なんで学校に行きたくないの?-不登校児が過去最高、教員不足も過去最高-

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こんにちは、金次郎です。

 犯罪者の低年齢化が進んでいます。
 動機を聞くと「何となく」とか「むしゃくしゃしてたから」と言う、自分本位な気持ちから他人を傷つけているのが最近の傾向です。
 暴力行為を行う子供や、無気力・無関心な子供たちが年々増えています。

暴力をふるう子供が増えている

 2023年10月4日、文部科学省が実施している「児童生徒の問題行動・不登校調査」の2022年度結果が公開されました。
 それによると、小中高生による暴力行為は9万5426件
 前年度と比べると24.8%増え、過去最多となりました。
 ここ数年は増加幅が大きく、20年前の調査と比べて2.8倍にもなっています。

内訳を見ると
 ・小学校 6万1455件(1000人当たり9.9件)
 ・中学校 2万9699件(同       9.2件)
 ・高校     4272件(同       1.3件)

 1000人当たりの発生件数は、2021年度に初めて小学校が中学校を上回りましたが、今回の調査でも小学校が1番多かったです。

都道府県別で、1000人当たりの小中高生の暴力行為の発生件数の多さを見ると
 1・新潟県(18.1件)
 2・青森県(17.0件)
 3・鳥取県(14.9件)
 でして、平均は7.5件です。

暴力行為別の内訳を見ると
・生徒間暴力 6万9580件
・器物損壊  1万2695件
・対教師暴力 1万1973件
・対人暴力     1178件 でした。

加害児童生徒数は
・小学生 4万5539人
・中学生 2万7916人
・高校生    4954人 となりました。

学年別で見ると
・1番は 中1が1万3028人で最多です
・2番は   中2の     9472人
・3番は   小5の     8292人 です。

参考:(朝日新聞)小中高校生の暴力行為、過去最多の9万5千件 20年前の2.8倍に

それ故か?「不登校」の児童も増えている

 こんな殺伐とした学校が多いからでしょうか?
 不登校になってしまう子供も多いです。
 去年の不登校児童は29万9048人もいて、10年連続で増加しており過去最多となったことが調査の結果分かりました。
 また、「いじめ」の認知件数も過去最多となっており、調査をした文部科学省は「コロナ禍での生活環境の変化や行動制限による交友関係の築きにくさなどが背景にある」と見解を示しています。

 調査によりますと、小中学校を30日以上欠席した不登校の状態にある子どもは、前年度から5万4000人余り増えており、率にして22%も増加しています。

 この不登校児童29万9048人の内訳は
 ・小学生が10万5112人で、10年前の5倍
 ・中学生が19万3936人で、10年前の2倍 となっています。
 また、高校生でも「不登校」の学生は増加しおり、現在6万575人が不登校になっています。

参考:(NHK)不登校の小中学生 過去最多の29万人超 いじめ認知件数も最多に

少子化なのに、日本全国で教師が足りない

 テレビや新聞などで、少子化少子化と盛んに報道されていますが、田舎などは過疎化から子供の数が減り廃校になる学校も有る中で、日本全国の都市部では教員不足に悩まされています。
 どういう事かと言うと、就職先として教員を志望する学生が減っているからです。
 それは、上記の様な子供の問題も有りますが、産休や育休を取る教員に加えて体調を崩して休職する教員の代わりを他の教員が補うために、過労死ラインを越えて残業をする教員が多くいる事を先輩などから聞いており、学生たちが就職先候補に教員を入れなくなったのです。

 例えば、ここ福岡県のお隣の佐賀県でも教員不足が深刻でして、採用試験を年に2回したり、定年退職した教員を再任用したりするなど色々としてきました。
 それでも今年は、小学校14人・中学校33人・高校10人・特別支援学校7人の合計64人も教員が不足していました。

 それで、佐賀県教育委員会は教員不足解消にと、小学校の教員採用で導入した「さがU・J・Iターン現職特別選考」を中学校にも広げました。
 さらには、教員免許を持たない人を対象に、特別免許状授与を前提とした「社会人特別選考」を、中学校の一部の教科で取り入れました。
 これは、例えば技術家庭科など専門知識が有れば、他の職業の方も持っている技術や知識を活かして教員になって欲しいと言う事からです。

 佐賀県の例をご紹介しましたが、ここ福岡県の福岡市でも教員免許を持たない人に特別免許状授与のニュースが有りましたし、今や日本全国で教員が不足しています。

参考:( 朝日新聞)教員免許状ない社会人も「特別選考」 教員64人不足、佐賀県が対策

参考:(Kimマガジン)【教員不足の都道府県ランキング】教員不足の教科は?教員不足ワーストはどこ?

終わりに 

 学校の先生が足りないと言うのは、新聞やテレビニュースで知っていましたが、先に書いた福岡市が「知識や技術が有れば、教員免許が無い人も教員にする」
と言うのは、見ていてちょっと疑問でした。

 と言うのも、私は新卒で入社した会社で、入社5年目くらいから新入社員教育の仕事をしていました。
  教育カリキュラムを組むにしても「こうすれば分かりやすいかな?」とか「この科目は、どの課の誰に講師を頼もうか?」とかを考えて、教育期間が終わった後にスムーズに仕事に入れる様にしていました。
 講師をしていただいた人からの感想を聞いて「この部分は直さなきゃ」と修正点の洗い出しや、新入社員さんの日誌を見たりして、新人さん達の悩み解決の毎日を送っていました。

 なので、「知識が有るから教えられる」と言うのは、学問を教える事は出来るでしょうが、暴力行為を起こす生徒や不登校になってしまう子供たちへの、心理的な根本解決にはなっていないと思います。

 だからこそ、文部科学省も不登校児童に「当事者アンケート」を取って、対策を考えようとしていますし、後は不登校となっている児童たちの「学びの場所」である、教育支援センターの充実を早く進めて欲しいものです。

参考:(IZa)<独自>不登校の児童生徒側に直接アンケート 文科省、学校認識とのズレ把握

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2 件のコメント

  • 記事を読ませていただきました。子どもは減るけど、教員になりたがらない人も増えているということでしょう。教員が児童の親の対応やクレームなどを時間帯を気にしないで言われることも苦痛なのかもしれませんね。今の社会問題が解決したらいいなぁ!と思っています。

    • コメントありがとうございます。
      今の学校の先生は授業以外に、やらなければならない事が多すぎるのだと思います。
      また、子供たちは子供たちで、変に大人化した考えを持つ様になったのが暴力やいじめに
      繋がっていると思います。
      早く「支援センター」が整備されるといいですね。

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