駅の無人化、全国的に進む-半分以上の駅を無人化する福岡の大手私鉄-

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こんにちは、金次郎です。

 福岡の大手私鉄と言えば、西日本鉄道(通称:西鉄)です。
 電車部門は、県庁所在地の福岡市から南に真っすぐ降下して熊本県堺の大牟田市までを結ぶ大牟田線に、学問の神様である菅原道真公を祭る太宰府天満宮まで行く大宰府線と後は甘木線、大牟田線に直結はしていませんが貝塚線の4線からなります。
 またバス部門は、バス保有台数が3,000台を越え、日本の私鉄バス会社では日本一の保有台数です。
 私が子供の頃は、福岡市中心部を路面電車も走らせていました(マイカーブームや市営地下鉄が整備されたので、今は有りません)。
 その西鉄が今回駅の無人化を更に推し進めており、全駅の半分以上が駅員のいない無人駅になってしまいます。

駅の無人化

 沿線人口の減少に伴い、現時点では路線南部の久留米市南部から大牟田市間に有る16駅中15駅が無人駅化されており、今回それに加えて人口が比較的多い福岡市側の駅も無人化すると発表しました。
 私は久留米市の北部隣の小郡市に住んでいますが、今回の無人駅化の影響をもろに受けます。

2022年4月よりの無人駅化予定(福岡市側の駅から市内の駅名を書いて行きます)

・津古(つこ)駅       無人駅
・三国ヶ丘(みくにがおか)駅 現状維持
・三沢(みつさわ)駅     無人駅
・大保(おおほ)駅      無人駅
・小郡駅(おごおり)駅    現状維持
・端間駅(はたま)駅     無人駅

このようにほとんどが無人駅となりました。
現状維持の駅も、急行停車駅のため残っただけです。

無人駅はサポートセンターを拠点に集中管理する方法をとっています。係員がカメラで駅構内の様子を確認したり、定期的に巡回して安全確保に努め、事前に乗降支援などの依頼があれば、対応できる体制も整えているそうです。

それ以外にも西鉄が止めたサービス

 新形肺炎が猛威をふるい出した2020年4月の、第1回目の緊急事態宣言以降、西鉄は色々なサービスを止めています。
・ICカード乗車券の乗った金額によって付くポイント付与制度が無くなりました。
 (系列スーパーマーケットの西鉄ストアでの買い物では、今まで通りポイントは付きます)
・減便ダイヤが組まれ、日中の電車の本数が少なくなり終電の時刻も早まりました。
・西鉄が経営する娯楽施設の1つで福岡市東区にある「香椎花園(かしいかえん)」と言う遊園地が2021年12月30日をもって閉園しました。

困る障がい者

 駅の無人化で困るのは、やはり障がい者です。
 特に車イスに乗っている方は、電車への乗り降りで駅員の介助が受けられなくなります。
 一応西鉄は「何時のどの電車に乗る」と言う情報をくれれば、他の駅の駅員もしくは、西鉄が経営している老人ホームや介護施設等から介助者を駅に派遣すると言っています。
 
 大分県では、2020年に車イスの方が「駅の無人化で移動の自由を奪われた」と言う事で、JR九州に損害賠償の裁判を起こしたりしています。

(朝日新聞デジタル)20年で400駅が無人駅に 都市部でも増える日中だけ         https://www.asahi.com/articles/ASNCH65CZNCCUTIL048.html

 私の場合も、所持しているICカード乗車券は障がい者用の運賃割引カード乗車券ですので、1年毎に更新処理をしないと、カード乗車券が使えなくなります(普通は3年毎更新)。

終わりに 

 私が利用している西鉄電車に限らず、日本全国の鉄道会社で駅の無人化がどんどん進んでいますが、個人的に思うのは最近の西鉄は電車やバスなどの運輸業よりも不動産関係に力を入れている感じがしています。
 急行以上が停車する駅の周りには、西鉄の不動産部門が作ったマンションが立ち並び、それに付随する様に住宅型老人ホームが有りますし、新興住宅団地もあちこちに作って都市部から郊外への移住を推進しています。
 人口が減少しているこの国で運輸業を保つためには「郊外に人を移動させて、それで通勤通学の乗客を増やそう」なんて考えているのじゃないか?なんて勘ぐってしまいます。

参考元

(西日本新聞)西鉄天神大牟田線が無人駅9増検討 実施なら全体の半数、利用客減で
       https://www.nishinippon.co.jp/item/n/852939/

(デスクトップ鉄の雑記帳)都道府県別無人駅比率            https://desktoptetsu.hatenablog.com/entry/20201124/1606218815

 

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