HPVワクチン接種を逃した女性が声を上げ、学生団体「V can」立ち上げ

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

2013年6月に積極的推奨が差し控えられたHPVワクチン。それから9年が経って、国は女性の子宮頸がんの予防の為、HPVワクチンの積極的接種が2022年4月1日から再開されました。又、9年の間に接種が受けられなかった1997−2006年生まれの対象年齢の女性に、キャッチアップ接種も始まりました。

そんな中で周りの否定的な声で、HPVワクチンを無料接種が出来た当時に接種を逃した女性が、「V can」という、正しいHPVワクチンの知識を広める為に、学生団体を設立したりしました。また青森県平川市では2022年8月から2023年3月末まで、男性のHPVワクチン接種の助成を始めています。

今回はHPVワクチンに対する声を、様々な視点から考えていきたいと思います。

HPVワクチン接種を逃した女性の声

2022年には17歳から25歳になる女性たちは、子宮頸がんを防ぐための国がHPVワクチン接種の呼びかけをしなくなった間に、情報が入らないまま、無料接種のチャンスを逃した方が多いと言います。

1人の20歳の医学生の女性は中学生の時、母親に言われるがままHPVワクチンの接種を受けませんでした。「子宮頸がんってね、性に盛んな人がなるものよ」「HPVワクチンは危ないよ」。

こうした漠然としたイメージが実は誤った知識だったことを、医学部に進んで初めて誤解だったことに気付いたと言います。

「HPVワクチン接種は周囲の無意識の思い込みに流されず、子ども達自身で学習して、HPVワクチンを接種するかどうか考えて貰えたら」と、そんな気持ちから、HPVワクチンの接種を逃した女性は声を上げ出しました。女性が中学生の時、副反応への恐怖とは違うもう1つの“接種しなくて良いワケ”を母親がよく話していたことを今も鮮明に記憶しています。

女性が中学生だった時、「子宮頸がんってね、性に盛んな人がなるものよ」と、母親も女性自身も無意識に考え込んでいたことで、疑問を持つ機会も全くなく発した言葉でした。「安全な生活を送っていれば子宮頸がんは罹患しないから、HPVワクチンを打つことはしない方がいいわよ」という、母から娘への確認の合図でした。

そのため、女性は、無料でHPVワクチンを接種可能な対象年齢だった16歳までに接種することはなかったといいます。

女性と母親が当時無意識に抱えていた思い込みは、今も根強く阻む「子宮頸がんの誤解」の1つの無意識な思い込みです。

女性は高校卒業をした後、進路は医学部に進みました。医学部では色んな診療科について勉強するチャンスが多くあり、覚える知識も山ほどあると言いますが、その中でも最もショックを受けた知識が子宮頸がんとHPVワクチンについての正しい話でした。

女性は「専門家の先生にとってはHPVワクチンは接種するのが常識という認識が拡大していて、特に産婦人科の教授は『我が子には絶対HPVワクチン接種させる』と口にする先生しかいませんでした。普通の人と産婦人科の先生との間で、大きな考えの隔たりを感じ、どうしてどなたも、HPVワクチンの正しい知識を教えてくれなかったんだろうと。でも、自分の身体のことなのに、母に言われるままに動いていたことに気付いたんです。自分から学ばず、ただ無意識な思い込みをしていたことが、医学部に進学をしたいと思っていた、私にとってはすごく無知な思い込みでした」と話しました。

参考:子宮頸がん・HPVワクチンは親子で学んで デマや誤解で接種を逃した医学生-NHK(2022年)

女性は私が何か役立てることはあるのではないか?と思い始めました。そして、女性は2021年、HPVワクチンの正しい知識を拡大させるべく学生団体「Vcan」を設立しました。「preVentable CANcer」の略、日本語で「予防出来たはずのがん」という意味で、子宮頸がんで苦しんでいる未来を明るい光にしたい、という想いが込めました。

「V can」をサポートしているのは、全国の医学生や大学生の約10人です。男性のメンバーが半数を占めます。HPVワクチン接種に関してどうやって多くの人に無意識な思い込みから正しい知識へと繋げることが可能となるかのか、オンライン会議で幾重にも意見交換を繰り返し、「V can」の運動を広げています。

公式サイト

https://www.vcan-hpv.org/

公式twitter

https://twitter.com/officialvcan?s=21&t=mqkfCBwOdvq_zGd6RTgYdw

公式Instagram

https://www.instagram.com/vcan_official_/?hl=ja

公式YouTube

https://m.youtube.com/channel/UC46wHK1CV1ChEdmVLX_0aLg

HPVワクチンの一般的なイメージ

一般的なHPVワクチンの認知度はそんなに高くないと想定されますが、2013年にかけてHPVワクチンの副反応に関する報道が多くなった経緯から、HPVワクチンの接種に対して戸惑いと困惑を感じている方も沢山いると推測されます。

そこでクリニックフラウ栄は、2021年10月11日から10月14日に、クリニックフラウ栄に通院歴のある10代から60代の女性569人の女性に対して、HPVワクチンへの意識調査から、認知度・理解度に関係されるアンケート調査を実施し、結果をまとめました。

子宮頸がんワクチンを接種する際に知っておきたい、不安に感じていることは何か質問しました。

「効果について知りたい」と答えた方は21.9%、「副作用について知りたい」と答えた方は50.7%、「費用について知りたい」と答えた方は23.7%となりました。全体の傾向としては、副作用に関して不安になっている方が多いことがわかります。

画像引用・参考:「子宮頸がんワクチン」の接種率は約4分の1であることが判明。ワクチンの理解・啓発を|子宮頸がんワクチンに関する意識調査 PR  TIMES(2022年)

2023年4月からHPVワクチンの「9価ワクチン」も無料接種対象へ。

子宮頸(けい)がんなどを引き起こすヒトパピローマウイルス(HPV)の「9価ワクチン」が4月から定期接種の対象に加わる。従来のワクチンより感染予防効果が高いとされ、小学6年~高校1年相当の女性は原則無料で接種できる。

画像・引用:子宮頸がん9価ワクチンが4月から定期接種対象に どんな効果が? 副反応は? 東京すくすく(2023年)

男性のHPVワクチン接種に助成へin青森県

青森県平川市ではある特定の年齢の女性が、無料でHPVワクチン接種可能な、子宮頸がんなどを予防出来るためのHPVワクチンに関して、同平川市在住の男性にもHPVワクチン接種でかかるお金を助成する制度を取り入れると明らかにしました。厚生労働省は、男性が対象のHPVワクチン接種の助成制度を取り入れる自治体は全国でも例がないといいます。

HPVワクチン接種の助成の対象となる男性は、同平川市内在住の12歳から25歳の男性約1600人が、2022年8月1日から2023年3月末までの期間に接種し発生したお金です。HPVワクチン接種は3回接種する決まりとなっており、同平川市では1回につき最大約1万7000円を助成とします。

HPVワクチン接種の予約を希望したい男性に関しては、同平川市と周辺の41医療機関で随時受付が始まり、前もって同平川市役所の方へ接種希望の申請書を提出する必要があります。

参考:HPVワクチン 男性の接種費用を助成へ 平川市 青森 NEWS WEB(2022年)

平川市子育て健康課の課長の男性は「男性もHPVワクチン接種しやすい環境を整え、子宮頸がんへの感染リスクを減少させ、市民の健康を守りたい一心です」と言いました。

香川県にある、穴吹デザインカレッジがHPVの啓発動画を公開中

動画・引用:香川県 子宮頸がん予防啓発動画を作成しました 穴吹カレッジグループ

香川県高松市の専門学校生たちが香川県の依頼を受け、子宮頸がん予防の啓発動画の製作に携わりました。子宮頸がん当事者世代でもある学生たちは、医師の指導の元に、子宮頸がんに関して勉強し、検診によるHPVワクチン接種や、子宮頸がんの早期発見を動画で発信しています。「子宮頸がんを正しい知識で理解を深めて頂けたら」と期待を込めています。

子宮頸がんの早期発見には検診が重要なキーとなります。香川県によりますと、香川県内の市町が行う子宮頸がんの検診で、20歳代の検診の受診率(2020年度)は11.6%で、全国平均値(11.8%)を少し下回ってしまいました。

香川県は若い人に子宮頸がんの検診を呼びかけるべく、香川県高松市にある専門学校「穴吹デザインカレッジ」のネット動画クリエイター学科に子宮頸がんに関する動画製作への賛同をお願いしました。

学生12人が1から台本を書きました。ネット動画クリエイター学科の学生の半数は毎日通学の日はYouTuberや「Vチューバー」として動画配信を実施していて、香川県産婦人科医会の監修を受け、数ヵ月間で動画を完成させました。

動画は2本となります(1本およそ7~8分)。1本目は検診の手順を紹介しながら、子宮頸がん検診にかかる時間や費用を紹介しました。医師へのインタビューの部分では、「子宮頸がん検診を受けたことを周りの人に知られたくないのです」、「検査や内診は痛くないですか」といった当事者目線での質問を問いかけました。

もう1本の動画では、学生が分身の「アバター」姿で出演し、子宮頸がんへの感染を予防するHPVワクチンの接種方法などを取り上げました。

動画製作に携わった男子学生Aさんは意識したことを「学生目線で医師に聞く姿勢をで制作しました」と語り、別の男子学生Bさんは「明るく親しみやすいテイストにしました」と振り返っていました。

また、男子学生Cさんは「子宮頸がんは女性の病気だと思っていましたが、男性にも関連する病気でした。広く認知して頂けたら」と説明しています。

参考:子宮頸がん予防 動画に 読売新聞(2023年)

岡山県がHPVワクチンの予防啓発マンガを公開中

岡山県は県小児科医会、県婦人科医会と連携を結び、子宮頚がんの予防啓発マンガを公開しました。2022年に配信した「Vチューバー」の動画に続き、当事者世代でもある若い世代へのHPVのワクチン接種を呼びかける内容となっていて、「子宮頚がんを考える機会にして頂きたいです」と説明しています。

予防啓発マンガの主人公は岡山県内の学校に通学している女性で、各年代に共感して頂くべく主人公の年齢は決めず、中高生との設定です。主人公は学校で子宮頸がんに関して学び、心配になる気持ちを抱きます。実際に子宮頚がんを罹患した従姉妹に会いに行って、子宮頚がんの治療のキツさや前向きに生きる姿を見て、子宮頸がんを自分自身の問題として捉えた姿を描いています。

岡山県によれば、20~30歳代で子宮頚がんを罹患する率が上がるのが特徴なことから、年上の従姉妹を登場させました。冊子は岡山県内の公立、私立の小中高校の児童や生徒に配布する以外にも、HPVワクチン接種が可能な医療機関にも掲載して配布します。県健康推進課は「等身大の主人公と子宮頚がんの現状や予防方法を一緒に勉強して頂きたいです」と述べています。

同健康促進課によれば、岡山県内のHPVワクチンの1回目定期接種率は、2021年度が61.3%で全国平均の37.4%を上回っています。ですが、接種率の計算は、接種した12~16歳の女性の数を13歳の女性人口で割った数なことから、「決して高い数字ではない」と懸念しています。実際、モデル事業として行っていた2011年度のおよそ230%には届いておらず、積極的なHPVワクチンの接種を発信しています。

参考:主人公は女子中高生…子宮頸がん予防、県など啓発マンガ作成 読売新聞(2023年)

実は私、

HPVワクチンを打ってません。母は「あんたが高校生の時、定期接種じゃなかったはずだから打ってないよ」と言うのですが、本当にそうだったのか真意は分からず、20代の頃はひたすら引きこもりで寝ていて、テレビで副反応のニュースを観ていて、ボーッとした視界の中で、「凄く大変そうだな」と思っていた過去があります。

私の年齢はキャッチアップ接種でも対象外の年齢です。前他の記事を書いていて調べていた時に、「自費だと10万かかるらしい」と書いてあって、そこで尻込みしてしまいました。改めて観た内容にはおよそ5万と書いてありましたが、実際のところ病院によって自己負担額が違うでしょうし、よく分かりません。

何より私の地元が近くの病院で、HPVワクチン接種をやっていなくて、接種する場所に行くまでが遠く、又余計に躊躇しています。目標では早めに私も打ちたいですね。既往歴沢山あるので、合計3回接種ですし、接種後悪影響出なければ良いのですが、、、

参考サイト

HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)男性への接種について みうら泌尿器科クリニック

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母親の羊水にがん細胞、初泣きで吸い込んだ子が肺がん発症 読売新聞(2022年)

noteでも書いています。よければ読んでください。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も2交代制で担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。