OD(起立性調節障害)を抱えた女子高校生の物語~映画「今日も明日も負け犬。」~

起立性調節障害

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はじめに

先日、夕方の福岡のニュースで「高校生の制作した映画がアメリカで公開」という話を聞き、とても興味をもちました。

これは、一人の「起立性調節障害を患う女子高生の物語」です。

始まりは1人の女子高生

福岡県春日市、中学生だった西山夏実さんは、中学1年の秋頃に突然、極度の食欲不振となり、体重が2〜3か月で7キロほど落ちた。

そして翌春、教室で倒れ、医師にOD(起立性調節障害)と診断を受けました。

西山さんは、次第に朝は起きられなくなり、昼夜逆転の生活が続くことになります。

友人とも会うことができず、次第に孤独の中で自分の体が変わっていく恐怖を感じることになりました。

たとえ、登校できても保健室で過ごす日々。

辛かったのは、教師から「サボっている」と誤解されて精神的に追い込まれたことだとという。

起立性調節障害(OD)とは?

起立性調節障害は、自律神経系の異常で循環器系の調節がうまくいかなくなる疾患です。

立ち上がったときに血圧が低下したり、心拍数が上がり過ぎたり、調節に時間がかかりすぎたりします。

この疾患は自律神経疾患なので身体的要素以外に、精神的、環境的要素も関わって起こると考えられています。

引用:子どもに起こりやすい起立性調節障害 | 済生会

きっかけは、友人の存在だった

西山さんに転機が訪れたのは、県立筑紫丘高2年の時でした。

2020年の春、同級生の小田実里さん(18)が、ODと闘う西山さんの日常を小説にしたものでした。

保健室で出会った女子生徒(西山さん)との交流や、高校受験のエピソードなどを盛り込み、ネットショップで100冊を販売したところ即日完売したのです。

西山さんはこの出来事をきっかけに、OD(起立性調節障害)という病気を多くの人に知ってほしいと、映画化することを決めました。

SNSで出演者やスタッフを募集し、高校生を中心に26人の協力を得ることができました。

西山さん自身が監督を務め、脚本は小田さんが担当。

西山さん役は、演劇の経験がある同級生の古庄菜々夏さん(18)が演じました。

映画にかかる費用は、親に借りたり、クラウドファンディングで集めることができました。

 

完成した映画「今日も明日も負け犬。」

撮影の途中で、ODの症状にも襲われたりした西山さんでしたが、周りの多くの人たちの助けを借りて完成させたのが、「今日も明日も負け犬。」(60分)です。

そして、なんとこの作品は、同年12月、「高校生のためのeiga worldcup」自由部門で76作品の中から最優秀作品賞に選ばれ、毎年ニューヨークで開かれている「全米学生映画祭」での上映が決まったのです。

あらすじ

中学2年生の西山夏実は、素敵な先生や友達に恵まれ、順風満帆な学校生活を送っていた。​

しかし、ある日突然『起立性調節障害』という病気が彼女の体を襲う。

​遅刻、欠席が増え、教室に入ることができなくなった夏実は、保健室登校を始める。

病気を周りに理解されないことが、身体だけでなくいつのまにか夏実の心までも苦しめていたのである。

​そこで出会った 蒔田ひかる という少女が夏実の運命を左右することに。

​生気を失ったような彼女は、口を開くことも微笑むことも全くしない。

​夏実はそんなひかるを見て、鏡を見ているような気分になっていた。

​夏実は〈ひかるを笑わせる〉という夢を抱き、保健室生活を二人で過ごすが、ひかるは突如姿を消す。

果たして、夏実は病気を抱える体で夢を叶えることができるのか。

​二人が紡いだ【奇跡の物語】が、あなたの心に寄り添う。

最後に

このニュースを見た時に、OD(起立性調節障害)という病気の名前は聞いたことがあったけれど、これほど日常生活に影響する病気とは知りませんでした。

そして、今回映画の制作メンバーが高校生ということにも驚きを隠せませんでした。

ぜひ、多くの人にこの映画を見てほしいと思います。

 

参考サイト

映画「今日も明日も負け犬。」。現役女子高生監督が自身の起立性調節障害の実話を描いた物語。制作メンバーは全員高校生。 : フクオカーノ!- 福岡の情報サイト

今日も明日も負け犬。

起立性調節障害 高校生が映画化「病気の実態 広く知って」国内コンクール最高賞 米で今秋上映:地域ニュース : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

 

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TANOSHIKAライター。うつ病、AC(アダルトチルドレン)、機能不全家族育ち。現代詩を勉強中です。セクシャルマイノリティ当事者。読みやすい、わかりやすいをモットーに様々な記事を書いていきます。