昔と今の節分の違い-子どもや高齢者が気をつけること-

この記事は約 7 分で読むことができます。

こんにちは、金次郎です。

 2月3日は「節分の豆まき」でした。
 ところが、現代は「恵方巻」を食べるのが大流行です。
 チラシ・買い物情報サービス「トクバイ」を運営する株式会社ロコガイドが、「トクバイ」ユーザー2,353名を対象に、「節分」に関する調査を実施したところ以下の様な結果になりました。

・「恵方巻を食べる」75.7%
・「豆まきをする」 38.8%

 「豆まき」よりも「恵方巻を食べる」と言う人の方が2倍近く多いです。

参考:(PR times)【トクバイ調査】2024年の節分、「恵方巻を食べる」人が7割以上!「海鮮系」恵方巻が定番を抑えて人気トップに、色々な種類を少しずつ楽しみたいニーズも

 こんな人気商品になった「恵方巻」ですが、これは地方によっては違います。
 70%と言うのは関西での話で、関東では「言葉は知っているけど食べない」と言う人のほうが多いのです。

参考:(Wayback Machine地方で差?「恵方巻食べる」関西7割弱、「知っているが食べない」関東6割

 どういう事でしょうか?

「恵方巻」の歴史と流行りになった理由は?

 「恵方巻」とは、節分の日に食べる巻き寿司のことです。
 その年の「恵方(2024年は東北東)」に向いて、誰とも話さず黙々と1本を食べきるのが作法とされています。
 節分が近くなるとテレビCMがドンドン流れますが、いつ・どこで?生まれた習慣なのでしょうか?

 先ずは「恵方巻の歴史」についての説です。

1・戦国時代・江戸時代の言い伝えとする説
 ・「戦国時代の武士が、節分に巻き寿司を食べてから合戦に出陣したら、戦いに勝利した」
 ・「江戸時代の中頃、節分に香の物(漬物)入り巻き寿司を切らずに食べて、縁起を担いだ」  

2・「花街での遊び」からはじまったとする説
  大阪の船場(せんば)に暮らす人々が、芸者さんと巻き寿司を使った遊びをしていたらしい。

3・江戸時代後期~明治時代に「幸運を願って食べた」とする説
  江戸時代の終わりから明治時代の初めにかけて、商売繁盛・無病息災・家内円満などを願って
  巻き寿司を食べたのが起源。

と色々な説がありますが、真偽のほどは定かではありません。

次は、「誰が流行らせたか?」です。

1・お寿司屋さん、海苔(のり)業界が普及させたと言う説
  1930年代にはお寿司屋さんの組合が、1970年代には海苔・厚焼の組合が、恵方巻の由来
  歴史を示すチラシを作っていたらしいです。
  それに記載されていた「昔からの言い伝え」が、しだいに「恵方巻」へと広まっていった説
  です。

2・コンビニの「セブンイレブン」のイベントと言う説
  中国地方の店舗オーナーが、他店のオーナーとの会話で、変わった食べ方の巻き寿司の存在を
  知り、新たな「店舗イベント」として
「恵方巻」という名前をつけ販売を始めた。
  それを知った、セブンアンドアイHDが1995年に販売エリアを西日本に拡大し、1998年には全
  国展開にしたことで急速に普及したと言う説です。

 この様に、「歴史」にも「誰が流行らせたのか?」にも諸説有りまして、今のところ「この説が正しい」と言うのは不明です。

参考:(HANKYU FOOD)節分の恵方巻きの由来と歴史。誰が流行らせたか・食べ方のルールなども紹介

「恵方巻」大量廃棄問題

 この様にして、今やスーパーやコンビニ等で行われる「恵方巻商戦」は、節分の恒例行事となっています。
 ですが、忘れてはいけないのが、売れ残った「恵方巻」を大量廃棄していた問題です。
 「恵方巻」の大量廃棄が初めて分かったのは2016年ですが、2018年頃からマスコミ等によって報道される様になり問題化しました。

 関西大学の宮本勝浩名誉教授が、2019年2月に発表した試算によると「恵方巻の全国売上高が約257億円と推計されるの対して、節分を過ぎて廃棄される恵方巻の金額が全国で約10億2800万円に上る」との事です。
 別の専門家は「余った恵方巻用食材の廃棄や、廃棄の為にかかる運搬や焼却のコストなども含めれば、恵方巻廃棄で生じる経済損失は、さらに多い」と指摘します。

 環境保護団体のグリーンピースも「2023年には、256万本もの恵方巻きが食品ロスになった」と言い、経済損失はおよそ12億円以上と試算しています。

 何故、この様な事が起きるかと言うと

  ・巻き寿司なため「日持ちがしない」
  ・けれど、欠品が生じないように、多めに作っておくようにした

 売る側の小売店は、食品を廃棄してしまう罪悪感よりも、顧客からのクレームや顧客満足度が低下してしまう事を恐れている感じです。

 この問題を受けて2020年に農林水産省は、小売業者に対して
  ・「恵方巻」については、予約販売など需要に見合った販売をする様に
 と呼びかけまして、PR資料などの提供を行いました。
 今では、コンビニ各社やスーパー合わせて26事業者が、食品ロス削減プロジェクトに参画しています。

参考:(GreenPeace)恵方巻きの隠された現実<売れ残り、食品ロス 経済損失12億円相当>

参考:(リテールガイド)恵方巻の大量廃棄問題への対応はどうなる?各企業の施策を紹介

「恵方巻」と「豆まき」に、消費者庁が注意喚起

 消費者庁によりますと、5歳以下の子どもが「食品」をのどに詰まらせた事故は、2020年までの10年間に日本全国で141件有った事が医療機関からの報告で把握されています。
 そのうち、大豆やピーナッツなどの「豆・ナッツ類」がおよそ2割有りました。
 2020年2月には、節分の豆をのどに詰まらせた、4歳の子どもが窒息して亡くなる事故も起きています。
 窒息事故に気をつけないといけないのは、「豆」だけではなく、巻き寿司を無言でかぶりつく「恵方巻」にも注意が必要と、自見消費者担当大臣は、以下の様に注意を呼びかけています。

 ・「恵方巻」は、窒息事故を防ぐため、特に高齢者や小さな子どもは小さく切り分けて
   か
ら、よくかんで食べきるようにしてほしい。

 ・「豆」は、喉に詰まらせるなどのリスクがあるので、5歳以下には食べさせないよう
   お願いいたします。

参考:(NHK)2月3日は節分「恵方巻」にも注意が必要

参考:(NHK 首都圏ナビ)節分の豆まきで注意 “5歳以下にかたい豆など食べさせないで”

終わりに 

 現在地球上では、8億1,000万人(10人に1人)の人が、食糧が中々手に入らず飢餓に苦しんでいます
 21世紀になっても、発展途上国の多くでは満足に食事が出来ていない人が大勢います。
 にもかかわらず、先進国では食べ物の30%が捨てられています。
 つまり飢餓の原因は、食糧が足りていないのではなく、公正に分配されていない事です。
 そう言う意味では、単に企業の「売らんかな商戦」みたいなものには乗らない事です。
 もちろん、その行事を昔から楽しんでいる人は、やってもらっても構いません。

テレビCMやインターネットからの情報があふれる現代社会では
・「自分に本当に必要な情報か?」
を選択するのが、日々難しくなっています。

今回「恵方巻」や「豆まき」を例にしてみましたが、家族や友達とで普段食べているごはんなどで
・「大量生産しておいて、賞味期限が切れたら廃棄されている食品」
・「小さな子どもには、危ない食品」

について話し合ってみて、地球の食糧問題を考えてみませんか?  

HOME

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。