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こんにちは、翼祈(たすき)です。
私は多分元々ハンドメイドが好きだからか、アップサイクルにとても興味があります。
ただのアクセサリーではなく、もう使わないものや廃棄される、環境を壊しているものから、オンリーワンなものを作っているから、興味をそそられるのでしょうね。
私はAKARIでは、[sobolon]など5つ、noteでは[potential]という電子ごみから作ったアクセサリー、[parabum]という役目を終えたパラグライダーを、ポーチやエコバッグなどにするものを紹介してきました。
この記事で紹介したいアップサイクルは、障害を抱える方々も関わっている取り組みです。
今回は、『カエルデザイン合同会社』が生み出す、アップサイクルについてご紹介します。
『カエルデザイン合同会社』のアップサイクルとは?
画像・引用:カエルデザイン アップサイクル
美しくて青い日本海が広がる石川県金沢市の海岸ですが、砂浜には多くの海洋プラスチックのごみが海流によって漂着していました。
「どんなに拾っても、なかなか海洋プラスチックのごみは無くならないですが、少しずつしていこうね」。ボランティアのメンバーと一緒に金沢市にある『カエルデザイン合同会社』のデザイナーの女性は汗を拭いつつ海岸の清掃活動を行なっていました。
「沢山ものを製造してどんどんそのモノを販売する。買って、必要ないなら廃棄する。もうそんな時代ではありません。福祉、環境、どうにか世界に還元できるモノを産み出さなければ」と、『カエルデザイン合同会社』のデザイナーの女性は思っています。
『カエルデザイン合同会社』では、海洋プラスチックのごみの素材を活かしながら、障害を抱えている人たちと協力しながらアクセサリーを製作しています。
2019年に、デザインの仕事を通じて知り合った男性Aさん、男性Bさんと3人で『カエルデザイン合同会社』を立ち上げました。障害者福祉施設と共同で何か開発できないかと試行錯誤を重ね、海洋プラスチックのごみのアクセサリーを製作することを思い付きました。
『カエルデザイン合同会社』のデザイナーの女性が海岸で清掃活動に参加した時に集めた海洋プラスチックのごみの色合いが「意外と可愛らしいな」と感じたのがアクセサリーの製作の転機となりました。
『カエルデザイン合同会社』の名前には、海洋プラスチックのごみをアクセサリーへ「カエル」、海の環境や障害を抱えている人たちの現状、社会の環境を良い方向へ「カエル」との願いが託されています。
新型コロナウイルスが流行する前は、障害者福祉施設に通所する利用者さんと一緒に海岸で海洋プラスチックのごみを回収していましたが、現在は地元有志のボランティアと一緒に清掃活動をし、日本各地のビーチクリーン団体などからも海洋プラスチックのごみが『カエルデザイン合同会社』まで送られてきます。
『カエルデザイン合同会社』が販売するアクセサリーの製作は、石川県内にある4ヵ所の障害者就労支援施設が担当しています。回収した海洋プラスチックのごみを重曹で洗浄、色分けして、家庭用アイロンで溶かして板状にしていきます。
ハサミで海洋プラスチックのごみを切って、レジンでコーティングして金具を付けるとアクセサリーが完成します。海洋プラスチックは熱での溶け方や色合いなどが1つ1つ異なるオンリーワンアイテムとなるのがこのアクセサリーの最大の魅力です。
金沢市にある障害福祉サービス事業所「鳴和(なるわ)の里」の施設長の男性Cさんは「単純作業と違って、アクセサリーを製作する要素があるので、利用者の方にはやり甲斐があるのではないでしょうか?利用者の皆さんにとって、金銭面だけではない達成感のある仕事となっています」と述べています。
参考:あふれかえる海洋プラごみ 独特の色合いを持つアクセサリーに 毎日新聞(2023年)
『カエルデザイン合同会社』のデザイナーの女性は、海洋プラスチックのごみの問題に関して、石川県内外の企業や学校での講演活動にも励んでいます。2023年10月14日には、京都府京都市左京区にある同志社中学校で出前授業を実施しました。
出前授業に参加した中学3年生の女の子は「海洋プラスチックのごみから製作したとは思えない位キラキラしたアクセサリーでした。環境問題の解決に向けて、自分でも何か手助けできれば」と出前授業の感想を説明しました。
『カエルデザイン合同会社』のデザイナーの女性は、ちょっとずつでも社会を「カエル」ことができればと考えています。「カエルデザインのアクセサリーを介して、多くの方に障害を抱えている人たちの就労環境、海洋汚染の問題に関して理解し、今一度考えて頂きたいです」と語っていました。
公式Twitter
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今までと違う点
海洋プラスチックのごみをアクセサリーに、というところは、2022年に書きました、[sobolon]と同じではありますが、この記事の『カエルデザイン合同会社』では障害を抱えている人たちが関わって製作されているというところが、大きな違いです。
ただ「環境を守りたい」という意思だけではなく、「障害を抱えている人たちの就労の機会を作りたい」という、環境保護以外の一歩先の取り組みを観れたなと思いました。
私もそうですが、障害を抱えている人たちは、過集中とかこだわりが強いとか特性があるので、それを活かしたら、色んなこういう社会福祉の活動だって、第一線で活躍できると思います。
今回の『カエルデザイン合同会社』のアップサイクルは、自分自身も障害者なので、グッと来るものがありました。
これからもまだ観ぬ、まだ知らないアップサイクルに出逢っていけたらいいなと、改めてそう思いました。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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