ハーヴェイ・ミルク~同性愛者の人権活動家、彼の遺したもの~

ハーヴェイ・ミルク

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先日、BBCのニュースサイトでこのような記事を読みました。

ハーヴェイ・ミルク氏といえば、1970年代に活躍した、同性愛者の人権活動家です。

ミルク氏の名前のついた艦艇というニュースを読んで、改めてハーヴェイ・ミルク氏がどのような人物だったのかご紹介したいと思います。

給油艦艇「ハーヴェイ・ミルク」

アメリカ海軍は6日、性的指向(同性愛者であること)を理由に、1950年代に海軍の退役を強いられた、同性愛者の人権活動家ハーヴィー(ハーヴェイ)・ミルク氏(故人)の名前を冠した給油艦の進水式を行いました。

カリフォルニア州サンディエゴであった給油艦ハーヴィー(ハーヴェイ)・ミルクの進水式には、カルロス・デル・トロ海軍長官と、ミルク氏のおいのスチュワート・ミルク氏らが出席しました。

潜水士として勤務

ミルク氏は海軍で潜水士として勤め、朝鮮戦争では潜水艦救難艦キティウェイクに中尉として乗船していました。

しかし1955年、性的指向について2週間にわたる尋問を受けた末に、退役へと追い込まれてしまったのです。

しかし、1977年には、サンフランシスコ市政執行委員に選挙で選ばれ、同性愛者だと公言するアメリカ初の政治家となりました。

ハーヴェイ・ミルク氏とは、どんな人物なのか?

ハーヴェイ・バーナード・ミルク(英: Harvey Bernard Milk, 1930年5月22日 – 1978年11月27日)は、アメリカ合衆国の政治家、ゲイの権利活動家でした。

ハーヴェイ・ミルク

1977年、カリフォルニア州サンフランシスコ市の市会議員に当選し、同国で初めて選挙で選ばれたゲイを公表していた公職者となります。

しかし、議員就任1年も経たない1978年11月27日、同僚議員のダン・ホワイトにより、ジョージ・マスコーニ市長とともに、同市庁舎内で射殺されました。

この事件の裁判で、ホワイトはわずか7年の禁固刑を宣告され、この評決に怒り、悲しんだ同性愛者らが、サンフランシスコで広範囲にわたる暴動を起こしました。

ハーヴェイ・ミルクはゲイコミュニティーと、ゲイの権利運動の殉教者であると広く見なされています。

遺されたカセットテープ

ミルク氏は以前から、暗殺の危険を察知しており、その場合に再生されるようにいくつかの音声テープを録音していました。

それらのテープの1つには

有名なハーヴェイのことば
「もし一発の銃弾が私の脳に達するようなことがあれば、その銃弾はすべてのクローゼットの扉を破壊するだろう」(=もし私が暗殺されるようなことがあれば、それはこれまで隠れていたすべてのゲイの者たちをカミングアウトさせることにつながるだろう)

という、有名な彼の文が含まれています。

ハーヴェイ・ミルクの遺したものたち

ハーヴェイ・ミルク研究所や、サンフランシスコのハーヴェイ・ミルク・レスビアン、ゲイ、両性愛者及びトランスジェンダー民主クラブのように、多くのゲイおよびレスビアンの共同体協会がミルクの名前にちなんで命名されました。

また、ニューヨーク市のハーヴェイ・ミルク高等学校を始め、合衆国の多くのオルタナティブスクールにもその名前にちなんだ学校があります。

英国のウォーウィック大学の食堂は、彼の名誉にちなんでハーヴェイズと命名されました。

そして、リーズ大学の組合はナイトクラブをハーヴェイ・ミルク・バーと命名しました。(ただし、これはそれ以降に改名された)。

1999年6月、ミルク氏が「タイム誌が選ぶ20世紀の英雄・象徴的人物100人」の一人に選出され、2008年5月には、カリフォルニア州議会下院がミルク氏の誕生日である5月22日を公的に「ハーヴィー・ミルク・デイ」と規定する法案を可決しました。

また2009年に大統領自由勲章を授与されています。

参考:ハーヴェイ・ミルク – Wikipedia

映画「ミルク」

私がハーヴェイ・ミルク氏を知ったきっかけが、映画「ミルク」でした。

『ミルク』(原題: Milk)は、2008年のアメリカ映画で、自らゲイであることを公表した人権活動家ハーヴェイ・ミルク氏の生涯を描いた伝記映画です。第81回アカデミー賞では作品賞を含む8部門にノミネートされ、主演男優賞と脚本賞を受賞した。

映画「ミルク」画像引用:ミルク – 作品 – Yahoo!映画

1970年代、アメリカでマイノリティのために戦った政治家ハーヴェイ・ミルクの人生最後の8年間の物語である。

最後に

進水式では、デル・トロ長官がミルク氏について、

「自分の人生のとても大事な部分を隠す」よう海軍時代に強いられたのは間違ったことだったと述べました。

「あまりに長い間、ミルク中尉のような海軍兵たちは、暗がりの中に身を潜めるよう強いられ、さらにひどい場合は、私たちが愛する海軍を辞めさせられた」

「そうした不正義は海軍の歴史の一部だ。しかし、不正義に直面しながら勤務し続けた人々の粘り強さも、またその一部だ。」

とも述べました。

引用:米海軍、同性愛者の人権活動家ハーヴィー・ミルク氏の名前を艦艇に

 

最後に

ハーヴェイ・ミルク氏が活動していた1970年代は、現在とは違い、黒人やアジア人、高齢者、児童、下級労働者等、様々な社会的弱者の救済が必要な時代でした。

ハーヴェイ氏もその時代の凶弾に倒れてしまいましたが、私たちマイノリティだけでなく、多く人々の記憶や、心に多くのものを遺してくれました。

改めて映画の「ミルク」を観てみようと思います。

 

参考サイト

米海軍、同性愛者の人権活動家ハーヴィー・ミルク氏の名前を艦艇に

ミルク (映画)

ハーヴェイ・ミルク – MAXAM

ハーヴェイ・ミルク – Wikipedia

ミルク – 作品 – Yahoo!映画

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TANOSHIKAライター。うつ病、AC(アダルトチルドレン)、機能不全家族育ち。現代詩を勉強中です。セクシャルマイノリティ当事者。読みやすい、わかりやすいをモットーに様々な記事を書いていきます。