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こんにちは、翼祈(たすき)です。
2022年9月に静岡県で起こった激甚災害ではとても大きな被害が出ました。その中で最も酷い被害が、長期に及ぶ断水でした。
また宮城県では、「周産期福祉避難所」という、災害が見舞われた時に、通常の指定避難所で生活することが難しい妊娠中などのお母さん、それに赤ちゃんを受け入れる避難所の開設訓練が行われました。
今回はその激甚災害による断水で、赤ちゃんの沐浴が出来なかったお母さんが助けて貰った、助産師の方による沐浴ボランティア、「周産期福祉避難所」、避難時にお母さんが赤ちゃんにして欲しいことなどについてご紹介します。
2022年9月、静岡県の激甚災害で、インスタで繋がった助産師の方が沐浴ボランティアでの支援
生まれてから2ヵ月の赤ちゃんの3日ぶりとなった沐浴は、お母さんが助けて欲しいと偶然見かけたInstagramの投稿で実現されました。2022年9月、豪雨での大規模な断水が続いていた静岡県静岡市。
大規模な断水で不安が募る毎日を過ごすご家族の助けとなったのは、助産師によるボランティアの強い想いと、それを支えたSNSでの助産師の方の投稿の拡散にありました。
台風15号が接近した静岡県に関しては、9月23日から9月24日に歴代1となる記録的な大雨が降りました。その後静岡市清水区では、激甚災害に伴う大規模な断水が起こりました。全地域で断水が無くなるまでに12日間を要しました。
特に断水で悩んでいたのが、小さい赤ちゃんのいるご家族です。その1人である、静岡市清水区在住の女性は、夫と長男、そして次男で当時生まれてから2ヵ月の赤ちゃんと4人で生活を送っていました。
2022年9月24日、自宅でも断水となり、静岡県清水区内に在住の親族の家庭も全部が断水となりました。
女性が特に戸惑ったのが、赤ちゃんである次男の沐浴でした。残暑だった季節、汗をよくかく次男の赤ちゃんの肌は沐浴出来ずに大丈夫なのか…。
どうにかしてお風呂に入れてあげたいとも思いましたが、銭湯などの入浴施設でもオムツが取れていないお子さんに関しては入れません。冷たいタオルに飲料水などをかけて、電子レンジでチンしてホットタオルにして、次男の赤ちゃんの身体を拭いて何とかその場を耐えていました。
そんな中、女性は次男の赤ちゃんのお肌が心配になり、Instagramでサポートして貰える施設などの情報収集をしました。その時に発見したのが、“沐浴ボランティア”という1つの投稿でした。同静岡市清水区に隣接する葵区と駿河区にある助産院で、沐浴しますよという投稿が、InstagramやTwitterで沢山拡散されていたといいます。
大規模な断水から2日経過した2022年9月26日、助けて下さいーと、投稿に書いてあった助産院に電話すると、すぐに対応して頂き、断水で洗えなかった洗濯物も一緒に持参して下さいと言われました。その日の間にその助産院へ出向き、赤ちゃんの次男を沐浴して頂きました。3日ぶりの沐浴となりました。お風呂上がりの赤ちゃんの次男はスヤスヤと助産院のリビングでくつろいで眠ってしまいました。
参考:断水で赤ちゃんが風呂に入れない… 母親を救ったインスタ投稿 NHK(2022年)
専門家は、「断水が起こった時に赤ちゃんや親御さんが抱える需要や思いをくみ取って即行動に移したという点で評価します。今回の沐浴ボランティアの呼びかけは助産師の中で日本各地に浸透していって、その後に災害が起こった時の対処法でモデルケースになっていくに違いない。今回の静岡県で起こった激甚災害での教訓をこれからの災害に活かして、日本全国どこでも助産師が活動可能となる様に浸透させていかねければなりませんね」と分析しています。
「周産期福祉避難所」開設訓練in宮城県
災害時、妊産婦や生まれたばかりの赤ちゃんが安心して過ごせる態勢を整えた特別の福祉避難所を開設する訓練が仙台市で行われました。
訓練は、仙台市が指定する「周産期福祉避難所」の1つで、宮城野区にある看護助産学校で行われました。
仙台市は、市内の6つの施設と協定を結び、周産期福祉避難所を指定していますが、開設できるのは災害の発生からおおむね3日目以降で、受け入れられるのは19世帯にとどまっていて、態勢の拡充が課題となっています。
「周産期福祉避難所」とは、災害が見舞われた時、一般的な指定避難所で暮らすことが厳しい妊娠中や産後まもないお母さん、赤ちゃんを受け入れる避難所のことを指します。
東日本大震災の時、同宮城県内では病床が逼迫し、出産したばかり後のお母さんが通常より早く退院しないといけず、赤ちゃんのお世話が可能な居場所が余りなかったことや、一般的な避難所ではプライバシーが守られず、授乳が難しいなどの課題が鮮明となったことで、同宮城県仙台市が6年前から看護学校などと提携し、避難場所を指定しました。
「周産期福祉避難所」では、紙おむつや食物アレルギー対応の粉ミルクがあったり、赤ちゃんを沐浴可能な設備などがされ、助産師が常駐しており、妊産婦や赤ちゃんをお世話します。
災害に見舞われた時、お母さんが赤ちゃんにして欲しいこととは?
災害で停電や断水に見舞われたり、避難が必要になったりした場合、授乳することが必要な赤ちゃんをいるご家庭は、どうしたら良いのでしょうかー?。母乳などそれぞれの必要なことに関して、「母と子の育児支援ネットワーク」代表の女性の話をまとめました。
災害に見舞われた時も、母乳かミルクか、いつも飲んでいるものを赤ちゃんに与えるのが基本的なこととなります。母乳では、「災害に見舞われた時は心理的・肉体的ストレスで母乳が出なくなる」と言われることもあるといいますが、一時的に出づらくなる時は起こっても、頻繁に赤ちゃんに飲ませれば、母乳はまた出る様になります。
何時間か経ったら母乳をあげなければと意識するよりも、赤ちゃんが口をパクパクしたりと欲しそうな様子を見せたタイミングで飲ませると良いです。十分母乳があげられているか不安に思うこともあるかもしれませんが、赤ちゃんの1日の排便や排尿の回数が普段通りでしたら、きちんと母乳を飲めている目印です。いつもより回数が少ない時は、医療従事者などへ相談を寄せて下さい。
停電や避難中はお風呂に入れないので、胸が清潔かどうかを気がかりなお母さんもいると思いますが、胸が汚れていなければ、アルコール綿などで胸を消毒をする必要は大丈夫です。
参考:停電・断水・避難…授乳どうする? 母乳とミルクに分けて解説 朝日新聞デジタル(2022年)
その他、粉ミルクと液状ミルクなどの注意点も紹介されています。この記事に詳しい内容は、母と子の育児支援ネットワークの公式ホームページ(https://i-hahatoko.net/?p=745)にまとめています。詳しくはこの公式ホームページをご覧下さい。
この情報を知った経緯
沐浴ボランティアに関してはテレビで観て、是非こちらでご紹介したいと思い書きました。確かに赤ちゃんって肌は敏感ですし、食べたらいけないものとか、取ってはいけない行動とか色々ありますよね。激甚災害は自身が被災するだけではなく、赤ちゃんがいるご家庭では、衛生面を考えると、なかなか沐浴にしろ、ミルクにしてあげることが難しかったりしますよね。
この沐浴ボランティアに関しては、お母さんがすがる思いで繋がった支援ですが、これからもこの様に支援が必要なシーンは増えていくかと思います。
「周産期福祉避難所」もとても大事だなと思いました。赤ちゃんと言えばまだまだ小さいので、災害だけでも大変なのに、小さな赤ちゃんの命も守らなくてはならない、凄く大変だと思います。こういう場所がもっと全国に拡大すれば、お母さんも安心して、災害に見舞われても、少しでも気持ちを落ち着かせられますよね。
必要なシーンがないに越したことはないですが、今は何が起こるか、いつ災害が起こるか分からない世の中、人との繋がりを大事にしたいですね。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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