障害者雇用は在宅ワークが救う?これからの仕事のあり方を考える

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 コロナ禍によって生活様式が変わり、新しい日常が垣間見れていると思います。それは障害者にも影響があり、仕事や就職、生活までが変化しています。今回はコロナ禍によって変わった雇用や仕事の内容について紹介していきます。

1.コロナ禍で落ち込む障害者たちの就職

 新型コロナウイルスの拡大で企業の雇用は大きな影響を懸念されていますが、障害者にも影響がでています。外出自粛や企業の休業要請につき、雇用が止まっている状況に当然就職率も下がってしまい、横浜市のデータだと毎月1~2人ぐらいだったのが5月はゼロ、6月も厳しい状況が続くだろうといわれています。こういった状況にリモートで支援をしている施設も多く、在宅にも対応しています。このコロナ禍では悪いことばかりではなく、特性に合わせた就職も注目されています。例えば「仕事はという能力はあっても、対面でのコミュニケーション能力に課題がある」場合にZOOMなどを使ったリモートなら問題ないという、新しい仕事のやり方もこの状況になったからこそ見えてきた形だと思います。

(参考・タウンニュース

障害者雇用は地域で格差

 ITmediaが運営しているメディアの戦略人事の時代という記事で、興味深いことを見つけました。企業の障害者法定雇用率が2020年度末に2.3%へと、引き上げが予定されています。2018年に引き上げられてから、3年で更に引き上げられることとなりますが、実際に雇用は進んでいません。これは民間企業の48%しか達成しておらず、法定雇用率を守っている企業は少ないのです。

法定雇用率とは、一定数以上の労働者を雇用している企業や地方公共団体を対象に、常用労働者のうち「障害者」をどのくらいの割合で雇う必要があるかを定めた基準のことです。 障害者の職業の安定を図った「障害者雇用促進法」により、企業には法定雇用率の達成が義務付けられています。引用元d’s JOURNAL

 ここまでなぜ障害者雇用は進まない理由の一つとして「都市と地方の地域格差」が大いに関係していて、障害者雇用状況の集計結果には法定雇用率を達成している企業の割合が最も低いのが、東京都で32.0%にとどまっています。カラフィスという会社の三井正義社長はこう言っています。「企業の集中する東京都を中心とした都市圏では、障害者雇用に前向きな企業が多い一方で求職者の奪い合いになっている。逆に、地方では企業が少なく、働き先が少ない傾向にある」これは就職活動をしていて分かったことですが、これは地方に住んでいる身としては、ひしひしと肌で感じます。障害者求人はそもそも母数が少なく、精神障害は雇われにくい、企業が募集をかけても殺到してしまい数人しか雇われません。

 この東京都と秋田県を比較しているデータを見てもらえるとより分かりやすいかと思いますが、数字で見るとハッキリ違いが分かります。東京都の障害者手帳の所持者は70万人近くで、秋田県は約7万人と比較すると10倍も多いです。また障害者雇用義務のある企業の数は東京が2万社、秋田が750社でその差は27倍にも広がります。つまり東京都は障害者人口が多いが、それ以上に企業があり、地方と比較して採用難だということが分かりますね。まとめてみると東京の企業は6割以上が雇用義務を達成できていなく、秋田は障害者は一般企業への就職が狭いということです。

2.在宅ワークが障害者雇用のカギ?

 三井氏はリクルートオフィスサポートで、2012年頃から障害者雇用に取り組み始めたそうです。当時は身体障害者だったのが、精神障害や免疫障害などの雇用も進めていました。それと並行していたのが障害者雇用における在宅ワークの導入で「よい効果を及ぼす」と考えていたそうです。身体障害者がある人や通勤が難しい精神障害者は、突然会社に行けなくなったりしてしまいます。

 先ほど記述した地方と都市格差も合わせて、在宅ワークはこういった問題を解決できます。障害によっては「通勤」ということが課題の一つでしたが、これも解決します。実際自分も在宅ワークを体験して、通勤とはすごいエネルギーを使ってるんだということを実感します。また地方に居ながら都市部の時給となるので、地方より高い給与となり応募が集まりやすく、モチベーションの向上にもつながっています。その結果リクルートオフィスサポートの全従業員384人のうち、8割以上の336人を障害のある人が占めているという驚きの結果も出ています。

コロナ禍で広がるオンライン教育

 AMPの記事にはエーラス・ダンロス症候群のローラ・エリオットさんは作家を目指しているなか、作家デビューのサポートを受けるためのスキーム(枠組みを持った計画)に参加したいと思っていたが、このスキームには常にワークショップへの参加が義務付けられていたため、今まで眺めるだけでした。しかし新型コロナウイルスの影響で突然、オンラインでの参加が可能になったので、スキームへの申込みを送れたそうです。「選ばれない可能性もあるけど、これまで試すことすらできなかったのが、今は自分のポジションを知ることができる」とコメントしています。

 またロサンゼルスのエマ・デュークさんは体位性頻脈症候群により、立ったり座ったりするたびに心拍数が異常に上がるという障害を持っています。彼女は映画のクラスを受講しようと過去3年間、大学に対してリモートアクセスを求めていましたが「実現不可能だ」と断られていました。しかし、コロナの影響で状況が変わるとすべての大学の講義が、オンラインに移行されました。「やっと教育が受けられるようになってすごく嬉しく思うと同時に、これまでもできたのに……と裏切られた気持ちもする」と複雑な思いを語っています。

まとめ・これからは仕事の環境を選べる時代になって欲しい

 たったこの3ヶ月ぐらいで世の中の生活様式が変わり、それに対応しようとしている社会や我々、人間の力はすごいなと感心します。そんななかでも障害者や弱者は忘れられる存在です。現に視覚障害者・聴覚障害者からの新型コロナ感染拡大による7つの提案というのを見て、気づいたこともたくさんありました。いかに平等ではないかというのが、こういうことを通して分かりますね。しかしオンラインの時代に移り変わろうとしているなか、仕事での不平等は少しずつ減っていく兆しが、今回のコロナ禍を通して感じます。

 私も在宅ワークになってから約3ヶ月経ち、自分なりにどこが合っているのかを考えてみました。それはエネルギーをすべて仕事に注げるという点です。私はおそらく、エネルギーの使い方が非常に下手で、心身が安定しているときはそうでもないのでしょうが、通勤や人間関係プラス仕事でヘトヘトになってしまうのが、在宅ワークだとエネルギーを使うことが最低限で済みます。休憩もそうで職場だと、100%リラックスするなんてのは難しいかと思いますが、在宅では人の目を気にせずしっかり休めて、作業へ集中できるという点も合っているポイントだと思います。なので私にとって、安定して仕事ができる良い環境ですね。

 仕事や学びが一部ではオンライン化になっていて、これから先コロナの影響も受けてもっと広がっていくのではないかと思います。健常者だけではなく、障害者にも選択できる環境作りが雇用にも広がり、格差も無くなっていくのではないでしょうか。遠くない未来にこういう社会がきてほしいと、改めて願っています。

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