURA SDGs BASE」として、【はこぶね】を活かすこととなりました。

【はこぶね】は、東葉高速鉄道八千代緑が丘駅から南へ徒歩10分余の場所に位置します。

私と斎藤工さん

私の斎藤工さんとの出会いは、まだ若手俳優だと言われていた頃の2011年の大河ドラマで、その年のCDデビューのリリイベと、次の年に計3回会って、話したことがあります。

私の中の工さんの印象は、寡黙でシャイで照れ屋だと思いました。

その後は工さんにはお会いしたことはありませんが、工さんの周りの環境は色々変わりました。

工さんは高校時代、レンタルビデオ屋さんのあ行からわ行まで全部借りて、今でも凄い数を年間で映画を観て、WOWOWの映画工房のMC担当など、大の映画好きで知られています。

数年前から齊藤工名義で、映画の監督での撮影や、原案、監修として裏方に回ったり、移動式映画館[cinéma bird]という催しもやるなど、精力的な活動をされています。

この記事で紹介した映画も、映画をこよなく愛し、映画から愛されてきた工さんだからこそ、メッセージ性の強い映画になっていると思います。

最近工さんが主演をされることは余りありませんが、これからも俳優としても、監督としても追っていきたい方です。

参考サイト

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も2交代制で担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。